すぐ声が枯れるのは、発声を喉だけでやっているから - それ、大間違いですよ?

B!

こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。

 

あなたは人前で長時間話したり、少し大きな声を出したりするとすぐに疲れてしまいませんか?

または、声を出すのがだんだん辛くなってしまいませんか?

例えば、15分のプレゼンをしただけで声が枯れてしまう人もいますよね。

もしあなたの声が長く持たないとしたら、そんなプレゼンを聴いている人はどんな印象を感じるでしょうか?

例えば、こんなことをイメージしてみてください。

・あなたが自分の商品を売るためのセミナーで
・あなたが講師として開催するワークショップで
・あなたがインストラクターとして受け持ったクラスで
・あなたのプレゼンが会社の未来を決める重大なコンペで
・あなたの魅力を売り込む就職・転職面接で

いくら内容が素晴らしくても、声がイマイチだと相手の印象はどうなると思いますか???

当然、あなたは気づいていますよね?

内容もさることながら、声も重要なファクターだって言うことに。

もしあなたが、ご自身の声が理由で大切なチャンスを潰してしまった経験があるなら、今回の記事は必ず役に立つでしょう。

あ、もしかしたら、ご自身の声が理由で大切なチャンスを潰してしまったことに気づいていないかもしれません。

そんな方は今回の記事を読んでおかないと、一生チャンスを潰し続けるかも・・・

 

このままじゃヤバいですよ

このままじゃどうヤバいかはもうお気づきですよね?

「えっ?何がヤバいの?」と思っているあなた、もしかしたら数年後、あなたは職を失うかも知れません。

AIに仕事を奪われるからです。

詳しく知りたい方は【人間の声はどんどん悪くなる】を読んでください。

その自覚がない人ほど危ないんです。だって、通勤電車の中で、自分のカラダにダメージ与え続けながらスマホに夢中になっているから。

自分は関係ないと思っている人ほど危ないんです。

これ、呼吸にも良くない影響を与えているので将来的には健康問題にもなるかも知れませんよ。まぁそれが顕著になるのは私たちがもう少し歳をとったあとですけどね。その時に慌てても手遅れです。

早いとこ厚生労働省あたりに手を打ってもらいたいですよね。このままでは若い世代にもどんどん医療費を使うことになると思います。ストレートネックやチャイルド腰痛とかね。

 

みんな自分のカラダの邪魔をしていることに気づいていない

そうなんです。きっとあなたも例外ではないと思います。

仕事ではPCに向かって、プライベートではスマートフォンに向かっている人がほとんど。

少しでも時間ができたらInstagramチェックして、ちょっと時間ができたらYouTube見て、調べ物する時にはググる。

今ではタブレットで勉強もできちゃいます。

驚くほど多くの時間をデバイスを使うことに費やしています。

こんな話をすると「何言ってんの?トクガワもデバイス使ってんじゃん!」って言う人がいるんですけど・・・私の文章をよーく読んでください。

私は、デバイスを使うことは悪いとは一言も言っていません。デバイスを使うことで自分の生活が便利になることも知っています。

私が問題視しているのはね、使うことそのものではなくて、デバイスを使うときの私たちの方なのです。

つまり、デバイスを使うときの自分の使い方です。

「はぁ?」っていう声が返ってきそうですね。

そう思ったあなたは、一度デバイスを使っているときの姿を鏡に映してみてください。

例えば電車での通勤中にスマートフォンをいじっているときのあなたの姿、見たことありますか?

一度見てみてください。

そしてその姿に愕然としてみてください。

きっと自分のカラダにダメージを与えるような使い方をしていることでしょう。

もし自分の姿を鏡で見てもなんとも思わないのであれば、もうこの記事はここから先を読まなくても大丈夫です。

まぁ、ほとんどの人は鏡で見ることすらしないと思いますけどね。

でも、中には自分の姿を鏡で見て、「えっ?オレこんな姿なの?」とか「私、ものすごく醜い立ち方してる・・・」って気づいてくれる方もいると思います。

駅のホームで電車を待ちながらスマホいじってる人の立ち方を見てみると、よく分かっていただけると思います。

ここから先は、それを理解してくれる方のために書きますね。

 

当然、自分で自分の邪魔をしながら声を出している

ご自身のスマートフォンを操作しているときの姿を鏡で見ていただいたと思いますけど、多くの方はこんなカラダの使い方をしています。

・喉を押し潰している
・お腹を押し潰している
・首をもたげるようにしている
・脚をガッチガチにロックしている
・腰を前に突き出している
・背中を反っくり返らせている
・胸を潰している

あなたはいくつか当てはまりましたか???

これらは全部私たちのカラダの邪魔をするようなことです。つまり、人間が本来持っている動きや機能を阻害してしまうことです。

例えば、喉を押し潰していることは発声の機能に悪影響を与えますし、お腹を押し潰していることなんかは呼吸の機能に悪影響を与えます。

ほとんどの方が、自分がそんな風にしてスマートフォンを操作していたことすら気づかなかったと思います。

毎日数時間、こんな風にカラダを使っているわけですから、当然、あなたはこんなカラダの使い方を反復練習していることになります。

毎日毎日、人間として生まれ持って備わっている機能(発声や呼吸などなど)を悪化させる練習をしているわけですね。

ちなみに、呼吸は私たちが生きていく上で欠かせないもののひとつです。呼吸ができなくなったら、私たちは死んでしまいますからね。そして、私たちが生きていく上での欠かせない要素は呼吸の他には、食事・身体運動・精神活動があります。

ってことは、もっと言うと多くの人は日々の生活で呼吸と身体運動を悪化させる練習をしているとも言えますね。

 

発声を喉だけでやろうとしてない?

私たちは日々自分の呼吸や発声といった機能を悪化させながら生活している上、多くの方が発声についての誤解を持ったまま声を出していることにも触れておきます。

その誤解とは・・・

発声を喉だけでやろうとしている、ということです。

私が昔、声が出せなくなって困ったときにボイストレーニングを受けたことがありますが、私は歌手でもないのに音域を広げるトレーニングをさせられました。

その方曰く、私が声を出せないのは「喉頭の筋肉が鍛えられていないせいだ」と。

ちなみに、私が声を出せなくなったエピソードについては、プロフィールページに詳しく書いていますので読んでみてください。ナレーターなのに声を出せなくなって、絶望の淵にいましたからね。

発声について問題を抱えていたり、悩みを抱えていたり、または望みを抱いている人の多くの方は、発声は喉の使い方のトレーニングをすることで対処しようとします

私に言わせれば、それは木を見て森を見ずです。

だって、発声は喉だけでやっていることではありません

声帯の筋肉をどれだけ鍛えたとしても、声帯の筋肉だけでは声は出せません。その理由はご存じですよね?

だって、声帯の振動が生じることよって初めて音が生まれるし、その音は構音器官によって言葉に整えられます。そして響きが作られたりします。

喉だけ、つまり声帯だけを鍛えても、あなたの声は何にも変わらないのです。少しは変わるかも知れないけど、それはあなたが望んでいる変化とはほど遠いのです。

ちょっと話がそれますが、これだけは言わせてください。私は、多くの方が「声帯」という言葉を使っていることにも問題を感じています。ここでは深くは触れませんけど。詳しく知りたい方は【「声帯を鍛える」ってなんやねん?】を読んでください。

声帯だけを鍛えても望んでいる変化は起きない悩みや問題は解決しないこの事実を多くの方は知りません。ただただ一生懸命に発声練習や喉の筋トレに励むわけです。

実は声優やナレーター、俳優や歌手のように声を使って表現活動をしている方の中にも知らない方はいます。

今、「私は表現活動をしている仕事じゃないから関係ないや」と思いませんでしたか?そんなあなたは要注意です。

この国にある仕事の種類を考えてみてください。

セミナー講師やインストラクターのように人前で声を出す職業もあれば、営業マンやサービス業のように人とコミュニケーションすることがビジネスに含まれている仕事は山ほどあります。

仮に、「いやいや私の仕事は1人で黙々と作業する内容だから」、人と話す必要はないよと思っている仕事だってね、例外ではありません。

仕事中は人と話すことはないかも知れないですけど、その仕事に就くためには面接があるわけですよね?仕事の報告をしたり、自分の待遇改善を訴えたりする時には人と話さなくてはいけません

だからこの世に生きるすべての人は声が重要なんです。声が仕事や売上に直結しあなたの人生にまで影響を与えるのです。

そんなに大切な事なのに、喉だけでやろうとしているなんて横着しないでください。サボらないでください。

発声はカラダ全体で行う一大イベントなのです。

 

発声が全身作業である理由

多くの人が犯している勘違い「発声は喉だけで行われている」という幻想を払拭して欲しいので、その理由を解説していきます。

この『声のトリセツ』を長い間読んでくださっている方はご存じだと思いますが、私たちのカラダは骨と筋肉でできています。

骨はカラダの骨格をつくりバランスをとっていて、筋肉はその骨を動かす役割を持っています。

そして私たちのカラダには200個近い骨があって、そのひとつひとつに筋肉がくっついています。(中には例外もありますが)

多くの骨にはいくつかの筋肉がくっついています。筋肉が収縮して骨を動かすことで、私たちはさまざまな動作が実現できているのです。

例えば、歩くとか走るという動作をするときにも色んな筋肉が収縮して、いくつもの動作を実現しています。

いくつか例を挙げてみますね。

・片方の脚を上げる
・その脚を前に出す
・その脚を下ろす
・それと同じタイミングでもう片方の脚を引き上げる
・その脚を前に出す
・その脚を下ろす

と、こんな風にさまざまな動きの一連があって歩くとか走るという動作を実現しているのです。

こんな風に一度にさまざまな筋肉が収縮するだけでなく、ひとつの骨にはいくつかの筋肉がくっついていることが多いですから、ある筋肉の収縮によって生じる影響はそこだけでは収まりません。

 

では、声を出すために声帯を閉じるという動きを例に挙げて考えてみましょう。

いや、ちょっと待ってください、「声帯を閉じる」という表現は止めましょう!「声門を閉じる」としておきましょう。

声門の閉じるためには主に甲状披裂筋、横披裂筋、後輪状披裂筋が働きます。詳しくは【「声帯を鍛える」ってなんやねん?】に図解を載せているので読んでおくことをオススメします。これを知らずに幻想にしばられている方が多いですからね。

さて、これらの筋が働くことで声門は閉じられ、そこに肺から押し出された空気がぶつかることで声帯ヒダが振動し音が生まれます。

これらの筋が動いただけのように感じますが、このわずかな動きが別の所に伝わります。

例えば甲状披裂筋は披裂軟骨と甲状軟骨にくっついています。甲状披裂筋が収縮すると披裂軟骨と甲状軟骨にバランスの変化を与えます。そして甲状軟骨には甲状舌骨筋や声帯筋などさまざまな筋肉がついていて、それらの筋肉のトーン(張り)に影響を与えます。そしてそれらの筋肉がくっついている別の骨や器官にも影響を与え、これがどんどんと全身に波及していくわけです。

特に喉頭には喉頭懸垂機構でも紹介したとおり、短いけれどさまざまな筋肉があり、とてもデリケートにバランスを取り合っています。喉頭懸垂機構についてはこちらの記事で詳しく説明しています。

というわけで、発声のための筋肉活動ががいかに全身に影響を与えるかはお分かりいただけますよね?

だから私は声のレッスンなのに「今、脚はどんな風に使っていましたか?」と質問したりするわけです。

いやいや「発声に脚なんて関係ないよ!」と思った方、あとで私のレッスンでの実例をご紹介します。それでも信じていただけないなら、声について何かの望みを持つことや困り事を解決することは諦めていただいた方が良いかと思います

 

必要なのは喉のトレーニングではない

多くの方は発声を喉だけでやっていると考えています。

だから、声についての問題や悩みを抱えている人がいつまで経ってもそれを解決できないままでいるのです。

だって、多くのボイストレーナーは喉の使い方や喉のトレーニングを扱っているでしょう?もちろんそうじゃないボイストレーナーもいるはずです。(中には、私のように発声練習をさせずに声を変えてしまうトレーナーもいますけどw

喉だけの問題ではないのに、喉で解決しようとするからいつまで経っても解決しないわけです。

まさに木を見て森を見ず。

もし声についての問題や悩みを解決したいなら、声についての望みがあるのなら、喉だけで解決しようとするのではなく、カラダ全体を扱うべきなんです。

だって、多くの方は声を出すときに喉のことを意識するあまり自分のカラダの働きを邪魔することをしてしまっているんですから。

それを改善しないままいくら発声練習をやったって、効果はたかが知れているのです。

だから私は発声練習をさせないんです。

それよりも大切な、あなたがあなたのカラダの働きを邪魔せずに声を出せる方法をお伝えする必要があると考えているからです。

そして、それは難しいことではなくて、あなたにもできることなんです。

 

カラダ全体を考えると、こんな風に変わる

あなたにもできると言うことを知ってもらうために、レッスンの実例をご紹介しますね。

 

ある男性が私の元に来られました。20歳前半の彼は、お仕事で人前で話す機会が多いそう。

「どんな状況で話すことが多いですか?」と伺うと、だいたい15名前後の人たちに向かって話すことが多いとのこと。その人たちは、みな彼の話を聞きに来ているそうなんです。

レッスンに来てくださった彼は自分の声にすこし悩んでいるようでした。

彼:「人の視線を浴びると口の動きが鈍くなるのか、よく言葉に詰まってしまうんです」

もう少しお話を伺うと、彼がどんなことに興味があって、どんなことを望んでいるのかが大体わかりましたので、実際に彼にいつも通りに話してみてもらいました。

彼:「今、聴いている人はいないって分かってますけど、いつものように聴いている人をイメージするとやっぱり言葉に詰まりますね・・・」

そうですよね。その瞬間に考えていることも声に影響を与えますからね。

彼の場合は、聴衆に見られているとか注目を浴びているという刺激が彼のカラダの使い方に影響を与えています。注目を浴びるというような外部からの刺激は特にね。私たちの本能が影響しているのかも知れませんが、カラダを固めるような動きを誘発します。

カラダを固める動作は残念ながら声を出すことを邪魔をしてしまうのです。

さて、私は彼の話している姿を見て、あるポイントを指摘しました。

私:「今、脚について気をつけていたことや意識していたこと、気づいたことはありますか?」

彼は「全く考えていませんでした」と答えてくれました。

私:「では、もう一度同じことでいいので話してみてください。今度は、話し始める前に脚のことを思い出して声を出すことに脚も参加させてみてください。」

すると、彼は言葉に詰まることなく話し終えたのです。

彼は驚きながら「あれ?上手く行きましたね・・・?」と言いました。

私が彼に「脚も参加させてみてください」と言ったのは、上手く行く確信があったからです。

なぜかというと、一回目に彼が話している姿を見て、私は彼の下半身が全く動いていないことに気づいていました。股関節から下を固めるようにして話していたのです。

これまでにアップした記事でも何度かお伝えしたことがありますが、発声はカラダ全体で行われている一大イベントなのです

でも彼が一回目に話している時は、彼の脚は固められていて発声に参加していませんでした。

だから私は彼に「声を出すことに脚を参加させてみてください」と提案したのです。

彼はこの体験を通じて、脚の使い方も発声に影響を与えるということを理解してくださいました。ここからのレッスンでは、より脚の使い方を詳しく説明し、それをふまえて声を出してみることを色々と実験しました。

彼がレッスンの最後にこう言ってくれました。

「今まで人前で話す時、まず最初に脚を固めてから話し始めていたことに気づきましたそれがボクが声を出すことの邪魔をしていたんですね

このエピソードを読んで、あなたは脚の使い方が発声に影響を与えるという私の考えに納得できますか???

 

まとめ

では、今回のまとめです。

今回のまとめ
多くの人は自分の声がチャンスを潰していることに気づいていない
なぜなら・・・
自分で自分の邪魔をしながら声を出していることに気づいていない
発声を喉だけでやろうとしている
・ほとんどのボイストレーナーも喉だけしか見ていない
「発声が喉だけで行われている」というのは、大きな幻想である!!

発声はカラダ全体で行われている一大イベントです。

今回紹介したように、脚の使い方を変えるだけで声は変わるんです。

声が変わると、確実なチャンスをものにできる大きな武器になります!

今回の記事やレッスンの例で取り上げたのは脚のことでしたが、発声に関わってくるのは脚だけではありません。

もちろん腕や背中、腹部、胸部、喉、顔などあらゆる部位が関わってきます。

だから私はいつも発声はカラダ全体をつかった一大イベントたど言っているのです。

この記事を読んでどう感じたかはあなた次第ですが、それでもなお、あなたが喉だけで発声をしていると思うのであれば、私がこれ以上お役に立てることはないでしょう。

声はあなたの喉だけで作られているのではありません。声はあなたのすべてでできています

あなたの経験価値観考えていること性格習慣カラダの使い方など、あなたの声にはあなたのすべてが凝縮されているのです。

あなたのすべてが凝縮されている「声」が変わると言うことは、あなたの人生が変わることに繋がると思いませんか?

もし声が変わることが人生にどれだけ影響を与えるのかイメージできない方は、こんな状況を考えてみてください。

・あなたが自分の商品を売るためのセミナーで
・あなたが講師として開催するワークショップで
・あなたがインストラクターとして受け持ったクラスで
・あなたのプレゼンが会社の未来を決める重大なコンペで
・あなたの魅力を売り込む就職・転職面接で

あなたの声に安心感があって落ち着きがあって信頼感があって説得力があって爽やかさがあったとしたら、どれだけ強力な武器になるか想像できますよね。

声が武器になって、あなたは数少ないチャンスをものにできるのです!!

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