こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。
今回は「舌」について考えていきましょう。
なぜ舌を取り上げるかというと、こないだのレッスンで舌のことをテーマにされていた方がいましてね。私も改めて舌について考えてみたんです。
いつも舌のことばっかりを考えるわけにはいきませんけど(他にも考えることあるし)、たまにはこうして考えてみるのもいいですね。今まで持っている情報をさらにアップデートできるわけですから。
こうやって少しずついろんな情報をアップデートしながら、全体としての声がバージョンアップしていくんですね。
というわけで、今回は「舌」についての考察です。
今日も、あなたにとって新しい情報に出会えるといいですね!
舌は筋肉でできている
もしかするといきなりの新事実かもしれないですけど、舌は筋肉でできています。知ってました?
意外と知らない人が多いこの事実。舌という筋肉組織の集合体が、私たちの口の中でくいんぐいん動いているわけです。
そして、舌はいくつもの役割を持っています。
声を出すときには音をつくる役割を果たしますし、食べ物を食べるときは口の中のものを移動させるために動きます。味覚を感じるところでもありますね。
この筋肉の集合体である舌、実はあなたが想像しているより遙かに大きいものなんです。
あなたの舌の大きさ、考えたことあります???
舌はどこからどこまで?
実際にどれくらいの大きさか、プロメテウスで見てみましょう。
横から見るとこんなかんじ。
引用:『プロメテウス解剖学 コア アトラス 第2版』
図38.21 舌の筋肉
A 左外側方から見たところ
舌の筋肉は二種類あって、舌全体を動かす役割を持つ筋肉と舌の形を変える役割を持つ筋肉があります。
横からの図で確認できる筋肉は骨に付着していて舌全体を動かす役割を持っているものです。
歯の裏側から耳の穴のちょい前の下辺りまで、広範囲にわたっています。
また、舌というと私たちはベロの部分しかイメージしませんが、実はベロを動かす筋肉はその下からにはこんなに大きい範囲に及んでいるのです。知ってました?
引用:『プロメテウス解剖学 コア アトラス 第2版』
図38.25 口腔
次に、舌の断面を見てみましょう。
引用:『プロメテウス解剖学 コア アトラス 第2版』
図38.21 舌の筋肉
B 冠状断、前方から見たところ
ベロの筋肉はこんなにびっしり詰まっています。これらが舌の形を変える役割を持つ筋肉です。
あわせて10くらいの筋肉がありますが名前はどうでもいいです。もっと詳しく知りたい方はLINE@で質問してくれればお答えしますけど、筋肉の名前を覚えたからといって声が変わるわけではありませんからね。
なんとなくでもいいので、舌の筋肉はたくさんあることをわかってもらえるといいです。
滑舌って?
さて、舌と発声のことを取り上げるなら、滑舌は欠かせないでしょう。
滑舌については私もよく相談を受けます。「滑舌が良くないんですけどどうすればいいですか?」とかね。
でも私は早口言葉のような滑舌の練習をオススメはしません。そのせいか驚く方が多いんですよね。「え?滑舌の練習方法教えてくれるんじゃないの?」みたいな。
もちろん私が滑舌の練習をオススメしないのには理由があります。
私なりの見解ですが、いきなり早口言葉をはじめてしまうと逆効果だと思うんです。
その理由はというと、滑舌の練習を始めると「早口言葉を噛まずに言い切ること」が目標になってしまうんです。
滑舌で悩んでいる方って早口言葉が言えるようになりたいわけじゃないですよね?
しかも滑舌で悩んでいる理由はみなさんそれぞれの違うわけですよね?
ある人は「人と話していると、聞き返されることが多いから」、またある人は「知り合いから滑舌悪いんじゃない?」って言われたから。
それを解決するために早口言葉が役に立つかどうかはわからないんです。
だって人と話しているときに少し緊張してカラダを固めることがあって、それが舌の動きを制限していることだってあるわけなんですから。
そんな人が早口言葉の滑舌練習をただひたすらやっても役に立ちません。
その人に役に立つのは、人と話すときの緊張を取り除くことで、舌を自由に動かすことができるようにすることの方がよっぽど役に立つわけです。
多くの人は滑舌の練習なんてやりたくてやってるわけじゃないですよね(笑)
考えていることが動きに影響を与える
なぜこうも滑舌練習がもてはやされているのかというと、アプローチの違いにあるんじゃないかと思います。
多くの人は何か上手くいっていないことがあったとしたら、結果に直結する動きだけに注目してそのトレーニングばかりします。もちろん有効な時もありますが、有効でないときもあります。
さっき例に挙げた人と話すときに緊張が舌の動きを制限しているというケースでいうと、早口言葉や滑舌練習のような動きのトレーニングは有効ではありません。
どれだけトレーニングしても、いざ人と話すというシチュエーションで起きることが舌の動きを制限しているわけなのでその緊張をなんとかしない限りは舌の動きは制限されたままなんです。
人と話すときに緊張が起きるのは、ほとんどの場合はその時に考えていることから起こります。嫌われたくないとか上手く話したいとか、そんな考えが緊張を生み出すきっかけに繋がります。その緊張が筋肉を硬直させて、舌の動きを制限する結果に働くこともあるんです。
こんな風に、考えていることは動きに影響を与える事もあるんですね。
だから動きの方に注目するトレーニングも大切ですけど、それと同じくらい思考の使い方に注目するトレーニングも必要なんです。
そして思考というのは、非常にシンプルなことでもかなりの効果があります。例えば「私は、彼と話すために舌を自由に動かすことができる」と考えるだけで見違える効果もあるほど。
その時に何を考えているかは、あなたの動きに大きな影響を与えるのです。
まとめ
今回は舌について、色んな情報をお届けしました。きっとあなたの中で色んなアップデートができる情報ばかりだと思います。
- 舌は筋肉でできている
- 舌の筋肉は広範囲にある
- 早口言葉や滑舌練習は役に立たないこともある
- 考えていることが動きに影響を与える
もしあなたが人と話すことやコミュニケーションについてなにか悩みがあるなら、これらの情報を使って、あなた自身の舌についてアップデートしましょう!
特に「考えていることが動きに影響を与える」については、特定の状況下で起こる思考というものが大きく影響します。
当たり前ですけど思考の習慣は人によって違いますから、Aさんに有効なアイディアがBさんには役に立たないこともあるんです。私がマニュアル的な練習や指導者の経験則を押しつけるだけのレッスンではあまり効果がないというのはそれが理由です。
だからひとりひとりのカラダの使い方や思考の使い方の習慣に寄り添うレッスンが大切なんです。残念ながら、それができる人はほとんどいませんけどね。そういう現状もあってボイスアクティベーションをスタートしたわけです。
もし「こんな状況ではどうすればいいの?」というような具体的なアイディアが欲しい方はLINE@から遠慮なく相談してくださいね。
またはボイスアクティベーションの体験レッスンで相談してくれても構いませんよ!
あわせて読んでおきたい記事はこちら
もし、「それでも滑舌の練習は大事だ!」という滑舌練習愛好家の方や、「滑舌の練習ってやっぱりした方が良いのかな?」と気になっている方は、滑舌の練習に関する私の見解をまとめた記事がありますので読んでおくことをオススメします。
何度も言いますけど、ただひたすら早口言葉を繰り返す練習、やってて楽しいですか?やりたいですか?
私はその時間を別なことに使いたいです(笑)
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