「やめる」「ゆるめる」が機能しないワケ 〜 シアトルで学んだこと その4

 

「力抜いて」は逆効果

レッスンの現場で先生から生徒に「力を抜いて」というアドバイスがあります。
おそらく、そのアドバイスを受けたことがない方はいない程、頻繁に飛び交うワードだと思うのですが・・・

残念ながらこのアドバイスはあまり機能しません。

なぜなら、「力を抜いて」と言われた生徒は、
それを真剣に取り組むので「力を抜く」ことに力を入れるのです。

例えば、肩に力が入っていたとします。
そのアドバイスに真摯に従うことにでこんなことが起きます。
肩の力を抜くために、他の箇所で力を入れてしまうのです。

例えばお腹や足、そしてよくあるのが腕に力を入れることで
肩の力を抜いているように見える(感じられる)のです。

肩に力が入っているとき、肩の位置は普段よりも高い位置にあります。
緊張からくる筋肉の収縮が肩甲骨や鎖骨の位置を引き上げるからです。

普段の位置より引き上げられた肩の高さを戻すために、
今度は、腕の力で下方向にひっぱるわけです。

見た目上、肩の位置は普段の位置くらいまで下がってきますが、
肩甲骨や鎖骨まわりの筋肉は緊張したまま。

さらに腕の筋肉の緊張も加わるため、
上半身は見事なくらいに固まっているわけです。

にもかかわらず、肩の位置が下がっているために
「力が抜けている」と先生も生徒も判断してしまうのです。

実際はガッチガチなんですよ・・・

このように「力を抜いて」は、実は「カラダを固める」という状態を生み出しているのです。

「何かをやめる」なら代わりのものを

「力を抜く」ということは今あるものを手放すということです。
これは、簡単そうに見えて実はとても難しいのです。

今までの自分の回路に組み込まれていたものを手放すわけですから
その部分の回路がごっそり抜け落ちるわけです。
抜け落ちた部分は穴埋めをしておく必要があります。

穴埋めしないまま放置すると、人間の脳はいつもの習慣に戻ろうとしたり
楽な方に進もうとする修正がありますから、
何とかして抜け落ちた回路を元の状態に修復しようとするのです。

その最もわかりやすい例が喫煙です。

タバコをなかなかやめられない。
がんばって禁煙しても半年くらいすると吸ってしまう。

そんな経験ありませんか???

「半年も禁煙できたから、オレはいつでもタバコはやめられる。
だから今回はこの辺で良いや!」と半年ぶりのタバコに手を出す・・・

その時、こんな風に思っていませんでしたか???

脳はいつもの回路を取り戻すために
もっともらしい理由付けをするのがとても上手。

ここでタバコに手を出してしまったら、
いつまで経ってもタバコをやめることはできないでしょう。

タバコを吸うという回路を手放したなら、
その回路が会った部分に別の回路を補ってあげなければ
いつまで経っても元に戻る恐れはあるわけです。

禁煙するときに禁煙パイプを使ったり、飴を食べたりするのは
タバコを吸うという回路を別の回路で補っているのです。

 

「力を抜く」の代わりとなるものは?

何かをやめるなら代わりとなるものを見つけてあげた方が上手くいくということは禁煙の例のとおりです。

では「力を抜く」の代わりになるものを見つけてみましょう。

例えば「ゆるめる」はどうでしょう?

肩の力をゆるめる。

なんだか一見上手くいきそうですね。

ところが、ゆるめるも上手く機能しません。

なぜだと思いますか???

力を緩めるために必要となる前提条件があるからです。

その前提条件は何だと思いますか?

「力を抜いて」というアドバイスを受けることがある方は
ここから先へ進まずにぜひ考えてみてください。

正解とか不正解は全く関係ありません。
考えるという行為が、今までの自分が思いもよらなかったことを気づかせてくれますから、自由に考えてみてください。

では、答えを発表します。

力を緩めるために必要となる条件は・・・

「力が入っていること」です。

力が入っていないニュートラルな状態で力を緩めることはできないですよね。

車の運転で考えてみましょう。

50キロの速度で走っているとき、スピードを緩めることはできます。
ところが、0キロの速度で走っている(つまり停車している)とき、
スピードを緩めることはできると思いますか?

できないですよね。

それと同じ事で、力を入れていないとき、力を緩めることはできないのです。

だから「力を抜く」の代わりとして「ゆるめる」は有効ではないのです。

「ゆるめる」ではなく「何をどのくらい働かせよう」

そこで有効になるのが「50キロを30キロに緩める」のではなく
「30キロで走る」ということ。

ゼロをスタートとして、より具体的な行動に置き換えるのです。

そのためには、まず自分が50キロのスピードで走っていることに気がつく必要があります。

つまり、「肩の力をぬいて」とアドバイスされたとき、
あなた自身があなたのカラダをどんな使い方をしているかに注目して欲しいのです。

肩の力が入っているのは、あなたのカラダの使い方による結果です。

結果を変える為には、結果をどうこういじくるのではなく
過程を見直すべきです。

あなた自身が、肩の力が入るカラダの使い方をしている。
それは明らかにスピードの出し過ぎです。
どこにその原因があるかが分かれば、その原因となる使い方を一旦ゼロに戻して今度は適切なスピードで走らせればいいわけです。

そのために、前回の シアトル編その3 で紹介したボディマッピングは大変有効です。
(前回は肺だけでしたが機会があったら別の部位も取り上げたいと思います)
「原稿を読むときに、どこをどのように働かせようかな?」

こんな風に思えることが、あなたのパフォーマンスを魅力的にするために
スキルよりもっとコアな部分にあるものを、より機能させてくれるでしょう。

 

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