こんにちは。
ボイトレをさせないボイストレーナーのヨシノリ です。

今回の内容に関連するお役立ち情報をお届けする【ワンミニッツ 声のトリセツ】はこちら!

 

以前、声帯の場所について詳しく紹介したんですが、今回はどうやって声帯ヒダが動いているか、またその動きが声にどんな影響を与えているかを紹介します。

どのように動くことができるかを知ることは、知らないよりも何百倍もメリットがあります。

それを知ることで、アナタが使いたい声をスムーズに出すことができるようになるからです。

今回は毎日たった1分取り組むだけで声が変わるエクササイズも交えてお届けします。

 

声帯ヒダを開く

まずは開く動きから見ていきましょう。

声帯ヒダを開くのは、主に後輪状披裂筋という筋肉の役割です。

 

『プロメテウス解剖学 コア アトラス 第2版』で見てみましょう。


図39.19 喉頭筋
C 左外側方から見たところ 喉頭蓋は取り除いてある

 


D 後方左から見たところ

 

続いて、『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ』から。
こちらは、イラストで動きの模式図があるのでよりイメージしやすいかと。

図18 後筋(休止状態)
図19 後筋(収縮状態)


図20 後筋の運動形式

 

この後輪状披裂筋が収縮することで、披裂軟骨が図の方向に回転するように動きます。声帯筋は披裂軟骨と甲状軟骨の裏側を繋いでいるので、披裂軟骨が動くと声帯ヒダの間の空間は広がります。

声帯ヒダの間の空間は声門間隙といって、ここが呼吸の時の息の通り道になります。

肺から送り出された息がここを通るときに、息が声帯ヒダに当たって振動することによって音が生まれているわけです。

どんなときに声帯ヒダを開いているのかというと、息を吸う時ですね。

この声帯ヒダの間の隙間が閉じてしまうと、息が通過することができません。つまり、呼吸をしようにも肺への通り道が遮断されるわけです。だから、息が肺から出入りしていると言うことは声帯ヒダの隙間はほんのわずかでも開いていることになります。

 

声帯ヒダを閉じる

次に、声帯ヒダを閉じる動きについて詳しく見ていきましょう。

声帯が開きっぱなしだと、息の通り道を邪魔するものがなくなるので、息が通る分には良いかもしれませんが、声は出ません。

息がカラダの外に出て行く時に、声帯ヒダを閉じることで、声帯ヒダの隙間(声門)が小さくなります。すると息が声帯ヒダにぶつかり、声帯ヒダが振動します。こうして音が生まれるわけです。

声を出す上では、声帯ヒダを閉じる動きもクリアにしておく方が良いでしょう。

声帯ヒダを閉じる際は、主に外側輪状披裂筋と横披裂筋という筋肉が働いています、

 

外側輪状披裂筋


『プロメテウス解剖学 コア アトラス 第2版』
図39.19 喉頭筋
C 左外側方から見たところ 喉頭蓋は取り除いてある

 


『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ』
図22 側筋。半模型的。休止状態
図23 側筋。収縮状態


図24 側筋の運動形式

 

外側輪状披裂筋が収縮すると、披裂軟骨を矢印の方向に回転させる動きが起きます。そうすることで甲状軟骨の内側と披裂軟骨に繋がっている声帯筋の隙間が狭まります。

これが声帯ヒダを閉じる動きです。巷では「声帯を閉じる」とも言われています。

声帯ヒダの隙間が閉じることで、息が声帯ヒダに当たる量が多くなり、声にも芯が生まれるわけです。

ところが、この外側輪状披裂筋の収縮により、披裂軟骨は外側に引っ張られることになります。

声帯ヒダの隙間は閉じることにはなるのですが、披裂軟骨に近い方はほんのわずかに空間が生じます。

それを補完するのが横披裂筋の役目です。

 

横披裂筋


『プロメテウス解剖学 コア アトラス 第2版』
図39.19 喉頭筋
D 後方左から見たところ

 


『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ』
図25 横筋。活動時。
図26 横筋。運動図解。

 

横披裂筋が図の方向に収縮することで、披裂軟骨を内側に引き寄せます。

披裂軟骨に近い部分の声帯ヒダの隙間をぴっちり引き寄せるような役目をしているのです。

外側輪状披裂筋と横披裂筋が収縮することによって、いわゆる「声帯を閉じる」ということが実現されているのです。

声帯を閉じることについて紹介されているサイトでは、「声帯靱帯を閉じる」とか「声帯筋を閉じる」とかいろんな言葉で紹介されています。

声帯、声帯靱帯、声帯筋ってなんぞや?と思った方は【「声帯を鍛える」なんて無駄なこと、いつまでやってるの?】を読んでみてください。

声帯のことを詳しく知りたい方向けに、声帯について解説しています。

ちなみに、声のトリセツでは「声帯ヒダ」という言葉を使っていて、私がそうしている理由も書いています。

 

声帯ヒダを伸ばす

開く、閉じるという動きについて確認しましたが、実はもう一つ大切な動きがあります。

「声帯ヒダを伸ばす」という動きです。

これは弦楽器において、弦を張るチューニングのような役割をしています。

ギターやバイオリンなどの楽器を演奏したことがある方はイメージしやすいと思うのですが、弦の張り具合によって、音の高さが変わるんですよね。

弦をピンと張れば張るほど音は高くなり、張りを緩めれば緩めるほど低い音になります。

私たちの声という音が生まれる声帯ヒダでも同じ事が起きていると考えられます。

その役割をしているのが、輪状甲状筋という筋肉です。

 


『プロメテウス解剖学 コア アトラス 第2版』
図39.19 喉頭筋
A 左外側斜方から見たところ

 


『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ』
図16 輪状 - 甲状筋
図17 輪状 - 甲状筋が収縮すると声帯を伸ばす

 

この輪状甲状筋が収縮することで甲状軟骨が引き下げられます。それに伴って、甲状軟骨の内側にある声帯ヒダが伸ばされる、というわけです。

 

声の違いを確かめる

ではこの3つの動き、開く・閉じる・伸ばすという動きを使って、声をそれぞれがどんな風に声を変えるか試してみましょう。

 

声帯ヒダを開いた状態

まず声帯ヒダを開いた状態からスタートしましょう。

声帯ヒダを開いている状態というのは、肺からカラダの外へ向かう息の通り道をふさいでいないときの状態だと考えてください。

普段、アナタが呼吸をしているときの状態が近いと思います。

声を出すためには声帯ヒダを閉じる必要がありますから、その反対の動きと考えればいいですね。

少し口を開いてはーっと息を吐いてみましょう。まだ声を出す必要はありません。ただリラックスして息を吐くだけでOKです。

 

声帯ヒダをほんの少し閉じる

そして、ここから少しずつ声帯ヒダを閉じてみます。

先ほど紹介した、外側輪状披裂筋と横披裂筋の動きをイメージしながら少しずつ声帯ヒダを閉じていきましょう。

とはいえ、目に見えない声帯ヒダをコントロールするのは初めのうちは難しいので、次の手順を通じてやってみましょう。

 

A. 肺から口の方へ向かっていく息の通り道をイメージする
B. 息を吐きながら音にならないくらいの「あー」を出す
C. 楽しいことを考える

 

息の通り道については「声の出発点とサポートについて考える」で詳しく紹介しています。

そして「あ」という音にしなくてもいいので、声になるかならないかくらいのほんのりささやく声にしてみてください。

さらに大切なポイントとして、この時に大切なのがC。

声帯ヒダの動きは目には見えないものですからどうしても「こうかな?できてるかな?」という方向に考えてしまいます。そうすると意識が内側に向かってしまい、どんどんカラダが緊張していってしまいます。

それとは反対に、楽しいことを考えているときはカラダには不必要な緊張を伴わないことが多いです。だから楽しいことを考えながらやった方が、このエクササイズは効果があります。

実際に「できてるかな?」と考えながらやった場合と楽しいことを考えながらやった場合の違いを見てみてください。

「できるかな?」と考えながらやった場合

楽しいことを考えながらやった場合

 

どうですか?

違いがわかりましたか?

「できるかな?」と考えながらやった場合は視線も表情も下方向に向かっていますよね。実はほんの少しですが、カラダ全体も下方向に向かっています。じっくり見比べてみると、楽しいことを考えながらやったときとの違いがアナタも見つけられるはずです。

ちなみに、このエクササイズは「ウィスパードアー」(whispered AH)というもので、呼吸や発声の際の不必要な緊張を取り除くために非常に効果的なエクササイズです。

ぜひ試してみてください。

 

声帯ヒダをさらに閉じる

さて、もう一つ別のエクササイズです。
ウィスパードアーから、だんだんと声にしてみましょう。

こうやって声を出すのが初めての方は少し難しいかもしれませんが、それは今までやったことがない方法なので当たり前。何度かトライしているとそのうちできるようになります。

 

さて、ウィスパードアーからだんだんと声にしていくエクササイズをしているとあることに気づくかもしれません。

多くの場合、ウィスパードアーからだんだんと声にしていったときの声と、普段の話し声が微妙に異なっているのです。

前者はリラックスした状態の声、後者は何らかの緊張を伴っている恐れがあります。

エクササイズを繰り返していると、普段のお話しするときに何か不要なことをしているということに気づく瞬間がやってきます。

そのとき、一気にブレイクスルーが訪れます。

「そういうことか!」とか「今まで声を出すときに何て無駄なことをしていたんだ!」とか、気づきと学びの瞬間ですね。

声について、何か解決したいことや悩みがある方は、1日たった1分取り組むだけでも随分違いますよ。

 

声帯ヒダを伸展させる

次は、声帯ヒダを伸展させることで声がどう変わるか見てみましょう。

ポイントは、輪状甲状筋をつかって甲状軟骨を動かすことです。

先ほど見た輪状甲状筋の図をもう一度見てみましょう。

 

 
『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ』
図16 輪状 - 甲状筋
図17 輪状 - 甲状筋が収縮すると声帯を伸ばす

 

輪状甲状筋をよりイメージしやすいように、アナタの喉仏の辺りを触れてみると手で触れてみるとわかりやすいでしょう。

喉仏の一番上辺りを触ってみると、ほんのわずかにくぼんでいる部分が見つかると思います。

ここが甲状軟骨の一番上に該当するハズです。

この先を読み進めていく上で注意して欲しいんですが、私が「該当するハズ」と書いたのは実際に自分の甲状軟骨が本当にここにあるかを確かめたわけではないので「該当するハズ」と書いたのです。

自分の喉を切り開いて本当に喉仏の一番上が甲状軟骨の一番上であるかを確かめられたのなら「該当します」と言い切れるのですが、残念ながら今のところ喉を切り開く勇気はありません・・・(笑)

甲状軟骨からほんの少し下(指二本くらい下に)にいくと、わずかにくぼんでいる部分があります。

これが輪状軟骨です。多分そうです。

これでアナタの甲状軟骨と輪状軟骨がだいたいどのあたりにあるかイメージできるようになったと思います。

 

ではこの輪状甲状筋を収縮させるイメージをしながら、声を出してみましょう。

まずはさっき紹介したウィスパードアーをやってみます。

そこからだだんだんと声にしていきます。

「あー」と声になったなと思ったら、先ほどの図のような輪状甲状筋の動きを動きをイメージしてみましょう。

アナタの声が変わるはずです。

声の変化に気づいたら、元に戻してみます。

息が続かなくなった場合は、もちろん息継ぎして構わないので常に楽な呼吸をしていてくださいね程度に呼吸してくださいね。

余分な力が入っていなければ、口を閉じたときに鼻から空気が入ってくるでしょう。

輪状甲状筋を収縮させると、あなたの声はどんな風に変わりましたか?

声はより低くなり、しっかりとした音になったのではないでしょうか?

こんな風に、声帯ヒダの伸展具合によって、声の高さが変わるんですね。

 

まとめ

声帯ヒダを開く・閉じる・伸展するという3つの動きについて、エクササイズを交えながら、実際に声を出してみました。

ウィスパードアーというエクササイズをしながら声を出しましたが、声帯ヒダの動きに応じて声にどんな違いが生まれたか気づきましたか?

また、普段の声の出し方と、今回のウィスパードアーをやってから声を出したときでは何か違いに気づきましたか?

多くの人は声を出す瞬間に「何か」をしています。声を出すために特に必要ではないことを一緒にしてしまうのです。それは人によって異なるので詳しく取り上げるのは難しいのですが、いくつか例を挙げるとすれば、喉を締め付けたり、肩に力を入れたり、という「カラダのどこかに不要な緊張をさせる」場合が多いです。

今回のポイントは、カラダのどこかに不要な緊張をさせずに声を出すことができることを「体験する」ことです。

いつも声を出すときにカラダのどこかに不要な緊張をさせていると、それが当たり前になってしまい、意識せずともその不安な緊張を伴うようになります。不要な緊張がアナタにとっての声を出すという一連の動きの中に組み込まれてしまうのです。

それを取り除くためには、それ以外の方法でも声が出るということを体験して、そっちの方法を採用した方が自分にとって良いことだと認識する必要があります。

また、甲状軟骨を取り囲む多くの筋肉も存在しています。
それらは喉頭懸垂機構と呼ばれていて、いくつかの筋肉で成り立っています。

声を自由に使いたい人には知っておいて損はないものはまだまだたくさんあります。

 

もっと効果的なことや即効性のあることを体験したい方は、ぜひ『ボイスアクティベーション』の体験レッスンに来てみてください。

あなたが知らない声のヒミツをお教えしますよ。

 

今回紹介した記事はこちら

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