どうしてみんな「口角を上げる」ことだけにこだわるの?

こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。

今回は「口角を上げること」について考えてみようと思います。

アナタは、声を出すときに唇の動きを含めた周辺の動きについてどのように考えていますか?

ひとつ例を挙げますので、一緒に考えてみてください。

テレビやボイトレスクールでは、「明るい声や良い声を出すためには口角を上げましょう」と言われていますよね。

これは何のためにしていることなのでしょうか?

 

口角を上げることで何が起きるのか?

「口角を上げるのは何のためって?」
トクガワさん、それは明るい声を出すためじゃね???

そんな答えが返ってきそうです。

いやいや、そういうことを考えて欲しいんじゃないんです。

口角を上げることで何が起きるのかを考えて欲しいのです。

そのことについて考えたことがありますか?

事実、何かが起きた結果、声が明るくなっているわけですよね?

だったら、口角を上げることで何が起きているかを知れば、口角を上げなくても声を明るくできるじゃありませんか!

ちなみに、「口角ってなぁに???」と思った方、一切調べなくてもOKです。

私は口角を上げなくても明るい声や良い声って出せると思ってます。

っていうか、声のトリセツを読んでいてくれさえいればアナタの声は良い声にも好かれる声にもなります。そんな勢いでいつも記事書いてますので安心して読み続けてください。

 

口角を上げていると文字が読めなくなる

これは実際に私の話です。

随分前にナレーター事務所に所属していた頃、事務所のレッスンが毎週ありました。

そこで教わっていたことのひとつに「原稿を読むときは口角を上げて読みなさい」という教えがありました。

今のところ、何もおかしなことはありませんよね?

しかし、それが数年経って、ある時こんな状況に陥りました。

原稿を読んでいるとき、急に文字が読めなくなってしまうのです。

正確に言うと、原稿の文字は何が書かれているか見えているのですが、その文字を何と読んで良いかがわからないのです。やっかいなことに、文字の読み方がわからなくなる現象は、原稿を読むときにだけ起こり始めました。

普段の生活では問題なく文字を読むことができます。

携帯でのメールのやりとり、読書、町中で見かける文字などは声に出して読むことはできました。

しかし、原稿を読むときだけ、文字が見えているのに、読み方がわからなくなるのです。
今になって分析するとわかることなのですが、どうやら口角を上げて読む習慣は、別の習慣も作っていたのです。

その別の習慣というのは、口角を上げるために顔全体の筋肉を緊張させるというものでした。

それが、文字を認識して音声化する回路の邪魔をしてしまっていたと考えています。目で見ることとか発声器官の機能とかね。

 

こんな風に、言われたことをただ素直にやっていること、アナタにもありませんか?

何も考えず、何も理解しようとせずにやっていると望ましくないことが起きるのです。

 

事実は「○○すると、口角は上がる」

では、なぜ多くの人が「口角を上げる」ことを推奨しているのか、解き明かしていきましょう。

私たちが声を出す際、ほんのわずかにでも声門(声帯ヒダの隙間)を閉鎖しようとします。

声門が閉鎖することで、声には「前方に向かう」、「開いた声」という特性が生まれます。

その時、無意識でやっているか、意識してやっているかに関係なく、この声門を閉じようとすることで、反射的に唇が横に伸びる動きがおきるのだそう。

つまり、口角が左右に引っ張られて、微笑みに近い状態になるわけです。

ここがポイント。

事実は、「声門を閉鎖することで、反射的に口角が開く」というだけのお話です。

もう少し詳しく表現すると、

・声門を閉鎖すると、声が前方に向かいやすくなる(開いた声)特性を持つ
・声門を閉鎖すると、反射的に口角が開く

ということです。

声門を閉鎖することで、2つの異なる出来事が起きているのです。

ですが、多くの方が異なることを結びつけているのです。

「口角を開くと、声が前方に向かいやすくなる(開いた声)特性を持つ」というように・・・

それもそのはず。

声門の閉鎖は目で見ることはできないし、口角が開くのは目で見てわかりやすいから。

だから「口角を開く」「口角を上げる」ことと、声の特性を関係性のあるものと考えてしまったのでしょう。

 

でも、もう一度考え直してみてくださいね。

・口角が開くのは声門を閉鎖したから。
・声が前方に向かう、開いた声になるという特性を持つのは、声門を閉鎖したから。

「口角が開く」ということと、「声が前方に向かう特性を持つ」ことは両方とも
声門を閉鎖したことで起きる結果です。

この状況で、「口角を開く」と「声が前方に向かう」が成立するでしょうか?

 

まとめ 口角上げる練習する暇があるなら声門閉じろ

先ほどの例のように、二次的に起きているだけの結果を繰り返し練習することで、その原因となっている機能を呼び起こして効果を得ようとするのは、大変な回り道です。

急がば回れって言いますけど、回り道に別の障害が潜んでいる可能性もあるわけです。

もっと身近な例で言うと、ダイエットなんかもそうじゃありませんか?

食べないと痩せる、食べれば太るというのは当たりまえ。

本来は摂取カロリーと消費カロリーの関係で体重の増減が起きるのに、そのあたりのことを全く考慮にいれず、ただ食事を抜くことで痩せようとする人、いますよね。

あと「テレビで○○ちゃんが効果があるっていってたんだ〜」みたいな。

明からな長続きしないフラグです(笑)

 

実はきちんとした理由があるのに、結果(二次的におきるもの含む)だけに注目して失敗することなんて山のように溢れているわけです。

私の「文字が見えているのに声にすることができない」現象もまさにそれ。

というわけで、私は「口角を上げるヒマがあったら、声門を閉じる練習をした方が良いよ」と考えているわけです。

どうしても口角を上げたいなら、私がやっていた練習方法を紹介しますけど、オススメしません。手っ取り早く口角上げたいならにはもっと簡単な方法もありますけど、声にはあんまり関係ないかもしれませんけど。

良い声になりたい、好かれる声になりたい方でより具体的なプランやアイディアが欲しい方はLINE@の無料相談ボイスアクティベーションの体験レッスンを活用してくださいね。

あ、最後に。

声門とか声帯ヒダについてもっと知りたい方はこちらに詳しくまとめていますのでぜひ読んでみてください。

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