こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。
今回の内容に関連するお役立ち情報をお届けする【ワンミニッツ 声のトリセツ】はこちら!
前回の記事【毎日たった1分で声が変わる方法を紹介するよ!】では声帯周辺で動いている筋肉について紹介しましたよね。
実際にこの記事を読んだだけで、あなたの声が変わったという実感がわいた方も多いと思います。
本当に読んだだけで声が変わるのか?と思うかもしれませんが、多くの場合は変わります。マジで!
だからこそ、読むだけで声が変わるともっぱら話題の「声のトリセツLINE@」もお届けしているわけです。
なぜ読んだだけで声が変わるかというと・・・
それまで全く意識をしていなかった部分について、事実を知ることができたから。
そして事実を知ることで、ほんのわずかでも意識に引っかかるようになったから。
おそらく、この『声のトリセツ』で紹介している内容は、アナタにとって誰も教えてくれなかったことだと思います。
そんな情報を手に入れることでアナタの声やカラダの使い方にほんのわずかに変化が起こるのです。
その小さな変化を積み重ねていけば、いつかは大きな変化となり、周囲の人もアナタの変化に気づくでしょう。
ある日突然、殻を破る。なんてのは幻想です。そんなわけはありません。小さな前進の積み重ねの賜物なんです。
にもかかわらず、小さな前進を認めない講師や指導者の何と多いことか!そんな風にレッスンで生徒を否定する指導ばっかりしていると、傷つくのはレッスンを受けている生徒の方です。
・・・っと、ちょっとばかしヒートアップしてしまいました。
それでは今回は、より声帯周辺のさらに広範囲に見ていきます。
いわゆる喉頭と呼ばれている部分です。これは声を上手く使う上ではとっても大切です。声のトリセツに来た人にはこれだけでもいいから読んで欲しい!それくらいの内容です。
喉頭懸垂機構を知ろう
まずはじめに喉頭懸垂機構についてなんとなく知っておいて欲しいなと思います。
喉頭懸垂機構は「こうとうけんすいきこう」と読みます。文字通り、喉頭を懸垂している機構です。
いきなり答えから見せちゃいますが、喉頭懸垂機構とはこれです。
『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ』
図35 喉頭懸垂(保持)機構
この喉頭懸垂機構が働くことで、声帯やその周辺に必要な緊張を生むことができます。つまり、声を出す為に必要なお仕事をしてくれているわけです。
図を見るとお分かりの通り、舌骨・甲状軟骨・輪状軟骨を取り巻くたくさんの筋肉があります。ある筋肉は上へ引っ張り、ある筋肉は下へ引っ張るっています。そうすることで喉頭が発声において必要な場所にいることができるようにしているのです。
ところが、これらの筋肉は多くの方の場合、ほとんど使われていません。なぜかというと、これらの筋肉を駆使しなくても、日常会話程度の声であれば、難なく出すことができるからです。
これらの筋肉を使わなくても、声が出せるなら喉頭懸垂機構なんて知らなくてもいいんじゃない?と思うかもしれませんが、そういうわけにはいかないんですね。
喉頭懸垂機構の各筋肉を使わなくても声は出ますが、あくまで声が出る・出ないというレベルでの話です。
しっかりとした芯のある声、張りのある声、長時間話しても枯れない声など、いわゆる声を使って何らかのアクション(演技とかプレゼンとか歌とか)をする場合、これらの筋肉が使われていた方がいいのです。
想像してみるとわかりやすいでしょう。
発声というタスクを処理するとします。
次の場合、どちらの方が目的達成までの時間が短く、品質も上でしょうか?
a. ひとつの筋肉が全力を発揮する
b. たくさんの筋肉が協力し、役割分担をする
実際、私たちのカラダはb.となるようにデザインされています。骨格であったり、筋肉であったり、うまく役割分担できるようになっているのですが、実はそのように動いていない場合が多いのです。
特に、声を出すことについては多くの誤解が蔓延しています。ググればたくさんの情報が手に入りますが、事実に即した情報と誤解に基づく情報が混在しています。
誤解に基づく情報を信じ込んで喉を痛めてしまったりしまわないように、事実と異なる情報を信じ込んで無駄な練習をすることに努力しないように、アナタ自身が情報を取捨選択できるようになってくださいね。
喉頭懸垂機構の筋肉たち
では、先ほどの図にある筋肉について、ほんの少しだけ詳しく見ていきましょう。
これらの筋肉がどうやって働いているか、声を出すときにどんな役割を担っているのかを知るだけで、声は変わります。
甲状舌骨筋
図のaの筋肉です。甲状軟骨と舌骨を結ぶ筋肉で、喉頭を上方に引っ張ります。また舌骨を押し下げて固定する役目もあります。
口蓋喉頭筋
図のbの筋肉です。軟口蓋と喉頭を結ぶ筋肉で、喉頭を上方に引っ張ります。
おそらく口蓋咽頭筋・口蓋垂筋を指していると思われます。
茎状咽頭筋
図のcの筋肉です。茎状突起から甲状軟骨の後方を結ぶ筋肉で、喉頭を上方に引っ張ります。
一般的には茎突咽頭筋と呼ばれているようです。
胸骨甲状筋
図のdの筋肉です。胸骨と甲状軟骨を結ぶ筋肉で、喉頭を前下方に引っ張ります。
左右にあります。発声時は喉頭と舌骨を下げます。
輪状咽頭筋
図のeの筋肉です。輪状軟骨の後ろ側から食道をぐるっと囲むようにして脊柱につく。喉頭を下方に引っ張ります。
おそらく、下咽頭収縮筋のうち、輪状咽頭部を指していると思われます。
喉頭懸垂機構をサポートする筋肉
これらの喉頭懸垂機構をサポートする筋肉もあります。
『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ』
図37 間接的喉頭懸垂筋
胸骨舌骨筋
図の赤で示されている筋肉のうち、左側にある筋肉です。舌骨と胸骨を繋ぐ筋肉で、舌骨を下方向に引っ張ります。発声時には喉頭と舌骨を下げます。それに伴い、喉頭は甲状舌骨筋によって喉頭と繋がっているので、喉頭も下方向への力が働きます。
肩甲舌骨筋
図の右側の筋肉です。舌骨と肩甲骨を繋ぐ筋肉で、舌骨を下方向に引っ張ります。
発声時には喉頭と舌骨を下げます。それに伴い、喉頭は甲状舌骨筋によって喉頭と繋がっているので、喉頭も下方向への力が働きます。
ほとんどの人は喉頭懸垂機構を使えていない
さて、これらの筋肉のうち、アナタが知っている筋肉はいくつありましたか???
こんなにたくさんの筋肉があるんですが、多くの場合は使われていません。というか知らないから使えなくて当然ですよね。
声を出すときには声帯周辺はもちろんこれら喉頭懸垂機構の全ての筋肉が協力して働きます。アナタが大きな声を出したり、長時間話すと声が疲れたり枯れるのは、これらの筋肉がお仕事をしていないからかもしれません。
チームでお仕事をしている時、誰かがサボっていると、他の人がその役割をカバーしなくてはなりませんよね。
実はあなたのカラダでも同じ事が起きているのです。
そしてカバーしている人に負担がのしかかり、いずれは・・・ということが起こるのです。
つまり、これらの筋肉の存在を知らない方は、苦しみながら声を話していると言っても過言ではありません。
もしアナタがいつまでもラクに声を出したいを思うなら、これらの筋肉の存在を知っておくのはもちろん、ほんの少しでもいいので意識して使うことができるようになっておく方がいいでしょう。
そのトレーニングの方法はまた別の機会に紹介します。
今すぐ気になる方は、ぜひ【声のトリセツ LINE@】の無料相談をぜひ活用してみてください。
最後に補足です。
フースラーの『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ』の原書(ドイツ語版?)が執筆されたのが1965年のようなので、50年以上経った今では医学や科学の面から新たにいろんなことが判明しているはず。なので、これらのことをもっと簡単に伝えられるような本もあるかもしれません。
でも私はこの本がお気に入りなのでこの本をベースに紹介しています。もちろん、私が書いている内容は必ずしも唯一の正解ではありません。
私なりの理解やアイディアを綴っているので、使えると思ったら活用していただけると嬉しいですしし、役に立たないと思ったら使わないという選択をしていてくださいね。
もし自分に合う具体的なアイディアが欲しいようでしたらレッスンに来てみてください!
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もっと知りたい方や理解を深めたい方はこちらの記事もあわせて読んでおくと更に効果的です!
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