呼吸が変われば、声が変わる - あなたが知らない声と呼吸とカラダの関係 その7

こんにちは。
ボイトレをさせないボイストレーナーのトクガワ です。

今回はシリーズ「あなたが知らない声と呼吸とカラダの関係」の最終回です。

このシリーズを通じて、呼吸とカラダのさまざまな部位との関係について綴ってきました。これまでの内容を呼んでくださったあなたは、呼吸について今までとは違った視点から興味を持っていただけたのではないかと思います。

今回はシリーズのまとめとして「呼吸が変われば声が変わる」という当たり前のことについてお伝えしていきます。

今回のポイント
・声はただの結果
・私が発声練習やボイストレーニングをさせない理由
・理想の声になるために、あなたは何をするべきか?

練習方法を探してばかりでは一生変わりません

私のレッスンを受けてくださっている方はすでにご存じでしょうが、私は練習方法やトレーニング方法というものはお伝えしていません。

なぜなら、私が最も重視しているのは「カラダの使い方」と「思考の使い方」だからです。それは、練習方法やトレーニング方法以前のお話なんです。

9割の人が「カラダの使い方」と「思考の使い方」全く意識していないし、習慣的な発声をしているので発声を邪魔することをしていることに気付いていないからです。

今回のシリーズを読んでくださっているあなたは、きっと違うと信じています。

でも残念ながら、発声方法やトレーニング方法を求めて私に質問してくださるんですね。

「発声の基礎を教えてください」
「どんな練習をすればいいですか?」
「サイトや本によって書かれていることが違うのですが、正解はどれですか?」

そんな風に考えていると、きっと上手く行かないですよ。

そもそも基礎以前の段階に問題がある

たしかに何事をするにも基礎は大切です。でも、基礎以前に土台ができていないとどんな基礎練習をしても意味がありません。

発声練習をどれだけやっても、カラダの構造を無視した使い方をしていて声を出しているなら、その発声練習は何の意味もありません。

このサイトでも散々お伝えしていますが、カラダの構造に反した使い方はカラダの構造を無視した使い方は、私たち人間の機能を阻害します。あなたの可動性や柔軟性、俊敏さなどに良くない影響を与えるのです。

当然、発声にも影響を与えるわけです。

つまり、カラダの構造を無視した使い方をしていて発声練習をしているなら、それはあなたの発声の機能を阻害するための練習をしていることと同じことなのです。

残念なことに、その事実に9割の方は気付いていません。

だからこそ、ネットや本に書かれていることの中には平気で発声の邪魔をするようなことが書かれているわけです。

ちなみに、主な勘違いをこちらにまとめていますので、心配な方はご自分の発声と照らし合わせてみてください。

私が扱っているのは基礎以前の段階のことです。

それが「カラダの使い方」と「ココロの使い方」です。

普段は意識して考えることがないでしょうが、カラダの使い方やココロの使い方はこれまでのあなたの人生においてあなたが培ってきた習慣で行われています。

その中にこそ、あなたが発声や声を出すことにおいて悩みを解決したり、望みを叶えたりするためのヒントが隠されているのです。

それを知らずに放置しているといつまで経っても悩みは解決しないでしょう。それどころか、放置したまま練習をしているとどんどん望みから遠ざかっていくことになります。

果たして、このままでいいのでしょうか?

声には、呼吸が欠かせない

このシリーズを読んでくださった方には改めて言う必要はないと思いますが、念のため。

ギターやバイオリンの弦楽器がなぜ音が出るのかを考えてみてください。

弦を指やピックで弾いたり、弓で圧を欠けて振動させるからから音が出るわけですよね。

私たちのカラダが出す音、つまり声で考えてみると、弦の役割をしているのはあなたのカラダのどこでしょうか?指やピックで弦を弾いたり、弓で圧を欠けて弦を振動させる役割をしているのはどこでしょうか?

もしわからなければこちらの記事をよく読んでみてください。

声を出すためには呼吸が大切だと改めて認識していただいたところで、もう少し掘り下げて考えてみましょう。

声はただの結果でしかない

最近では、○○ボイスというような言葉を耳にする機会が多くなりました。魅力的な声の出し方、人を惹きつける声のつくりかたなどなど色んな方が色んなことを主張されています。

でもね、みんながみんな○○ボイスを身につけたとしたら、それは珍しいものでも何でもなくて、当たり前のものになります。みんな○○ボイスを使うことができるようになるので、別に魅力的でもないし、そんな声は珍しくないので惹きつけられもしません。

そんな○○ボイスなんて身につけなくても、魅力的な声をしている方もいますし、話すだけで人を惹きつける声の持ち主もいます。

なぜだと思いますか?

声はただの結果でしかないからです。

その瞬間のカラダの使い方とココロの使い方。この2つが組み合わさって生まれるものでしかないからです。

○○ボイスを身につけようとしても、カラダの使い方とココロの使い方で生まれるものなので、結局はあなたのカラダの使い方とこころの使い方を変えない限りは、○○ボイスを身につけられるはずがないんです。

私が発声練習やボイストレーニングをさせない理由

私が発声練習やボイストレーニングをさせないのはもちろん理由があります。

発声練習やボイトレを筋トレみたいに考えている人が多いようですが、そうではありません。

筋トレもただ闇雲に取り組んだりしていればカラダが鍛えられるわけではないですよね?

効果的に鍛えるには、トレーニングでかける負荷やその後のメンテナンス、食事や睡眠にまで気を遣う必要があります。

声についても同じです。ただ発声練習を繰り返しただけで効果を得られるものではありません。カラダの使い方やココロの使い方を丁寧に考えて、それこそ日常生活でどう使っているのかというレベルで取り組んで行く必要があります。

なぜなら、毎日4時間練習したとしても、それ以外の20時間は何もしていないことになりますよね?せっかく練習したことも日常生活ですべて台無しにしてしまっているんですよ。

あなたが練習する目的が練習したことによる達成感を得るためならそれでもいいと思います。でもそうじゃないですよね?悩みを解決したいからですよね?望みを叶えたいからですよね?

そのためには、練習することよりも、大切なことがあるんです。

目的を達成するために、あなたは何をするべきか?

練習するよりも大切なこと。それは目的を達成するための手段を丁寧に考えると言うことです。

あなたの悩みがなかなか解決しなかったり、望みがなかなか叶わないのは、当然の理由があります。

例えば、畑で野菜を育てることを考えてみてください。

当たり前ですが、タネをまかないと野菜は実りませんよね?

種を蒔いただけでも同じですよね。適度な水をあげて、適度な日光をあてて、適度な温度を管理してあげる。野菜によって違いがありますが、育つまでに必要なプロセスがあるわけです。

声を出すことや呼吸についても同じことです。

あなたは声を出すために必要なプロセスをどれだけ丁寧に考えて、どれだけ丁寧に実行していますか?

あなたの悩みがなかなか解決しなかったり、望みはなかなか叶わないのは、プロセスを考えていないからではないでしょうか?もしくは考えているつもりになっているだけで、いつもの習慣に任せてしまっているのではないでしょうか?

習慣に任せるということは、いつもと同じやり方を採用しているだけ。

それでは、いつまで経っても悩みは解決しないし、望みも叶いません。

目的を達成するために、つまりあなたが望んでいる声を出すためには、あなたは何をする必要があるのかを考えて、実践することが大切なのです。

当然ですが、それは発声練習やボイストレーニングではありません。

あなたが、あなたという楽器を使ってどうやって声を出すかということです。

呼吸が変われば声が変わる

言葉ではなんとなくわかったような、わからないような気になってしまうでしょう。ここからは具体的なエピソードを紹介しながら「呼吸が変われば声が変わる」ということをお伝えしていきます。

ある時、おさむさん(仮名)という男性がレッスンに来てくれました。

彼は28歳の男性で、今は会社勤めをしていますが将来は独立して自分の事業を始めたいと考えていました。ところが、ある悩みを持っていたので不安を感じているということでした。

おさむさんが悩んでいたことはこんなことでした。
・人と話すことが得意ではない
・改善したいがどうすればいいかわからない
・相手と話すとき、評価されているように感じる

レッスンを通じて、おさむさんはどんな体験をしたのでしょうか?

呼吸を邪魔する動きを取り除く

おさむさんとのレッスンエピソードをご紹介しました。このエピソードを通じてあなたにお伝えしたかったことは「呼吸が変われば、声が変わる」ということです。

今回のシリーズを読んでくださっているのなら、あなたは納得してくださると思いますが念のため質問しておきますね。

「たかが呼吸でしょ?そんなので声が変わるなんてありえないよ」と思っていませんか?

もしそう思っていたとしたら、大間違いです。

何度もお伝えしているように。呼吸は発声には不可欠な要素なんです。

そのことを今一度理解していただくために、おさむさんとのレッスンのポイントをもう一度振り返って見ましょう。

 

おさむさんは「人と話すことが得意ではない」という悩みをお持ちでした。

一般的なボイストレーニングでは「では発声練習をして自信をつけましょう!」となるかも知れませんが、私のレッスンは違います。

声はカラダとココロが密接に関係しているので、私は「なぜおさむさんがそう感じているのか?」を知る必要がありました。なので、私が理由を尋ねるとおさむさんはこう答えてくれました。

話していると相手の人に評価されているような気がして・・・

相手の表情が変わるとそれに反応してしまうと言うか、「今失礼なことを言ったかな」とか「私の話がつまらないのかな」とか考えてしまいます・・・

実際におさむさんが相手からそう言われたわけではないそうなのですが、相手の反応からそのように読み取ってしまっているようです。

私はこれを聞いて、おそらくこれはおさむさんの思い込みの力が強のでは・・・と感じたので、おさむさんの思い込みを解きほぐす必要があると感じました。

そこで私が取った行動は「おさむさんの思い込みを解くためにどんなエピソードを話そうか考える」ということです。

私は自分のレッスンのエピソードに思い巡らせたので表情が変わったはずです。

それを見ておさむさんはこう感じました。

つまらないのかな・・・と思いました

実際に私はつまらなかったのではありません。おさむさんにはどんなお話が役に立つかなと考えていただけです。そして、ワークショップ中に夕食の献立を考えていた方のお話をして、おさむさんが気付いていない思い込みに気付いてもらいました。

ここまではまだ準備の段階です。

さて、おさむさんの思い込みが少しほぐれたところで、レッスンの内容を実際におさむさんがお話をしているときにどんなことが起きているか?というテーマに移していきます。

まず私がお渡ししたアイディアは「目的を明確にする」ということです。

私たちの動きはすべて目的があるから行われているんですね。

おさむさんとのレッスンのテーマにした話すということはもちろん、歩く、走る、食べるというすべての行動には目的があります。

目的というのを改めて明確にすることで、おさむさんが何をすればいいかが具体的になるんです。

おさむさんがなぜミーティングで話したのか?なぜ話しているのか?を紐解いてみると「会社の将来的な利益に繋がることを伝えたい」ということでした。

こうして目的が具体的になって初めて、次はそれを達成するための手段について考えることができます。

そして伝えるためには声が欠かせません。声を出すためには呼吸が欠かせません。

ところが、おさむさんは話している途中に息が浅くなるという体験をしています。

だから私はこう提案したのです。

今度は「おさむさんが伝えたいことのためにたくさん息を使う」と思いながら話してみてもらえませんか?

たったこれだけのことですが、おさむさんはご自身で違いを感じていました。

この提案がすべての人に有効かどうかは試してみるまでわからないのですが、おさむさんには有効だったのでその提案をさらに応用していくことにしました。

もう一度おさむさんに話していただいている時、私はわざと表情を変えてみました。

すると、私の表情が変わった時、おさむさんはそれに反応してしまい、呼吸が浅くなってしまったようです。

まさにこの瞬間に私がクリティカルモーメントと呼んでいる、変化のためのキーポイントがあったのです。私はここにアプローチすることに決めました。

なぜなら、おさむさんが困っていることや直面していることに対して、おさむさん本人の意思で提案を活用してもらう必要があるからです。

そこでおさむさんにこうお伝えしました。

もし私が表情を変えたとしても、「ただ表情が変わった」とだけ受け取って、おさむさんの目的を達成するために必要な事をし続けてみてください。

今度は、私が表情を変えたとき、おさむさんは自分が反応したことに気がつき、その時に目的を達成するために呼吸をたくさん使うということができたのです。

その時の体験をおさむさんはこんな風に話してくれました。

さっきよりも話しやすかったです・・・

私も、おさむさんの声についての変化を感じました。声が大きくなっているし、説得力が増しているように聞こえたのです。

するとおさむさんは不思議そうに言いました。

発声練習したわけでもないのに不思議ですね・・・

実は不思議なことは全くないんです。声はカラダの使い方とココロの使い方の結果なので、使い方は変われば結果が変わるのは当然なんです。

特に今回のおさむさんのケースでは、相手の表情が変わったときにおさむさんがそれに反応して、呼吸が浅くなったということにアプローチしました。

使い方を変えれば、発声練習やボイストレーニングをしなくても確実に変化が訪れるんですね。

今回、おさむさんはご自身の目的を達成するために必要な事を明確にして、それを実行しようと決断しました。相手の表情が変わったことに反応しても、目的を達成するために必要な事を改めて実行しました。

きっとあなたにもできることのはずですよ。

まとめ

では今回のまとめです。

今回のまとめ
・声はただの結果
・発声練習やボイストレーニングをしなくても声は変わる
・目的を達成するためにやるべき事を明確にする
→ 呼吸が変われば声は確実に変わる!

あなたも私も、この世に生まれた瞬間から今まで、毎日欠かさず呼吸をしています。一瞬も休むことなく呼吸をしているはずです。

それはこれからも変わることはありません。

毎日やっている呼吸をほんの少しでいいので意識的にやってみてください。

今回のシリーズで紹介したカラダの各部位と呼吸の関係を改めて認識して、毎日の呼吸を少しずつ変えてみてください。変えるというよりも、あなたが持って生まれた本来の呼吸を邪魔している要素を取り除いていくといった方がいいかも知れません。

私たちが声を出すためには呼吸は欠かせません。

発声時の呼吸と日常生活の呼吸、これは同じものですよ。

改めてシリーズを何度も読み返していただいて、日常生活から呼吸の改善に取り組んでみてください。

日常生活が練習の場になれば、わざわざ発声練習やボイストレーニングなんてしなくてもいいですよね。

そのためのアイディアはレッスンでたくさんお渡ししています。

 

シリーズの目次はコチラ

【シリーズ  あなたが知らない声と呼吸とカラダの関係】は下記から読めます。今回の内容とあわせて読んでおくと更に効果的です!

今回紹介した記事はこちら

 

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