文章を書いているときに思い出したことがあります。
それが私たち、声優・ナレーターにも当てはまるような気がするので、紹介します。
少し前に放送されていたドラマ『弱くても勝てます』で二宮和也さん演じる青志監督が、練習と実験について話していたシーン。
青志監督が、練習時間も場所も限られている野球部員たちに、強豪校の野球部員たちの練習と比較してこんなことを話していました。
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グランウンドですべきことは練習じゃない。
練習っていうのは同じ事を繰り返して体得するっていう意味だろ?
でもオレたちには十分に繰り返す時間はないし、そもそも何を繰り返したらいいのかってよく分かっていない。
だから「実験と研究」をするんだ。
グラウンドを実験の場所として考えるんだ。
それぞれに自分は何ができないのか。
じゃあそれをできるためにはどうしたらいいのかというのを考えて、とりあえず仮説を立てて実験をするんだ。
で、結果が出たら、次の仮説を立てる、実験する、それの繰り返しだ。
(強豪校は)しっかりと練習時間をこなしたからこそ自信が生まれる。
”負けないという自信”になるんだ。
でもオレたちはどう頑張ったってそんな練習時間は割けない、だからそれは無理だ。
じゃあどこに自信を持つか?
実験で分かった必要十分な練習を徹底的にやる。
それを自信にすればいいんだよ。
つまりオレたちは必要十分な練習しかしない。
(俺たちに必要なのは)必要十分な練習の質と量だ。
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私たち、声優・ナレーターにも当てはまると思いませんか?
いえ、声優・ナレーターだけでなく、すべてのパフォーマーに当てはまるのではないでしょうか。
私たちパフォーマーにとって、正解は存在しません。
常に手探りの状態でパフォーマンスしなければなりませんし、良いパフォーマンスのためには基礎も大切です。
でも基礎練習ばかりに時間を割くわけにもいきません。
限られた時間の中で、何をしていくべきかを常に自分で考え、行動に移さなくてはなりません。
実験→仮説→練習→実験というプロセスを常に繰り返していくのです。
そして、売れっ子と言われるトッププレイヤーの方々は、毎日の仕事の中でこのプロセスを繰り返しているのです。
これから声優・ナレーターになろうと考ているみなさん、
レッスンで教わったことをただできるようになるだけでは、勝ち目がありませんよ。
声優・ナレーターになるということはパフォーマーとして生きるということ。
パフォーマーとして生きるということは、常に自分と向き合いながら、何を追加すべきか、何を捨てるべきか選択していくことをし続けることに他なりません。
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