脊椎のお話のときにちらっと触れました、椎間板。
椎骨と椎骨の間には椎間板があって、このスペースを意識してあげると脊椎がより自由に動くことが出来るし、パフォーマンスの質も向上するわけです。

12本のある肋骨、それぞれの隙間を意識してあげるだけで、肋骨は広がります。
肋骨の隙間が広がると、その内側にある肺がより膨張できるようになり、
さらにたくさんの空気を体内に取り込むことができます。

これは脊椎や肋骨だけのお話ではありません。
特に大きく変わるのは脊椎と股関節。
(股関節についてはまた別の機会にお話しします)

適度なスペースを与えてあげることで、パフォーマンスに良い影響を与えるのはもちろんのこと、さらにもう一つの効果があります。

思考にも余裕を与えてくれるのです。

不思議かもしれませんが、身体(カラダ)と思考(ココロ)は直結しています。

これは今までの体験などを振り返ると納得していただけると思います。

例えば、寒い所に行くと身体は震えますよね。
寒いと身体が感じたら(寒いと思ったら)身体は体温の上昇させようと小さく動きます。
それが震えです。

ちょっと例が極端かもしれませんが、ココロはカラダの使い方を熟知しています。
だから声を出そうと思ったとき、「肺から息を出して声帯を振動させて、身体に共鳴させて体外に出す」ということはしなくてもあなたは声を出すことができます。
それはココロがカラダを自在にコントロールすることができるから。

そのため、ココロはカラダに大きく影響を与えます。

イヤなことがあったとき、なんだか身体を動かすのがおっくうになることはありませんか?
失恋したとき、ショックでご飯が喉を通らない、こんな経験ありませんか?

これはココロがカラダに影響を与えているからです。
ということは、その逆の作用もあり得るのではないでしょうか?
つまり、カラダがココロに影響を与える、ということです。
例えば、思い切って髪型を変えてみた時、なんだか明るくなったり、
人前に出たくなったことはありませんか?

数年ぶりに友人と再会して、楽しくお酒を飲んでいると、
とても懐かしく、嬉しい気分になったことはありませんか?

これはカラダがあなたのココロに影響を与えているのです。
そこで今回のテーマ、「カラダにスペースをあげる」について。

具体的にはどういうことかというと、冒頭の脊椎の例でも触れた椎間板のように
人間の身体には骨と骨の間、つまり関節があります。

人体には約200の骨があるのでそれだけの関節が存在しているわけですよね。
普段、皆さんは関節について意識したことがありますか?

ほとんどの方が筋肉や骨は意識することがあっても、
関節なんて気にしたことがないと思います。
(私もそうでしたから)

背骨のアップデート」にて、椎骨と椎骨の間に隙間があると思うと、少し背が伸びた気になりませんでしたか?
少し意識するだけで、今までは余り感じていなかった自分の身体のある部分を感じることができるようになります。つまり身体にとって新しいスペースが出来ます。
(本当は今まであったけれど知らない間に狭めていた)

そのスペースの分だけカラダが広がったため、それがココロに影響します。
ココロにも新しいスペースができるのです。

ココロにスペースができると、どうなると思いますか?

ココロにできた新しいスペースは「安心」をもたらします。

例えば、10リットルの容器に、10リットルの水が入っているとします。
当然、水を追加しようとしても、追加した水はあふれてしまいます。

10リットルの容器が、15リットルになったら?
さらに5リットルの水を追加することができるようになりますよね。

これと同じ事がココロで起きています。

前者は、いわゆる「いっぱいいっぱい」の状態。
他のことを考える余裕がない状態です。

後者のように余裕ができると、落ち着いて物事を考えることができますよね。

なので、みなさん、スペースを広げるように意識しましょうね。

 

・・・で終わりではありません。

実は、人間は本来後者の状態なのですが、普段から前者の状態でいることに慣れてしまっているのです。

本来、持って生まれた思考のスペースがあるにもかかわらず、
気づかないうちに狭めてしまっているのです。
人が生きていく上で、様々な外部からの刺激を受けます。
人間関係、仕事、ストレス、病気や怪我、ニュース、その他色々。
そして本番前の緊張。

ネガティブな刺激が入ってくると、人間(というよりも生物)が本来持っている防衛本能が働き、身体を守ろうとします。
身を縮めたり、硬くさせたりして、外部の刺激から守ろう・耐えようとします。

それがカラダのスペースを小さくし、ココロのスペースまでもが小さくなってしまっているのです。

なので、カラダを広げるというよりも、本来持って生まれた状態を取り戻す、
といった方がいいかもしれません。

一度にたくさんの関節やスペースを意識するのは難しいですから特に大きな影響を与える脊椎と股関節から意識してみましょう。
股関節のマッピングについてはまた改めて紹介していきますので脊椎から意識してみてください。

カラダとココロが本来の大きさに戻ると、パフォーマンスはよりダイナミックになります。
そして物事の見え方が変わってきますよ。

 

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