人と話すことが不安な男性とのレッスン
20代後半の社会人男性、おさむさん(仮名)がレッスンに来てくださったときのことです。

おさむさんは、こんな悩みや望みを持っていました。
・人前で話すのがあまり得意ではない
・転職して新しい職場では人と話す機会が増える
・ボイトレが役に立つのかよくわからなかった

トクガワ
初めまして。トクガワです。今日はよろしくお願いします。

おさむさん
初めまして。おさむです。よろしくお願いします。

トクガワ
今日はレッスンに来ていただきありがとうございます。もしよければ、おさむさんが私のレッスンを申し込んでくださったのは、どんなことに興味があったからとか声に関することで気になっていることがあるからとか、聞かせていただけますか?

おさむさん
はい、実は人前で話すのがあまり得意ではないんですけれど、こないだ転職して来月から新しい職場で働くのですが・・・営業ではないんですけど人と話すことが多くなりそうなんです。

トクガワ
なるほど。そこで人と話すことについて興味があるわけですね。

おさむさん
はい。少し前にボイトレにいったんですけど、よくわかんなくて・・・

トクガワ
そうですか。ちなみにボイトレではどんなことをしましたか?

おさむさん
腹式呼吸と発声をやりました。

トクガワ
あらら・・・腹式呼吸についてはなにか収穫はありましたか?

おさむさん
お腹から声をだすようにするとか今まで意識したこともなかったので、勉強になったと思います。でもその感覚がまだよくつかめていませんが・・・。

トクガワ
そうですか。では発声についてはどんなことをやりましたか?

おさむさん
限界まで低い声と高い声を出したり、それを交互に出したりしました。

トクガワ
なるほど。と言うことは音域のトレーニングをしたわけですね。その先生は声楽や歌を教えている方ですか?

おさむさん
たしか声楽の方だったような気がします。歌のレッスンもしているけど、社会人向けにボイストレーニングをしている方のようでした。

トクガワ
そうですか。で、そのレッスンを受けておさむさんはよく分からなかったわけですね。

おさむさん
はい。腹式呼吸もまだよくわかってないし、高い声とか低い声の練習をしていて、人と話すことにどう役に立つかわからなかったです。

トクガワ
そうですね。おさむさんとしては、人と話すことに不安があって、それをなんとかしたいわけですね。

おさむさん
そうです。あまり人前で話すのも得意ではないので・・・

トクガワ
おそらく転職先では皆さんの前で自己紹介したりしますもんね。

おさむさん
やっぱりありますよね・・・。

トクガワ
そうですね。でも嫌なら断ればいいんじゃないですか?

おさむさん
でもそういうわけには・・・。

トクガワ
だって、人前で自己紹介するのは嫌なわけでしょう?

おさむさん
嫌なんですけど、新しい職場に入って周りの人は知らない人ばかりなのに、少しでも早く自分のことを知ってもらわなければいけないじゃないですか?

トクガワ
そうですか?でも自分のことを明かさずに、謎に包まれたままの人もいるじゃないですか。

おさむさん
そうかも知れませんけど・・・できれば同じ職場の人とは親しくしたいんです。

トクガワ
なるほど。では、ここが新しい会社の朝礼の場所だとして、一度自己紹介の練習をしてみませんか?

おさむさん
いきなりですか?

トクガワ
もちろん少し時間をとって何を話すか考えてもらってもいいですよ。練習なので名前と簡単な自己紹介で1分くらいの内容を考えてもらうとやりやすいかも知れません。

おさむさん
・・・考えてもいいですか?

トクガワ
もちろん。できたら教えてくださいね。

おさむさん
・・・・・

トクガワ
・・・・・

おさむさん
・・・・・

トクガワ
・・・・・

おさむさん
・・・できました!

トクガワ
はい、ではおさむさんのタイミングで話してみてください。

おさむさん
わかりました。

トクガワ
・・・・・

おさむさん
・・・初めまして・・西田おさむです。前職では・・、サポートエンジニアのお仕事をしていました。・・・今月から・・・この会社で・・・皆さんと一緒にお仕事させていただきます。・・・よろしくお願いします!

トクガワ
バチバチバチ・・・(拍手)。ありがとうございます。

おさむさん
・・・ものすごく緊張しましたし、あまり上手くできませんでした。

トクガワ
そうですか?何をもって「あまり上手くできなかった」と考えたのでしょうか?

おさむさん
途中、言葉が出てこずに無言になった時間があったので。

トクガワ
そうですか。確かに無言の時間はありましたけど、それはおさむさんにとって必要な時間だったはずですよ?

おさむさん
そうでしょうか?

トクガワ
次に話す言葉を思い出そうとしたりする時間ですからね。

おさむさん
確かにそうかも知れませんけど、できればそれをなくしたいです。

トクガワ
では、どんな時にそれが起こっていたのかわかりますか?

おさむさん
えっと、一番はじめに言葉が出てこなくなったのはトクガワさんと目が合ったときでした。

トクガワ
そのとき、おさむさんにどんなことが起きたか覚えていますか?

おさむさん
うーん、「目が合った」と思った瞬間、より緊張したような気がします。

トクガワ
そうですね。確かにおさむさんのカラダの使い方に変化がありましたね。

おさむさん
えっ?どんなことがありましたか?

トクガワ
それをお伝えしちゃうとそればかりに意識が向いてしまうので、別のことを提案しますね。もう一度、先ほどと同じ内容で自己紹介をしてもらいたいのですが、今度は「あること」を付け足してください。

おさむさん
「あること」をしながら自己紹介をする、ということですね。

トクガワ
はい、そうです。その「あること」とは難しいものではありません。ただ、私の右目と左目の距離が何センチくらい離れているか、観察しながら話してみてください。

おさむさん
それだけですか?

トクガワ
それだけです。またおさむさんのタイミングでスタートしてくださいね。

おさむさん
わかりました・・・。
初めまして、西田おさむです。前職では、サポートエンジニアのお仕事をしていました。・・・今月からこの会社で皆さんと一緒にお仕事させていただきます。・・・よろしくお願いします!

トクガワ
バチバチバチ・・・(拍手)。ありがとうございます。さっきと比べてどうでしたか?

おさむさん
今回の方がやりやすかったです。

トクガワ
それはよかったです。何度か私と目が合ったと思うのですが、その時はどんなことが起きていたか教えてくれませんか?

おさむさん
えっと、トクガワさんと目が合ったときに一瞬「うっ」となったんですけどですけど、トクガワさんの右目と左目がどのくらい離れているのかを考えていると「うっ」ていうのがなくなりました。

トクガワ
うまくいったようですね。

おさむさん
これにどんな効果があるんですか?

トクガワ
先ほどのおさむさんの体の使い方を見ているとね、目が合ったときにカラダ全体を後ろ方向に引き込んでいたんですね。それがおさむさんが声を出すことの邪魔をしていて、おさむさんが人前で話すことが苦手と思い込むことに繋がっているんじゃないかと推測したんです。

おさむさん
カラダを後に引き込む・・・ですか?

トクガワ
はい。発声というのはカラダ全体で行われていることなので、カラダ全体を後ろ方向に引き込むことであらゆるものが邪魔されます。つまり発声の邪魔をしているわけですね。そんな状態で声を出しているときに起こった結果を受けて、おさむさんは自分で苦手だと思い込んでいたと考えています。

おさむさん
それについてトクガワさんが提案してくれたことってどんな効果があったんですか?

トクガワ
カラダ全体を後ろ方向に引き込んでいるというのはおさむさんが「緊張」といっていたものですね。そのキッカケになっているのは「目が合った」という刺激だと予測したんですね。私が提案したのは、目が合ったときにカラダを後に引き込むかわりにできることでした。

おさむさん
カラダを後に引き込むのをやめる、と言うのではダメなんですか?

トクガワ
実はそれは逆効果なんですよ。そう伝えてしまうと、カラダを後ろに引き込むのをやめるために別の緊張を生んでしまう可能性が高いです。

おさむさん
なぜですか?

トクガワ
カラダを後ろに引き込むのをやめるために、おさむさんは何をしますか?

おさむさん
うーん・・・、カラダを後ろに引き込むのをやめます。

トクガワ
そうすると、余計にカラダを後ろに引き込むことになります。

おさむさん
なぜですか?

トクガワ
私たちの脳は否定形を理解できないそうなんです。だから「カラダを後ろに引き込まない」というのは正確に理解できないんですね。
それどころか、「カラダを後ろに引き込む」という部分だけが印象に残ります。

おさむさん
だから余計にカラダを後ろに引き込んでしまう・・・

トクガワ
そうです。「カラダを後ろに引き込まない」ようにするためには、別のことをする必要があるんです。

おさむさん
「カラダを後ろに引き込まない」ようにするために別のことをする、ということですか?

トクガワ
はい、そうです。意識的に別のことをすることで、結果として無意識でやってしまっている「カラダを後ろに引き込むための何か」を起こらなくするわけです。

おさむさん
だから「トクガワさんの左右の目の距離を観察する」ということをしたわけですね。

トクガワ
その通りです。結果としてその提案はうまくいったようですね。私が見ていた限りでは先ほどのようにカラダを後ろに引き込む動作は起きていませんでしたから。

おさむさん
そうなんですね・・・

トクガワ
私たちのカラダにはこれまでの生活で必要に応じて身につけてきた習慣というものがあります。多くの場合は主観はとっても役に立つものなのですが、時と場合によっては習慣が邪魔をしてしまうこともあるわけです。

おさむさん
僕にはその悪い習慣があったということですね。

トクガワ
勘違いしないでくださいね。それは悪い習慣ではありません。おさむさんがその習慣を身につけたのには何らかの必要性があったからです。その時は役に立つものだったから身につけたものなんです。でも長い人生を過ごしていると、別の状況においては役に立たなかったり邪魔をしてしまったりするわけですね。

おさむさん
この習慣が悪いわけではないんですね。

トクガワ
そうです。その時のおさむさんには必要なものだった。ただ、今のおさむさんにはもう必要なくなったものなんです。そういった習慣に気づき、それを変えていくことで必ず声は変わります。

おさむさん
習慣が声を出す邪魔をしていて、それを取り除くから声がかわる、と言うことですね。

トクガワ
その通りです。そして習慣というものは人によって全く異なります。でも多くのボイトレは習慣を扱わずに発声練習などカリキュラム化されたテンプレートのようなことをすべての人にやらせているわけです。だからボイトレでは成果や効果を感じられない人が多いと私は考えています。

おさむさん
なるほど・・・

トクガワ
どれだけ発声練習やボイストレーニングをやっても、習慣はそのまま残り続けるわけですからね。そして今日のおさむさんのように習慣にアプローチすれば必ず何らかの結果が出るわけです。

おさむさん
今回アドバイスいただいたような習慣の他にも不要なもののがあったとしたら、それに気づいて自分で変えることができる、というわけですね。

トクガワ
そうですね。今回のレッスンやメール講座の7ステップはおさむさんがご自分でも取り組むことができるような力を身につけるための内容にしていますから、きっとできるはずですよ。

おさむさん
そうだったんですね。メール講座は以前読んだのですが、正直よくわからなかったんです。

トクガワ
今回のレッスンを思い出しながらもう一度読んでいただくと、また新たな発見があるはずですよ。

おさむさん
はい、帰ったらもう一度読んでみます!

今回のレッスンについての解説はこちら

あわせて読んでおくと更に効果的です!

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