以前、リーディングエッジを意識するとパフォーマンスの質が向上するというお話をしました。
今回はそのリーディングエッジを応用させてみましょう。
リーディングエッジを自分の体以外のところにおいてみるのです。
声優やナレーターのお仕事には、マイクはパートナーです。毎回の収録において、マイクは必ずありますよね。
マイクをリーディングエッジにしてみてください。
「触れてもいないにどうやって?」と不思議に思うかもしれません。
触れているものはリーディングエッジにしやすいですよね。
例えばボールペンを持ったとして、ペンの先端や長さはわざわざ深く考えなくてもカラダは理解しています。
だからボールペンの先端を紙に当てて文字を書くことができますし、ボールペンの先端でモノを指し示すこともできるわけです。
あなたがブースに入ってマイクに向かって座ったとします。
目の前にはテーブル、その上にマイクがある風景を想像してみましょう。
あなたは机に触れることができます。
机に触れたとき、あなたは机を触れることができます。ですから、あなたは机をリーディングエッジにする事ができます。
机にはマイクスタンドがあります。
あなたは机を通じて、マイクスタンドと繋がっています。
ですから、あなたはマイクスタンドをリーディングエッジにする事もできます。
ではマイクは?
机、マイクスタンドを通じてあなたと繋がっていますよね。
だからマイクをリーディングエッジにする事ももちろん可能なのです。
どれをリーディングエッジにするかは、あなたは自由に選択することができます。もちろん、リーディングエッジを使わないという選択もできますし、時にはその方が良いパフォーマンスを得られることもあるでしょう。
リーディングエッジを意識するとパフォーマンスの質が上がることが多いです。
それは、声や意識に方向性が生まれるから。そしてその方向性は自分の内側に向かってではなく、外側に向かっています。
その方向性があるだけで、声はいわゆる「開いた声」になります。
「声が閉じている」と良く指摘される方は、リーディングエッジを自分以外のものにしてみましょう。
例えば、目の前のペットボトルをマイクに見立てて。
もちろん、人をリーディングエッジにする事もできるでしょう。
例えば、レッスン中は先生とか、本番中は最後列の席の観客とか。
さて、あなたにどんなことが起こるでしょうか?
ぜひ、試してみてください。