演技に携わるある方の言葉らしいです。
私たちはいつどんなときでも、正しいかそうでないかのチェックをしています。
台本を読みながら「噛まないようにしよう」、本番中に「とちらないようにしよう」、歌を歌いながら「喉を閉めないようにしよう」などなど。
カタチはちがえど、何らかの判断基準のもと、正しくあろうとしています。
噛むことが悪いことでしょうか?
どれだけキャリアが長い方でも噛むことはあります。
(断っておきますが、噛むことを推奨しているわけではありませんよ笑
噛まないに越したことはないんですから。)
この瞬間、あなたの身体では何が起こっていると思いますか?
試しにパフォーマンス中にそんなことを考えみてください。
さて、どんなことが起こりましたか?
いくつか変化は起きていますが、一番大きなことは、パフォーマンス中にあなたが向き合うべき目的から目をそらす、ということです。
例えば、パフォーマンス中に「背筋をまっすぐにしよう」と思うとします。
するとあなたの脳裏にまっすぐになった背筋のイメージが浮かび上がります。
そのイメージに合わせて自分の身体を修正していくでしょう。
あ、ここが違うな、と修正し足りしますよね・・・?
あなたはイメージ通りに再現することをできるのでしょうか?
イメージと寸分違わぬ状態に持って行くことができますか?
そもそも、そのイメージは本当に正しいですか?
本当に正しいと思うなら、何を持って正しいと判断しましたか?
禅問答のようになってしまいましたが、正しくあろうとすると、今向き合うべきものから目をそらし、自分のことに集中している状態になります。
そして、もう一つ重大なこと。
あなたが正しいと思っているイメージが正しいとは限らないんです。
極端な例ですが、外国人の女性を口説くときに自分の文法があってるかどうか常に気にしているような状況でしょうか。
こんな時、パフォーマンスは独りよがりのものになります。
パフォーマーとしては機能していない状態ではないでしょうか。
相手役や観客の存在を無視して自分のことに夢中なわけですから。
ではそうならないようには、自分のことをチェックしないようにするにはどうすればよいのでしょうか?
考えはじめるととても難しいように感じるでしょう。
でも、たったひとつのことを思うだけでこの問題を解決することができるのです。
その方法は次回ご紹介します。