「本気で声優の世界でやっていくなら、バイトは辞めなさい」なんて愚の骨頂

こんにちは。
発声改善士のヨシノリ です。

 

「声優やナレーターとして、本気で声の世界でやっていくなら、バイトは辞めなさい」

 

15年ほど前に、ある方が私にそう言いました。その方は声優事務所を経営している方でした。

「私は事務所の養成所の子たちにはそう言ってるの。バイトする暇があったら練習しなさいって」

当時、私はナレーターとしてある事務所に所属していましたが、その先のキャリアに迷いが生じ、どうしようか迷っている時期でした。

もう声の仕事を辞めてしまおうか、それとも続けようか。続けるなら今の事務所に残るのか、別の事務所に移るのか、それともフリーでやっていくのか・・・。最終的に私が選んだ道はフリーとしてやっていくことだったのですが、今思い返してみればこの方に言われた一言もその選択に一役買ってくれたなと思うわけです。

ただ、この言葉を聞いたときはかなり衝撃的でしたけどね。

当時の私は、その方が言った言葉を信じていましたから。

バイトする暇があったら練習した方がいい。これを言い換えると「バイトしてるから仕事が入らない」という解釈もできますよね。っていうか、その方の真意はそれだったようです。

 

もしかすると、養成所や専門学校に通っているあなたもそう言われたことがあるかもしれません

「バイトを辞めた方がいいのかな・・・?その時間を練習に当てた方がいいのかな・・・?」

もしあなたがそんな風に悩んでいるとしたら、ゼッタイに同級生や先生に相談するのだけは止めてください。

なぜなら確実に遭難するからです。

誰かに「バイトを辞めた方がいい」と言われ、そのことについて悩んでいるあなたの疑問にお答えします!!!

 

あなたの周りに味方はいない

いきなり厳しい現実を突きつけてしまって申し訳ありません。でもこれは事実です。

養成所や専門学校に通っているとクラスメートの存在を勘違いしてしまいがちです。特に同じ夢を追っているもの同士、切磋琢磨できる存在であったり、迷ったときに相談できる仲間かもしれません。

でもね、本当はそうではないのです。

なぜかというと、クラスメートはみな、自分が歩んでいる道のゴールを知らないからです。

例えばね、富士山に登ろうとするときを想像してみてください。目的地って決まっていますよね?当たり前ですけど、目的地は頂上です。頂上に登るために登山ルートを決めて、食糧や装備をととのえるわけです。

富士山だったら日帰りでも登れるらしいので、そんなにたいそうなイメージがないかも知れませんので、もっと険しい山を想像してみましょう。

あ、ちょうど良い例が見つかりました!

イッテQでイモトアヤコさんがさまざまな山を登頂しておられますよね?

アイガーとかヴィンソン・マシフとか、マッキンリーとか。あんな山、当たり前ですけど一日では登頂できないので複数日をかけて行程を組んでいますよね。

この日はこのポイントまで登って翌日まで睡眠、翌日はどこそこのポイントまでいって休憩、その後に次のポイントまで。こんな風に綿密に計画を立てているわけです。そしてそこにはその山に精通したエキスパートもいるわけですよね。つまり目的地と目的地までの道を知り尽くした人の存在がいるわけです。

でもね、養成所や専門学校ではね、あなたのクラスメートにそんな人はどこにもいないんですよ。

クラスメートもみんな目的地を知らないし、それまでの道なんてサッパリ分からないのです。

先に行っておきますけど、「子どもたちに夢を与えたい」とか「人々に感動を与えたい」とか、こういうのは目的地ではありませんからね。

目的地が定まっていない人に相談しても結局、一緒に遭難するだけなんです。

例えば、エベレストの頂上に行きたいあなたは、エベレストの頂上までの道程も知らない人に相談します???

 

「売れている人はみんな苦労した下積み時代があった」というおとぎ話

そして次にお伝えしたいのは、おとぎ話を真に受ける人が多いと言うこと。

声優やナレーターに限らず、俳優や歌手のように芸能界で活躍している売れっ子さんがたまにインタビューで昔を振り返っている記事があったりしますよね。

それを読んでいると、みなさん苦労している時代があったように見受けられます。

そのせいか、バイトをしながらがんばっていればいつか必ず報われるということを信じている人が多いんですよね。

そんなことはありません。大間違い。

私たちは苦労した時代があったから成功したというようなストーリーが大好きなようで、どんなお話でもそんな風に見せた方が多くの人の共感を呼びます。

そしてそれを読む人は、自分もそうなれると錯覚してしまうのです。

だから「苦労していればいつかきっと報われる」という自己都合極まりない発想が生まれるのです。

人間の脳は便利な機能があって、自分が思っていることや望んでいること、そして選択したことや抱いていた感情に対して、都合のいい理由付けをできるそうです。

他の人から見ると明らかにあり得ない選択だったとしても、本人は納得しているってことありませんか?

もしあまり思い当たらないようでしたら、私の例をお見せします。

プロフィール】にも書いているのですが、私は過去に手切れ金を払ったことがあります。総額40万円。当時、結婚を約束していた彼女に。誤解のないようにしていただきたいのですが、私は何も悪いことはしていません。浮気をしたのは彼女の方です。でもなぜか手切れ金を払ったのは私。

でもね、これについては私は授業料だと納得して払いました。後悔もしていません。

ほら、スゴく良い例でしょ?こんな風に他人からみたら信じがたいことでも、本人は納得しているもんなんです。こんな風に、私たちは後から理由付けをして自分の行動を正当化しようとするんです。

私が40万円を支払ったエピソードが読みたい方はこちらで読めますw

 

「苦労していればいつかきっと報われる」というのも同じ事だと私は考えています。

もし、あなたが今の状況を苦労だと考えているなら、すぐさま声優やナレーターのような声の世界で生きていくのを止めて、就職した方がイイですよ???

だって、インタビューで語っている本人は苦労だと思って過ごしていませんよ?ただ好きだから続けているだけ。続けているうちにスキルが磨かれ、評価され、日の目を浴びて売れっ子になっていったんです。

もう一度いっておきますけど、売れていなくても、仕事がなくても、自分はこれが好きだから続けたい!という気持ちがなければ今すぐ就職して毎月それなりの収入を得られる仕事に就いた方がよっぽど幸せな人生を送れますよ?

 

売れるためにバイトを辞める。その先に待っているもの

少し考えれば簡単に分かりそうなんですけどねぇ。多くの人は考えようとしないんですよね。「事務所のヒトに言われたから」とかそんな理由で「本気で声優の世界でやっていくなら、バイト辞めた方がいいのかな・・・」って真剣に悩みます。

私に言わせてみれば、そういう事務所の人もなぜそういう意見になる?ですよ。

例えば、バイトを辞めたとします。(あ、先に言っておきますけど、実家がお金持ちで仕送りをもらえる人には当てはまらないですからね)

そうするとあなたがこれまで手に入れられていたものを失うことになります。

何を失うか・・・もちろん分かりますよね?

お金です。アルバイトという労働の対価として、バイト代が支払われるわけです。

バイトを辞めるとお金が手に入らなくなるわけ。するとね、色んなものが手に入らなくなってしまうんですよね。

お金がなければ家賃を払うことができない、お金がなければ食べ物を買うことができないレッスンやボイトレに通うこともできなくなれば、友達と遊びに行くことすらできなくなってしまいます

つまり、あなたの生活水準はがた落ちするわけなんです。

こんな簡単なこととも分からずに、言われたとおりバイトを辞めて生活そのものができなくなって、夢を諦めて実家に帰ってしまった人を見たことがあります。あなたの周りにもいませんか?

練習時間を確保するためにバイトを辞めたはずが、夢を諦める結果になってしまうんです。

 

ハングリー精神の代償

人によっては「いやいや、ハングリーさが足りないから売れないんだよ。」というかも知れません。

数年前にお会いしたあるマネージャーさんは「事務所のジュニアの子たちには、本気で声優の世界でやっていくならバイトは辞めなさい、って言ってるの」と仰っていました。

その方曰く、そのハングリーさを高めるためにバイトを辞める必要があると。

なるほど。それも一理あるかも知れません。

でもね、私はハングリーさというものは声の世界で声優やナレーターとして仕事をしていく上での絶対条件ではないと思うんです。

そもそもバイトを辞めることでハングリーさを手に入れたとしても、その代償の方が大きいんですよ。

さっきも書きましたけどバイトを辞めることで収入を失うわけです。すると学ぶことはおろか生活ができなくなってしまうわけ。そうすると失うものがあるんです。

それは、心身の健康。心身の健康を失ってしまうんです

声優やナレーターとしてどうのこうのいう前に、人間が生活していく上で必要なものを手放してしまっているわけです。

そんな状態であなたは夢を追い続けることができると思いますか???

本当の意味で、ご飯も満足に食べられないようなハングリーになりたいんですか???

 

「ビジョン」を持ってますか?

ぶっちゃけ、今でも「本気で声優の世界でやっていくなら、バイトは辞めなさい」って言う時代遅れな考え方を持っている方はどれくらいいるんでしょうかねぇ?

もしあなたが誰かにそんなことを言われたとしたら、全力で無視することをオススメします。

そんなことを言われたら、あなたが考えるべきことは「ビジョン」です

もしね、あなたが声優やナレーターになりたいとして、それを「職業」として考えているんだったら悪いことは言わないので今すぐ辞めた方がイイです。

声優やナレーターというのは、「職業」ではなくて「生き方なんです。声優やナレーターに限らず、私は表現活動を生業とするものはすべて「職業」ではなく「生き方」だと考えています。

その生き方を、たった1人の発言によってカンタンに路線変更していいんですか?

仮に事務所のマネージャーにそう言われたとしたら、あなたが事務所にいる限りはその方との関係が成立しますが、あなたが別の事務所に移ったとしたら、ほぼ関わりがなくなります。もちろん仕事だけでなくプライベートでも親しい場合は除きますけど、そんな関係なんてまれでしょ?

そんな人の発言で自分の生き方を曲げてしまうようなら、あなたは「ビジョン」を持つことができていない証拠です。つまり、目的地が定まっていない。どの山の頂上に登るか決めていなくて、「どこでもいいけど山のてっぺんに登りたいんだよね~」っていいながら準備も何もしていない状況なんです。
「生き方」についてはこちらの記事が参考になるでしょう。

そして「ビジョン」は具体的であればあるほどいい。っていうか、具体的でないとそんなのはビジョンではありません。「どこでもいいけど山のてっぺんに登りたい」って言ってたらいつまで経ってもどの山の麓にもたどり着けません。目的地決まってないから準備すらできないわけです。

だからね、夢とかのんきなことを言っている暇があったら、具体的なビジョンを持ってください。

例えば、30歳までにレギュラーを5本持つとか5年後には年収1,000万稼ぐとか。具体的な数字をビジョンに掲げるんです。本当に実現できるかどうかなんて気にする必要はありません。だって他の人にわざわざ言う必要もないですからね。

具体的なビジョンを持つとね、あなたの意識はすべてその方向に向かうようになります。そうすると、行動が変わります。その結果、必要な情報や環境が手に入ります。

よく「引き寄せの法則」とか言うじゃないですか?あたかも皆さん偶然のように言っているんですけど、あれは必然です。あなたの意識と行動が変わったから、自然と必要なものや望んでいるものの方向にある情報や環境に向かって行動しているだけなんです。

するとね、「本気で声優の世界でやっていくなら、バイトは辞めなさい」って言われても「はぁ?」って思うようになります。

もし練習時間を確保するためにバイトを辞めなくちゃならないとしたらね、それに変わる選択肢はいくらでもあるわけです。

例えば、「今と同じ収入を今のバイト時間の半分で得られるような仕事を探す」とか「もし練習時間を満足に確保できないとしたら、1日15分しか練習するだけでうまくなる方法を探す」とかね。

もちろんですけど、両方存在します。

今の半分のバイト時間で今と同じ収入を得るには、時給が高い仕事に就けば良いだけ。何も危険な仕事や夜の仕事をしなくてもいい。少し勉強してスキルを磨けば、IT系の仕事につけるでしょう。IT系は時給2,000円以上は山ほどあります

1日15分だけの練習でうまくなる方法を探すには、そんなレッスンをしてくれる先生を探せば良い。(っていうか、ここにいますけどw

ビジョンを明確に持っているとね、あなたがビジョンを達成するために必要な情報が集まり、環境が変わっていくのです。あなた自身が変えていくのです。

 

どうしても相談したいときは、相談する相手を間違えないように

多くの人は不安になると誰かに助けて欲しくなります。自分に解決できないことを認識した上で、解決してくれるスキルを持った人に助けを求めるのは間違った行為ではありません。

でもね、養成所や専門学校にいるころって、そんなことも考えずに、まず仲の良い友人に相談してしまうんですよね。その人は自分の良き理解者だと思って相談しているんです。

残念ながら、その時に相談した人はあなたの悩みを解決するためのスキルなんて一切持っていません。同じ夢を追いかけて、切磋琢磨している仲間ではありますけどね。

しかも相談者のほとんどは、自分で決めることができないから、他人に決めて欲しいとでも言わんばかりの相談姿勢のことが多いです。当たり前ですけど、これでは一緒に遭難する確率200%です。もれなく、関係の崩壊というおまけまでついてきます

だったら先生に相談だ!という発想が生まれるかも知れませんが、実はこれが一番危険です。先生は養成所や専門学校という組織の一員なので、あなたのことよりも優先しなくてはならない大切なことが山のようにあるのです。だからあなた1人に構っていられないわけ。悩みを抱えているのはあなただけじゃありませんからね。1人ひとり相手をしていると、組織の仕事や役割がこなせずに、先生が職を失ってしまいますから。

一応、私もそんな相談を受けることが多いです。声優の養成所に通っている方や、ジュニアで日々励んでいる方からLINE@を通じて色んな相談を受けます。その方たちとは利害関係もないですし、なんせ私は4年1,600時間以上も教えるためのトレーニングを積んでいるので色んな角度から質問にお答えすることができます。

相談してみたい方はLINE@からどうぞ。きっとあなたの仲間や先生とは全く違う視点からお返事ができるはずです。

 

まとめ

なぜ私が今回のテーマで綴ったかというと、私もかつて「本気で声優の世界でやっていくなら、バイトは辞めなさい」と言われたことがあるからです。

そうまでしないとダメなのかなとも思いました。

でも私はその時、自分のビジョンが明確でなかったことに気づいたんです。だから、ビジョンを持って心身の健康を維持しつつ自分の欲しいものが手に入る確率が高い方向に進みました

それは声の仕事を「職業」ではなく「生き方」として考えていたからに他なりません。

人には向き不向きがありますから、バイトをやめた方がバシッとはまる方もいると思います。でもそれはそれで、とてもとても大変なことだと思います。

だから私は選択しませんでした。そっちの方向に進むと、きっと声の世界にいることをやめてしまうと思ったから。実際、そんな方も見てきましたしね。

だからあなたも、明確なビジョンを持って、自分が進むべき道を、自分で決めてください!!

困ったり迷ったりしたら、いつでもLINE@から相談してくださいね!!

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