レッスン中にこんなアドバイス(ダメだし?)を受けたことはありませんか?
または「ふーっと息を吐いて、下に落としてみて」のようなニュアンスのアドバイスです。

昔、通っていたレッスンで、私は頻繁にこのアドバイスを受けました。
他の生徒は毎回講師にそう言われてから読み始める方もおられました。

そんなアドバイスを受けると、決まって「ふーっ」っと息を吐いて
身体全体の意識を下方向に持っていくことをしていました。
カラダを落とす、という表現に近いかもしれませんが
とにかく自分のカラダに力が入っているので、力を抜くために息を吐いていたことを思い出します。

今考えると、力を抜くために息を吐いているはずが
全く逆効果のことをしていたんだなと思います。

カラダの意識を下側に持っていくことで
身体全体を無理に下側に押し下げてしまいます。

そもそも重力があるのでカラダはいつも下側に引っ張られています。
特に下に落とすことをしなくても、自然に下に落ちようとしているわけです。

だから「下に落とす」必要はないのです。

でも「下に落として」というアドバイスをされるのは
あなたがカラダを上に上げようとしているから。

じゃぁやっぱり下に落とす必要あるじゃない、と思われるかもしれませんが
そんな必要はありません。

あなたがカラダを上に上げようとしているのですから、
それを止めればいいのです。

上に上げようとすることを止めるだけで、
あなたのカラダは重力に従って自然に下に落ちます。

でも下に落とそうと意識すればするほど、力で落とそうとします。

だから力ではなく自然に下に落ちるように、
ただ上に上げようとしているのを止めるだけでいいのです。

ここで一つアクティビティを挟んでみましょう。

右手をぶらぶらさせて、手首を動かしてみましょう。
自由に動きますよね。

では右手をぎゅっと握って、拳を作ってください。
この状態で手首を動かしてみましょう。

どうですか?

先ほどよりも、右手首は動かしづらいですよね

力が入っている状態だと、可動域は非常に狭くなります。
この場合は右手首の可動域が非常に狭くなりました。

力で下に落とそうとしていることは、手首で起こっていたことが全身で起こっていると考えてください。
つまり全身を固めてしまっていること。

当然、演技やナレーションなどのパフォーマンスに良くない影響を与えます。

だから、下に落とすことをしたいときは、何もしなくてもいいんです。
ただそのままいるだけでいいんです。

しかしそれが難しい。
原稿を読むとき、セリフを言うとき、決まって何かしていることがあるのです。

その何かをすることによってあなたの身体が上に上がっているのです。
だから、講師は「下に落として」とアドバイスをしたくなるです。

自分の身体に起こっていることに気づくのは大変かもしれませんが、
この変化に気づくことができれば、「下に落とす」必要はなくなります。

あなたがカラダを引き上げていることに気づくことができれば、
その動きを導き出していることを止めればいいのですから。

そのためには、繊細に、自分の身体に起こっていることに耳を傾けて、丁寧に向き合うこと。
時間が掛かかるかもしれませんが、取り組んでみる価値はあるでしょう。

よければこちらの記事も参考にしてみてください。
「楽にする」という言葉の罠

パフォーマンスの質を上げるための近道はありません。
ゆっくりひとつずつ取り組んでいきましょう。

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