「声優・ナレーターが上手くなるための近道」というタイトルにしようとしましたが思いとどまりました。

理由は、「上手いってなんだろう?」と思ったからです。

上手いというのは、何らかの比較対象があって、優劣を付けた結果ですよね。
私たちパフォーマーにとって、上手くなることが目的ではないと思うのです。
(上手いに越したことはないですが…)

私たちパフォーマーの目的は、「望み通りのパフォーマンスができること」であり、パフォーマンスを通じて「誰かに何かを与える」ことが目的なんじゃないかな、と。

でも、過去の自分と比較して「上手くなる」のなら目的もクリアになってるかな、と考えてみたり…

タイトルが難しいところですが、今回は『声優・ナレーターにとっての「エンドゲイニング」』の続きです。

 

パフォーマーが陥りやすい「エンドゲイニング」については前回紹介したとおりです。

今回は、エンドゲイニングに陥らないためのアプローチについて詳しく説明していきます。
・プライマリーコントロールを取り戻す
・目的をクリアにする
・すぐにやろうとしない
・アクションすることを選択する
・アクションする

前回紹介したアプローチの一つ一つのステップを丁寧に取り組んでみましょう。

 

プライマリーコントロールを取り戻す

「プライマリーコントロール」とは、F.M.アレクサンダーが発見した「頭と脊椎の関係が、人間の行動プロセスに影響を与える」という原理です。

頭とはどこでしょう?
人によって色んなイメージがあるでしょうが、さきほどの原理においては頭蓋骨のことを指します。
(このサイトでは、アタマと表現していますが、同じことです。)

頭蓋骨は、24本の脊椎の一番上にただ乗っかっています。

頭蓋骨と脊椎の一番上である第一頸椎(環椎)が触れ合う関節のことをAOジョイントといいます。

このAOジョイントがまさに「頭と脊椎の関係」が指す部分です。

さて、アタマと脊椎の関係がどのようなとき、カラダや行動にどんな影響を与えるでしょうか?

簡単な方法で確かめることができるので、皆さんも試してみてください。

まず、片方の手でじゃんけんのグーを作ります。
もう一方の手は、ボールなど丸い物を掴むときのように、手と指で半円を作ります。
そして中指だけ立てます。

グーがアタマ、反対の手の中指が脊椎、他の四本の指は手足と考えてください。

では、アタマを脊椎に乗せてみましょう。
グーを中指の指先の上に置きます。
このグーと中指の接点がAOジョイントだと考えてください。

今はただ乗せただけの状態ですね。
四本の指を動かしてみてください。
どうですか?
指は動きますか?

自由に動かすことができますよね。

では、アタマをぐっと押し下げてみましょう。
グーを下方向に押して、中指を押さえつけましょう。

そして、もう一度四本の指を動かしてみましょう。

さて、今度はどうでしょう?
動きましたか?

動かしづらいですよね。

まさに「頭と脊椎の関係」が「行動プロセスに影響を与えて」いるのです。

整理してみましょう。

・アタマが脊椎の上に乗っている
→手足は自由に動く

・アタマが脊椎を押し下げている
→手足は動きづらい

パフォーマンスはもちろん、日常の生活に追いて、皆さんはどちらの状態でいたいですか?

ほぼ全ての方が前者の自由に動く方を好むのではないでしょうか?

これが「プライマリーコントロールを取り戻す」ということです。

まず最初に取り組む手順は、アタマが脊椎の上に乗っている状態になることです。
(頭が脊椎を押し下げるのをやめる)

 

目的をクリアにする

アクションを起こす前に目的をクリアにしましょう。
明確に、より具体的にするのです。

目的が「歩く」なら「本棚まで歩く」というように、5W1Hの要素をプラスして、よりクリアにしましょう。

 

すぐにやろうとしない

原稿を読むことにしても、演技をすることにしても、日常生活で歩くにしても、
目的を思い立ったらすぐに行動に移すのではなく、「意図的に目的をかなえるための方法を選択」してください。

すぐ行動に移すと、カラダはこれまでの経験や習慣で培った本能的なカラダの使い方に沿って動きます。
極力負担をかけないような慣れ親しんだ方法で、つまり癖やいらない習慣が使われるのです。
(たいていの場合、その本能的な負担をかけない方法は、カラダのどこかに負担をかけていることが多いです)

目的を思い立ったとき、実は私たちは以下のどれかを選択することができます。
a. それを達成するための行動をする
b. それを達成するためのことをしない
c. それとは別の目的を達成することにする

そしてほとんどの場合は本能的に、無意識のうちに選択しています。
それが癖やいらない習慣を誘発しているのです。

「すぐにやろうとしない」というのは、この選択をできるんだ、してもいいんだという余裕を自分に与えてあげることです。

 

アクションすることを選択する

選択してもいいんだという余裕を持つことができたら、意識的に選択しましょう。
やる、やらない、別のことをする。
どの選択でもいいので、自分の望み通りに選択しましょう。

たったこれだけのことを丁寧に取り組むことができれば、意志と望みがモチベーションにつながり、カラダには目的をかなえるために効率の良い使い方をするような指示が行き渡ります。

アクションする

自分が選んで決めたことですから、あとは思う存分行動するのみです。

どんな結果が出るかは、行動してからしか分かりません。
望み通りの結果を得られることもあれば、意に反した結果になることもあります。
意に反した結果なら、また次のトライにかけましょう。
と、いうようにひとつひとつのステップを紹介してきましたが、これらを採用するときに気をつけてほしいことがあります。

それは「一つずつ丁寧に、全て同時に」ということ。

1.ができたから、次に2.を。
2.ができたから、次は3.を。
というように一つ一つ丁寧に取り組んでいくのですが、ステップを進むにつれて1.のことはどこかに置いてしまわないでください。

2.をするときは1.をしながら、3.をするときは1.と2.をしながら、というように前のステップが有効なときに初めて次のステップも有効になるのです。

今回紹介した記事はこちら

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