「お腹から声を出す感覚がわからない!」と悩む男性とのレッスン

こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。


社会人で「もっと気持ちよく歌を歌えるようになりたい」と考えているおさむさん(仮名)がレッスンに来てくださったときのことです。

おさむさんは、こんな悩みや望みを持っていました。
・気持ちよく歌を歌えるようになりたい
・「お腹から声を出す」というのがよく分からない
・ネットで得た知識をもとに「お腹から声を出さなければいけない」と考えている

トクガワ
こんにちは、よろしくお願いします。

おさむさん
よろしくお願いします。

トクガワ
今日はどんなことに興味があってレッスンに来てくださいましたか?

おさむさん
もっと気持ちよく歌が歌えるようになりたいんですが、お腹から声を出すというのがよく分からないんです。本やネットでもそんな風に書かれているのですが、いまいちその感覚がつかめなくで・・・

トクガワ
気持ちよく歌を歌えるようになるためにお腹から声を出したいけど、それがよく分からないということですね。

おさむさん
はい、そうです。

トクガワ
質問なのですが、おさむさんはお腹から声を出すことができるんですか?

おさむさん
今はできていないような気がします・・・

トクガワ
では、練習すればできるようになると思いますか?

おさむさん
できるようにならないと響きがあったり通りが良くなったり、良い声が出せないと思います。

トクガワ
本当にそうでしょうか?声はお腹から出ていないですけど・・・

おさむさん
本やネットではよく「お腹から声を出すといい」と紹介されていますけど?

トクガワ
そうですね。私もそれはよく目にしますし、周囲の人にも添う思っている人はたくさんいます。でも私たちのカラダの構造では、お腹から声は出ません。

おさむさん
どういうことでしょうか?

トクガワ
おさむさんと私が今こうしてお話していますけど、どこで声が生まれているか知っていますか?

おさむさん
あまり考えたことがありません。

トクガワ
ではこの機会に発声の仕組みを明確にしておきましょう。
おさむさんは声を出すためにはどんなことが起きると声を出すことができると思いますか?

おさむさん
そうですね・・・声帯を閉じるというのを聞いたことがあります。

トクガワ
そうですね。声帯が綴じるというよりも、声帯ヒダの隙間が閉じる、ということが起きています。でもそれだけでは声は出ません。ギターの音で考えると、声帯ヒダの隙間が閉じることは弦の役目ですからね。弦があっても音は出ませんよね。

おさむさん
たしかにそうですね。

トクガワ
弦を弾くことで振動が生まれてそれが音になるわけですよね。私たちのカラダも同じで、声帯ヒダを振動させるものが必要なんです。それは何だと思いますか?

おさむさん
うーん・・・、空気ですか?

トクガワ
はい。その空気はどこから出てきますか?

おさむさん
肺から出てくると思います。

トクガワ
そうですね。肺から出てくる空気、つまり吐く息が声帯ヒダを振動させるわけです。だから私たちが声を出すためには「声帯ヒダの隙間が閉じる」ことと「肺から息を吐く」ことが必要になります。

おさむさん
2つのことが同時に起こることで声が出せるんですね。

トクガワ
その通りです。ここで注意して欲しいのが、息は肺から出てくるものだということです。そして喉にある声帯ヒダが振動したところで音が生まれます。そう考えると、お腹から声を出すというのは現実で起こっていることとは全く違うことを示しているんですね。

おさむさん
お腹から声を出す・・・・ということですか?

トクガワ
その通りです。誰が言い出したかわかりませんが、お腹から声を出すというのはカラダの構造に反している使い方なのです。

おさむさん
言われてみれば確かにそうですね。カラダの構造に反しているなんて考えたこともなかったです。

トクガワ
大切なことに気付くことができましたね。実は人間のカラダには、カラダの構造に反した使い方をすると、私たちの機能や柔軟性、可動性などが阻害されてしまうというメカニズムがあるんですね。だからお腹から声を出そうとすると、発声の邪魔をすることになってしまうんです。

おさむさん
ではどうすればいいんでしょうか?

トクガワ
お腹から声を出すという構造に反した使い方は忘れて、カラダの構造に沿って息を吐くことです。

おさむさん
腹式呼吸で吐くということですね?

トクガワ
いえ、腹式呼吸もカラダの構造に反した使い方なんですよ。
カラダの構造に沿って息を吐くには、まずは息を吐く時にカラダでどんな動きが起きているかを知るのがいいでしょう。

おさむさん
どんな動きが起きているのでしょうか?

トクガワ
息を吐く時の動きは大きく分けて胸とお腹での動きがあります。
胸では肋骨の内側の空間が狭まるような動きが起き、お腹ではお腹の内側の空間が狭まるような動きが起きます。こうすることで肺から息が出ていくのです。

おさむさん
胸式呼吸でも腹式呼吸でもない呼吸ということですか?

トクガワ
そうですね。今私がお話した胸の動きだけにフォーカスしたものが胸式呼吸、お腹での動きだけにフォーカスしたものが腹式呼吸なんですね。でも実際には肺から効率よく息を吐き出すためには、どちらの動きも同時に起きる必要があります。これが呼吸本来の動きなんです。

おさむさん
胸での動きと肺での動きが同時に起きるといいんですね。

トクガワ
はい。それだけ肺からたくさんの息を吐くことができれば、その分の息を吸うことができるので、呼吸の効率も良いわけです。それが呼吸本来の動きなんですが、多くの方はどちらか一方だけを気にしすぎて、もう一方の動きは止めてしまっているんです。

おさむさん
それがカラダの構造に沿って息を吐くということですか?

トクガワ
はい、その通りです。
実際にその違いを体験してみませんか?

おさむさん
はい、やってみます。

トクガワ
ではどんな状況で声を出してみましょうか?おさむさんがやってみたいことならどんな内容でも構いませんよ。

おさむさん
歌を歌ってみてもいいですか?

トクガワ
はい、もちろんです。特に気になっている所はありますか?

おさむさん
好きな歌があるんですが、いつも上手く行かないフレーズがあるんです。そこをやってみたいです。

トクガワ
わかりました。準備ができたらいつでもスタートしてくださいね。

おさむさん
わかりました。
♪~(おさむさん、ワンフレーズ歌う)

トクガワ
ありがとうございます。
今歌っていただいたのはいつも通りの歌い方に近いですか?

おさむさん
はい、いつもこんな風に歌っています。

トクガワ
ではもう一度同じフレーズを歌ってみてもらいたいのですが、先ほどお伝えしたカラダの構造のことを思い出してみてください。胸とお腹での動きが起きるから肺から息が押し出されて、その時に声帯ヒダの隙間が閉じることで音が生まれるわけですね。そのことを意識しながら歌ってみるとどうなるでしょうか?

おさむさん
意識するということは力を入れればいいということですか?

トクガワ
力を入れるとカラダの動きを制限してしまうので逆効果になってしまうんです。
力を入れると言うよりも、カラダが動くことを邪魔せず、動きたいように動いてもいいと思うだけで良いですよ。

おさむさん
わかりました。やってみます。
♪~(おさむさん、ワンフレーズ歌う)

トクガワ
ありがとうございます。さっきと比べて、何か違いはありましたか?

おさむさん
なんだか歌いやすかったです。今までお腹から声を出そうとして色々試していたのですが、その時よりも声が出やすかったし、歌いやすかったです。

トクガワ
さっき歌ったときと今歌った時を比べてみて、カラダのことで何か気付いた違いはありますか?

おさむさん
今の方が力んでいないような気がしました。そのせいか、声がスッと出てきて歌いやすかったです。

トクガワ
いつも上手く行かないフレーズだと仰ってましたが、そのことについてはどうでしょうか?

おさむさん
いつもより良かったと思います。

トクガワ
それはよかったです。
今、おさむさんのカラダの動きを見ていたのですが、さっき歌ってもらった時と比べて息を吐くためのカラダの動きがスムーズに起きていましたよ。

おさむさん
だから歌いやすかったんですね。

トクガワ
そうですね。もう一つ試してみてもらいたいことがあるんですが、やってみますか?

おさむさん
はい、お願いします。

トクガワ
次も同じフレーズを歌ってみてもらいたいのですが、カラダ全体で全体で声を出すことをイメージしてみてもらいたいのです。発声はカラダ全体での共同作業なので、アタマのてっぺんから足の先まで関係しているんですね。それらが一緒に発声に協力していると思ってみて歌ってみてください。

おさむさん
わかりました。
♪~(おさむさん、ワンフレーズ歌う)

トクガワ
どうですか?何か違いがありましたか?

おさむさん
安定して歌いやすくなったというか・・・またさっきよりもいい感じになった気がします。

トクガワ
いいですね。こんな風にカラダの構造に反した使い方ではなくて、カラダの構造に沿った使い方をすることで、より発声や表現もしやすくなるわけですね。
そして発声は喉だけで行われるものでもお腹だけで行われるものでもありません。カラダ全体で行われる動きです。なのでその通りに使うだけで、より本来の能力が引き出されます。

おさむさん
だからより歌いやすくなったんですね。

トクガワ
そうですね。こんな風にカラダの使い方を変えれば、結果が変わるわけですね。
カラダの動きは日常生活の声を出すときでも練習したり、カラダの構造に反した使い方をしていないか気付くことができるチャンスがたくさんあります。ぜひ今以上に敏感になって、カラダの使い方を意識して見てください。それだけでどんどん変わっていきますからね。

おさむさん
はい、わかりました。ありがとうございました!

トクガワ
ありがとうございました!

今回のレッスンについての解説はこちら

あわせて読んでおくと更に効果的です!


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