腹式呼吸ができない原因は?カラダのことを正しく知ろう!

こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。

なんだか最近体が疲れる。息がしづらい。大きな声が出ない。。。
生活をしていると、カラダに関する悩みはつきものです。

特に大人の方は、年を重ねるにつれて、「以前はそんなことなかったのに…。」ということも増えたりしますよね。

なんとかしたい!と、カラダについて調べていると、必ずと言っていいほど目にするのが「腹式呼吸」という四文字。

「カラダの悩みを解決したいのに、腹式呼吸ができない…」とお悩みの皆さんに質問です。

腹式呼吸って、なんですか??

お腹に空気を入れることでしょうか。
それとも肩をあげずに、お腹を膨らませて呼吸することでしょうか。

実はどちらも不正解。

腹式呼吸ができないとお悩みの方のほとんどが、「腹式呼吸」のことを実はあまりよく知りません。

腹式呼吸は、正しい知識を得れば誰でもできるようになります。

今回は、よく耳にするけどいまいちよく知らない「腹式呼吸」について、一緒に考えてみましょう!

この記事でわかること

● 腹式呼吸ができない原因
● 腹式呼吸には「正しい知識」と「自分を知ること」が必要
● 焦らず気長に習慣化してみよう!

腹式呼吸ができない原因

腹式呼吸ができない原因はとってもシンプル。
あなたが腹式呼吸のことを理解していないからです。

腹式呼吸は、「横隔膜」を大きく動かして行う呼吸法です。
しかし、腹式呼吸ができない人、できていると思っている人の多くが、腹式呼吸=おなかに息を入れることだと勘違いしてしまっています。

理解していないことができない、というのはある意味当然のことなのですが「腹式呼吸」という言葉がかなり一般的で、いろんな場面で用いられるからか、自分が理解していないことに気づいていない方もたくさんいます。

それは教える側の先生も同じです。
一般的に、「おなかに空気を入れて」と教える人がほとんど。

中には、「息を吸うときにおなかを膨らませて」「肩を上げないで」などとやり方やだめなことだけ教えてしまう方もいます。

しかし、おなかに空気を入れることは不可能なのです。

「腹式」というくらいなので、文字通りおなかで呼吸しようとするのは自然なことなのかもしれませんが、カラダの構造上、おなかに空気を入れたり、おなかだけで呼吸をすることはできません。

かといって肺を動かしているわけでもありません。
呼吸は、胸(胸郭)とおなか(腹腔)で動きが起きることで空気の出入りが起きているものなのです。

このうち、肋骨の下のほうにある横隔膜の動きに注目したものが腹式呼吸です。

口から入ってきた空気が主に入るのは「肺」で、おなかではありません。

そもそも「肺」という空気がたくさん入る、息を入れておくために最適な機能を持った臓器があるのに、それを使わずにわざわざおなかに息を入れるだなんて、ちょっと非効率的です。

おなかにだけ空気を入れようとする、間違った「腹式呼吸」風のなにかは、おなかに意識が向かいすぎていたり、「肩をあげてはいけない」といった指示があったりするせいで、胸の動きをおろそかにしてしまいます。それは非常にもったいないです。

意識はおなかだけに向けていても意味がありませんし、肺が膨らむのだから「肩をあげてはいけない」わけがありません。

勘違いや間違った知識で、カラダの動きのどこかが制限されてしまうのは、あなたのカラダやこれからにとって損でしかないのです。

呼吸は、あなたの健康や発声において超重要なこと。
呼吸について考えることは、あなた自身のことを考えることなのです。

腹式呼吸ができるようになるためのステップ

腹式呼吸ができない主な原因は、
①カラダや呼吸に関する正しい知識を持っていないこと。
②余計な動きや緊張、力みが習慣化してしまっていること。
のふたつに集約されます。

どんな方でも、この原因を知り、正しい手順を踏めさえすれば、腹式呼吸はできるようになります。

まずはこの二つを解決していくことから始めてみましょう。

呼吸の仕組みを知る

まずは①を解決するために、呼吸の仕組みについて少し考えてみましょう。

カラダについて正しい知識を得て、正しく動くようになれば、呼吸は自然と適切に行われます。
そのためには、あなたが呼吸をするときに、胸のあたりで起きている動きと、おなかで起きている動きを知る必要があります。

肺は単独で呼吸をすることができる器官ではありません。
あなたが呼吸をしているとき、胸やおなかにある肋骨の周りの筋肉、そして横隔膜など、いろんな場所で動きが起きているのです。

詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

まだ「腹式呼吸」って検索してるの? - 発声時に特別な呼吸があると信じている人へ

筋肉や場所の名前が出てきますので、カラダのどんな場所にあるものなのか、気になる人は調べてみることをオススメします。もっと理解度が上がり、イメージしやすくなりますよ。

余計な力みを取り除く

次に、無意識のうちに癖になってしまっている、あなたのカラダの余計な力みを取り除きましょう。

余計な緊張や力みがあるままだと、どれだけ知識を持っていても、本来動くべきところが動いてくれなくなってしまいます。

よくある緊張・力みポイントは、「腹筋」「胸」「下半身」の三つ。

さきほど、「腹式呼吸は横隔膜を大きく動かすことに注目したもの」と簡単に説明しましたが、これを邪魔してしまうのが腹筋の力み。

横隔膜が下がるとお腹が前に押し出されるのですが、腹筋が力んでいるとこれを邪魔してしまい、腹式呼吸を妨げてしまうのです。

また、胸に力が入っていると、呼吸をするときに必要な肋骨の動きを制限してしまいますし、下半身に力が入っていると全身に力みや緊張が伝わり、カラダ全体が動かしにくくなってしまいます。

結果として、カラダの自由な動きが制限されてしまい、呼吸のための動きが満足に行えず、結果として呼吸が浅くなってしまうのです。

これでは腹式呼吸で得ようとしていた効果とは真逆ですよね。

力みを取り除くためには、まず自分のカラダのことに気づく必要があります。
しかし、自分のカラダの力みや緊張はほとんどが無意識。
自分で気づくのは至難の業です。

もし、自分では難しいなと感じたら、アレクサンダーテクニークのような緊張や力みを取り除くレッスンを取り入れてみるのをおすすめします。(ちなみに、トクガワのレッスンでもアレクサンダーテクニークは学べます!)

習慣としてアップデートする

呼吸の仕組みとカラダの正しい使い方が理解できたら、あとは実践するのみ!

しかし実践といっても、練習やトレーニングの時間をわざわざとったりしなくても大丈夫です。

あなたに限らず、人は呼吸を毎日、絶え間なく行っています。
「今日は息すんのやーめよ!」というわけにはいかないですよね。

意識しなくても毎日いつでもしているので、それを練習の機会にしてしまいましょう。

呼吸やカラダの仕組みに沿った、正しい使い方をできるだけ実践するように心がけてみてください。

今までの習慣や癖をいきなりやめるのは難しいことですが、正しい使い方を実践しつづけ、習慣化することにチャレンジしましょう。

やがて、これまでの間違った動きや余計な力み・緊張が、正しい使い方によって徐々に上書きされ、自然なカラダの使い方で呼吸ができるようになっていきます。

まとめ

腹式呼吸は、誰でもできるようになります。

ここまで読んでくださったあなたには、それがきっと伝わったかと思います。
正しい情報とカラダの使い方を知ること、そして自分の癖や習慣を知ること、そしてこれを比較して、自分の間違った使い方に気が付くこと。

腹式呼吸に限らず、あなたのカラダのことを考えていくために、まずはここからはじめてみましょう。

今回紹介した情報はごくわずか。

この『声のトリセツ』内には、呼吸やカラダに関する記事がたくさんあるので、 ぜひほかの記事も読んで、気になったものから実践してみてください。

また、独学では難しいと感じたら、アレクサンダーテクニークがおススメです。

今日紹介してきた考え方やアプローチは、実はアレクサンダーテクニークの基本的な考え方ととてもよく似たもの。

私、トクガワのレッスンでは、アレクサンダーテクニークの視点から、発声のためのカラダの使い方について教えています。

発声と呼吸は切っても切り離せない関係です。
あなたの呼吸やカラダのことについても、きっと役に立つアイディアがみつかるはずです。

今までのカラダの習慣や癖を知り、上書きしていくことは、時間がかかるもの。
しかし、絶対に成し遂げられないことではありません。

効果が出ない、カラダが変わらないからと焦った分だけ逆効果。さらに悪い習慣がついてしまいます。

あなたがあなたのカラダと向き合い、健やかに暮らしていくためにも、焦らずじっくり取り組んでみてくださいね。

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