大きな声を出しているのに、声が小さいと注意されてしまう女性とのレッスン
インストラクターをしているアスカさん(仮名)がレッスンに来てくださったときのことです。

アスカさんは、こんな悩みや望みを持っていました。
・講座を任されるように放ったものの、先輩に声が小さいと注意されてしまう
・自分では大きな声を出しているつもり
・具体的に何をすれば良いかわからない

トクガワ
初めまして。トクガワです。

アスカさん
初めまして。

トクガワ
レッスンに来ていただいてありがとうございます。アスカさんはどんなことに興味があって来てくださったのですか?

アスカさん
インストラクターのお仕事をしているんですけど、今までは先輩のサポートというカタチで講座の手伝いをしていたんですけど、最近私がメインで講座を担当する機会が増えてきたんです。
でも、先輩からは「もっと大きな声で話さないと、後ろにいる受講生にまで伝わらないよ」と言われることが多くて・・・自分では大きな声を出しているつもりなんですけど・・・

トクガワ
たくさんの人の前で話す機会があって、そこで大きな声を出しているつもりでも、先輩にはもっと大きな声で話すように言われてしまうわけですね。

アスカさん
はい、そうです。

トクガワ
話す時にアスカさんはどんなことを意識していますか?

アスカさん
話す時に、ですか?

トクガワ
はい。どんなことを意識して声を出していますか?

アスカさん
大きな声を出すことを意識しています。

トクガワ
そうですよね。具体的にはどんなことを意識していますか?

アスカさん
えっっと・・・大きな声を出すことを意識しています・・・

トクガワ
ですよね。で、具体的にはどんなことですか?

アスカさん
さっき言ったとおり、大きな声を出すことを意識していますけど・・・?

トクガワ
はい。それは理解しています。でも私が知りたいのは、アスカさんが大きな声を出すために具体的にどんなことをしているか?です。

アスカさん
それは大きな声を出すことを意識するとは違うんですか?

トクガワ
はい、違います。それを理解していただくために例を挙げてみますね。
例えばですけど、外にいるときに突然雨が降ってきたとしましょう。アスカさんが雨に濡れたくないと思ったら
どうしますか?

アスカさん
折りたたみ傘があるのでさします。

トクガワ
そうですね。もしたまたま折りたたみ傘を持っていなかったとしたらどうしますか?

アスカさん
そうですね・・・建物や地下街に入って雨宿りします。

トクガワ
そうすれば雨に濡れませんね。これを大きな声を出すことに置き換えて考えてみてください。
雨に濡れたくないと思うことは大きな声を出そうとすることに当てはまりますね。そして、傘を差すとか建物で雨宿りするというのは「雨に濡れたくない」ということを実現するための具体的な方法です。
ここまでで何か質問や疑問はありますか?

アスカさん
いいえ、大丈夫です。

トクガワ
では続けますね。「雨に濡れたくない」という望みを達成するためにアスカさんは傘を差すことができるわけなんですけど、さっきのお話に置き換えて考えると、アスカさんは「大きな声をだそう」ということにおいて、ずっと「雨に濡れたくない」とは言っているけれども傘を差したり建物に入るというような具体的な行動をしていないように感じるのです。

アスカさん
あ・・・言われてみればそうですね。

トクガワ
私がお伝えしたいことがわかっていただけましたか?

アスカさん
はい、なんとなく。

トクガワ
では改めて質問しますね。「大きな声を出そう」とするとき、アスカさんは具体的にどんなことを意識していますか?なかったらないという答えで構いません。

アスカさん
えっと・・・「大きな声をだそう」と言うだけで、具体的に意識していることはありません・・・

トクガワ
ありがとうございます。
それはそれで構わないですよ。いい・悪いを判断したり評価したりすることが私の目的ではないですから。

アスカさん
でも、今まで意識していなかったから大きな声が出せなかったわけですよね・・・

トクガワ
いえ、アスカさんは今までの経験で学んだことを最大限に使って大きな声を出そうとしていました。

アスカさん
だったらどうして大きな声が出ないんでしょう?

トクガワ
その理由は2つあります。
まずひとつは、アスカさんがやっていることは大きな声を出すために本当に必要なことではないということ。もう一つは、アスカさんご自身が大きな声を出すと邪魔をしていること。これが理由です。

アスカさん
もう少し詳しく教えてもらえませんか?

トクガワ
もちろんです。
まず一つ目のポイントですが、アスカさんは大きな声を出すために「大きな声を出すこと」を意識していましたよね?

アスカさん
はい、そうです。

トクガワ
しかしそれは具体的な行動をしているのではなく、ただ「大きな声を出そう」としているだけでした。これは大きな声を出すために必要なものではないんですね。

アスカさん
他に必要な事がある、ということですか?

トクガワ
その通りです。大きな声を出すために必要なことをしていないのですから、大きな声が出ないのは当然と言えます。でも、アスカさんが悪いわけではありません。ただ、そのことを誰もアスカさんに教える事が出来ないだけなのです。

アスカさん
具体的にどんなことをすればいいんですか?

トクガワ
大きな声を出すためには一度にたくさんの息が必要です。

アスカさん
どうしてですか?

トクガワ
発声とは、音を生み出すものです。その音は声帯ヒダの振動によって生まれます。そうすると声帯ヒダをより振動させることができれば自然と音が大きくなるわけです。そのためには何が必要ですか?

アスカさん
えっと・・・

トクガワ
私たちのカラダの中で、声帯ヒダを振動させるものは何でしょうか?

アスカさん
息・・・ですか?

トクガワ
そうです。一度にたくさんの息を吐き出せば、音は勝手に大きくなります。つまり大きな声が出ます。
でもアスカさんはそれをしていませんでしたよね?

アスカさん
確かにそうですね。息をたくさん吐き出すことが必要なのに、ただ「大きな声を出そう」というだけではそれは起こらないわけですね。

トクガワ
その通りです。だから1つめのポイントについては、たくさん息を吐き出せばいいのです。

アスカさん
わかりました。

トクガワ
では2つめのポイント、アスカさんが自分で自分の邪魔をしていることについてですが・・・実は今こうして話している中でもアスカさんはご自分の発声の邪魔をしているのですが、それに気づいていますか?

アスカさん
いえ・・・全くわかりません。

トクガワ
話し始めるとき、顔を前に出す習慣があるようなんですが、それには気づいていないようですね。

アスカさん
えっ?そうなんですか?

トクガワ
はい。ご自身で気づいていて、意図的にやっているのかどうか気になっていたんです。

アスカさん
そんなクセがあったなんて、まったく気づきませんでした。。。

トクガワ
実はその動きがアスカさんの発声を邪魔しています。

アスカさん
そうなんですか?

トクガワ
残念ながら、そうなんです。顔を前に出すことで、アタマの重みを首だけで支えるようなカラダの状態になり、発声器官を押し潰すように余計なプレッシャーを与えてしまうんです。

アスカさん
・・・全く気づきませんでした。

トクガワ
現代に生きる私たちは毎日スマホを使いながらそんなカラダの状態をいつも経験していますから、気づかないのも無理はありません。
でも、今、アスカさんはそれを知ることができたので、これからどうするかを選択することができます。

アスカさん
どうするか・・・ですか?

トクガワ
はい。今まで通り邪魔しながら声を出すか、それとも邪魔せずに声を出すか、選ぶことができるんです。

アスカさん
それは選ばなきゃだめなんですか?

トクガワ
どちらでもいいですよ。だた、選ばないということは言い換えれば今までと同じことをし続けるのと同じ事になります。つまり、邪魔しながら声を出すことになってしまいますね。

アスカさん
どうしてですか?

トクガワ
どちらかを選ばないと言うことはアスカさんは今まで通りの声の使い方を選ぶことと同じなんです。今まで通りの使い方がすでに習慣として身についているので、今まで通りの使い方を選ぶことと同じなのです。

アスカさん
私は大きな声を出せるようになりたいです。

トクガワ
では、どうすればいいと思いますか?

アスカさん
今まで通りの使い方をするってことは、邪魔しながら声を出すことですよね?だったら、邪魔しないで声を出すことを選びたいです。

トクガワ
わかりました。そう言ってくださってよかったです。安心しました。

アスカさん
どうしてですか?

トクガワ
もしアスカさんが今まで通りの邪魔しながら声を出すことを選んだとしたら、私は何もできませんし、レッスンも続行不能になってしまいますからね。

アスカさん
そうなんですか?

トクガワ
はい。私がレッスンでやっていることは、今までと違った新しい使い方やアイディアを提案して、それをアスカさんができるようにサポートすることです。だから、確実に変化がおきるんですね。ということは、アスカさんが今まで通りの方法でやりたいなら、私のレッスンでは期待に応えることができないんです。

アスカさん
だから私が今までと違うやり方をしたいと選ぶ必要があったんですね?

トクガワ
その通りです。私が変化を起こすわけではなくて、アスカさんが変化を起こすわけですからアスカさん自身に選んでいただく必要があったんです。
よくLINEで質問をいただくんですが、同じような質問をすると返事をくれなくなってしまうんですよね。

アスカさん
どうしてでしょうね・・・

トクガワ
おそらくでしょうけど、心の底では「今のままでいいや」と思っているのでしょう。「通る声が出ません」とか「人と話すのが苦手です」という相談をいただくのですが、ほとんどの方は新しい方法を選ぶことができないのです。そんな自分を変えたいと思っているのに、心の底では変化が怖いんだと思います。

アスカさん
そんな・・・とてももったいないですね。。。

トクガワ
私もそう思います。アスカさんのように理解してくださる方だと私もものすごくやりやすいです。

アスカさん
でも少し考えれば分かるはずですよ。トクガワさんがなぜ質問したかって。

トクガワ
まぁ、多くの方は考えることすらしないですからね。
話がそれましたが、新しい方法を選んだアスカさんには1つ提案をしますね。

アスカさん
はい、何でしょう?

トクガワ
これから講座を始めるときの最初のフレーズを使って実験してみましょう。
まずはいつも通りに話してみてもらえますか?

アスカさん
わかりました。
みなさん、こんにちは。本日の講座を担当させていただく斎藤アスカです。よろしくお願いします!

トクガワ
はい、ありがとうございます。いまやってみた感じはいつもと比べてどうですか?何か気づいたことがあったらどんなことでもいいので教えてもらえると嬉しいです。

アスカさん
うーん・・・どうだったかと言われてもいつもと同じ感じです。大きな声を出そうとしていますけど、大きな声が出ていないと思います。

トクガワ
ありがとうございます。では、もう一度同じ内容でいいので講座の時のよう話してみてもらいたいのですが、次はこれから私がお伝えする「あること」をやりながら話してみてください。

アスカさん
何でしょうか?

トクガワ
大きな声を出すためには息を吐くことが必要なんですけど、今さっき話してもらった時はアスカさんがどれくらい意識していましたか?

アスカさん
えっと・・・全く意識していませんでした。とにかく「大きな声を出そう」とばかり考えていました。

トクガワ
大きな声を出すためには、それなりの息の量と瞬発力が必要なんですけど、アスカさんはそれをしていなかったわけですね。だからどれだけ「大きな声を出そう」としても起こらなかったわけです。

アスカさん
「大きな声をだそう」とするだけではダメだったんですね・・・

トクガワ
そうですね。さっき例に挙げたように、雨が降っている屋外で「雨に濡れたくない」と思いながらその場にいることと同じですからね。

アスカさん
今度は息を吐くことを意識しながらやってみますね。

トクガワ
あ、その前にもう一つ・・・いえ、まずは息を吐くことを試してみてどんな変化が起きるか見てみましょう。その後にお伝えします。息を肺から上方向に吐き出すことを意識してみてください。上方向ですよ。

アスカさん
わかりました。
みなさん、こんにちは。本日の講座を担当させていただく斎藤アスカです。よろしくお願いします!

トクガワ
はい、ありがとうございます。今回はさっきと比べて何か違いがありましたか?なかったらなかったで構いませんよ。

アスカさん
えっと・・・自分ではさっきより大きな声が出せたような気がしています。あと、不思議なんですけど、さっきよりも力を使っていないような気がします・・・

トクガワ
ありがとうございます。アスカさんは不思議に思うかも知れませんが、それは当然でしょうね。今、アスカさんに話してみてもらう前に私がもう一つ伝えようとしたことがあるのですが、覚えていますか?

アスカさん
はい、やってみてから伝えてくれるとお話しされていたことですよね。

トクガワ
そうです。実は伝えなかったのには理由があるんです。息を上方向に吐くことをしっかりやってくれれば、あることがおきない可能性があると思ったからなんです。

アスカさん
あることが起きない?今私がやったときには起きていなかったことがあるということですか?

トクガワ
はい。話し始めるとき、アスカさんは顔を前に出すような動きをしていたのですがそのことに気づいていましたか?

アスカさん
いえ、全く知りませんでした。

トクガワ
実はその動きが息の通り道を邪魔していて、アスカさんの発声を邪魔していたんじゃないかと私は推測していたんです。でも息を上方向に吐き出すことを意識してくれたお陰で顔を前に出すような動きが起きなくなるんんじゃないかとも思ったので、あえて言わなかったんです。お伝えしてしまうと顔を前に出さないことをを意識して、その結果、顔をさらに前に出してしまう危険性もありましたので。

アスカさん
顔を前にだすことが起きなかったから、さっきよりも力を使っていないように感じたのでしょうか?

トクガワ
私もそう思います。さっきまでは、息の通り道を邪魔していたので声を出すためにその邪魔を押し退けるように力を使う必要があったんです。でも今は邪魔がなかったので、その力は必要なくなったわけですね。

アスカさん
私が自分で声を出すことの邪魔していて、今はそれがなくなったということですね。

トクガワ
はい、そうです。邪魔がなくなった結果として、さっきよりも力を使うことなく大きな声を出すことができたんだと思います。つまりアスカさんの発声に関する機能が今までよりも効率よく使うことができるようになったというわけですね。

アスカさん
でも・・・これって今教えてもらったからできたわけで、一人でやる時にできるかどうかわからないです。

トクガワ
そうですか?今それをやったのは紛れもなくアスカさんご自身ですよ?

アスカさん
でも今はトクガワさんが教えてくれたからできたわけで、これが一人でできるようには思えないんです。

トクガワ
なるほど。1つ質問なんですか、さっきアスカさんがやったとき、私はアスカさんの脳やカラダを直接コントロールしましたか?

アスカさん
いえ、していないです。

トクガワ
ですよね。今この場にいるのはアスカさんと私の二人だけですけど、わたしがやっていないとすると誰がやったのでしょうか?

アスカさん
・・・私、ですか?

トクガワ
というか、アスカさんしかできないですよ。そうでなければ、アスカさんは誰かに遠隔でコントロール支配されている可能性を疑った方がイイと思います(笑)

アスカさん
あ、そうですね(笑)

トクガワ
もし一人でできるか不安だったらもう一度やってみましょうか。

アスカさん
はい、やってみたいです。

トクガワ
では、さっきのことを思い出してみてください。良い変化が起きたのは、アスカさんが何をしたからでしょうか?

アスカさん
「大きな声を出す」と言うことは忘れて、「息を上方向に吐き出す」ということをしました。

トクガワ
そうですね。では今度はさっきよりももう少し強く「息を上方向に吐き出す」ことを意識しながら話してみてください。

アスカさん
みなさん、こんにちは。本日の講座を担当させていただく斎藤アスカです。よろしくお願いします!
わぁ!さっきよりも大きくなった!!

トクガワ
さっきとはまた違う変化が起きましたね!アスカさんとしては、この変化はどうでしょう?良い変化ですか?悪い変化ですか?

アスカさん
良い変化です。

トクガワ
と言うことは、アスカさんはご自分で良い変化を起こすことができたわけですよね。だからアスカさん1人でもできると言うことを信じていただけるはずです。

アスカさん
はい!話し始めるときに「息を上方向に出す」ことを意識するだけでこんなにも良い変化が起きるんですね。

トクガワ
そうですね。アスカさんの場合は「息を上方向に出す」ことを意識することで「顔を前に出す」という発声を邪魔する事がおきなくなったのでバッチリな方法だったわけですね。

アスカさん
そういえば・・・小学校の時の音楽の先生に「人に何かを伝えるときには、ほんの少し前に向かうようにした方が伝わりやすい」と言われたことがあるのを今思い出しました。

トクガワ
なるほど。それがアスカさんの中で習慣化されて、話し始めるときに顔を前に出すと言うことに繋がっていたわけですね。でもそれについては今のアスカさんにはもう必要ないことなので、手放してしまって構いませんし、それよりももっと役に立つ方法があるわけですからね。

アスカさん
「息を上方向に向かって吐き出す」ということですね。

トクガワ
そうです。今度の講座、アスカさん1人でもできそうですか?

アスカさん
はい!試してみます!!

トクガワ
報告、楽しみにしてますね!

今回のレッスンについての解説はこちら

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