「相手の印象に残らない」と悩んでいる男性とのレッスン
20代後半のITエンジニア、おさむさん(仮名)がレッスンに来てくださったときのことでした。

おさむさんは、こんな悩みや望みを持っていました。
・話すこと自体は苦手ではない
・「内容が入ってこない」と言われる
・「そつなく話せているけど印象に残らない」と言われる

トクガワ
こんにちは、トクガワです。レッスンに来てくださってありがとうございます。

おさむさん
よろしくお願いします。

トクガワ
おさむさんは、どんなことに興味があってレッスンに来てくださったのですか?

おさむさん
人前で話すことは割と得意な方なんですけど、ちょっと悩んでいることがありまして・・・

トクガワ
どんなことですか?

おさむさん
チームの発表とかで話す時やミーティングで話すときがあるのですが、上司から「あまり内容が入ってこない」とか「そつなく話せてはいるんだけど印象に残らない」と言われるんです。

トクガワ
そうですか。おさむさんとしては、上手く話せている様な気はしていますか?

おさむさん
はい。私としては言葉に詰まることもなく、よどみなく話せていると思っています。

トクガワ
上司の印象はおさむさんの感想とは違うわけですね。「内容が入ってこない」とか「印象に残らない」という感想をもらうわけですね。

おさむさん
はい、そうなんです。自分では話すことには問題ないと思っているんですが・・・なので、それをどうにかしたいと思っています。

トクガワ
わかりました。それでは、まずはおさむさんが話している時にどんな風に話しているかを見せていただけませんか?

おさむさん
いつも通りに話せばいいんでしょうか?

トクガワ
そうですね。できれば、チームの発表やミーティングで話している時と同じように話して欲しいです。
おさむさんは上手く話せているけど上司には「印象に残らない」というフィードバックをもらうことが多いということなので、まずはどんな風にお話をされているかを見せていただきたいのです。

おさむさん
わかりました。ちょうどこの前発表したばかりなので、それをやってみればいいですね。

トクガワ
はい、お願いします。おさむさんのタイミングで始めてくださいね。

おさむさん
わかりました。
皆さんこんにちは。全クールの活動内容について、担当の山下おさむから報告をさせていただきます。まず始めに、活動実績の報告です。お配りしている資料の2ページ目をご覧ください。

トクガワ
はい、ありがとうございます。

おさむさん
これだけでいいのでしょうか?

トクガワ
はい、まずはここまでを今回のレッスンのテーマに取り上げてみましょう。
今お話してみて、おさむさんご自身としてはどんな印象をもったかとか、感想を教えていただけませんか?

おさむさん
そうですね。こないだやった内容でもありますし、いつもと変わらずに話せているとは思います。

トクガワ
ありがとうございます。こんな風におさむさんが話していると上司からは「印象に残らない」というコメントをもらうわけですね。

おさむさん
そうなんです。今のもきっとそう言われるような気がします。

トクガワ
なるほど。わかりました。
1つ質問してもいいですか?

おさむさん
はい、なんでしょうか?

トクガワ
今、おさむさんがお話していただいたとき、どんなことを考えてお話されていましたか?

おさむさん
えっと・・・そうですね・・・

トクガワ
もし意識していたことや考えていたことがなければ、それでも構いませんよ。

おさむさん
そう言われると、特に意識していたことや考えていたことはないですね。

トクガワ
わかりました。正直に教えていただいてありがとうございます。
ではおさむさんが声を出すことについて少し掘り下げて考えてみましょうか。
おさむさんが話す時、カラダではどんなことが起きていると思いますか?

おさむさん
えっと・・・あまり考えたことがないですね。
話す内容を思い出しながら、それを声に出しています・・・かね。

トクガワ
ありがとうございます。今仰っていただいたことのうち「声に出す」ということを取り上げてみましょう。
声に出すとき、おさむさんのカラダではどんなことが起きているでしょうか?

おさむさん
うーん・・・声を出すには息を吐いていると思います。

トクガワ
そうですね。息を吐かなければ声は出せないですよね。
では、息を吐く時にはカラダではどんなことが起きていますか?

おさむさん
そうですね・・・よくお腹から声を出すということを聞くのでお腹で押し出していると思います。

トクガワ
そうですね。「お腹から声を出す」ということについては疑問がありますが、息を吐くためにはお腹で押し出しているわけですね。
では、お腹のどこで押し出しているんでしょうか?

おさむさん
腹筋・・・ですか?

トクガワ
おさむさんが腹筋を使って息を押し出すとき、お腹のどの部分が働いていると思いますか?

おさむさん
腹筋なので前側ですよね?

トクガワ
おさむさんのように前側を使って息を押し出そうとがんばっている方をよく見かけるのですが、実はそれだけでは不十分なのです。一般的に腹筋と言われている腹直筋は前側しかカバーしていないわけですね。でもお腹には横側をカバーしている筋肉もあります。前側だけを使うよりも、横側をぐるっとカバーしている筋肉を使った方が効率よく息を押し出すことができます。

おさむさん
お腹の横側を使うというわけですね。

トクガワ
そうですね。横側と言うよりもお腹を360度使う方がいいですね。

おさむさん
全方向からというイメージですね。

トクガワ
そうです。そのイメージはいいですね!
では、お腹の全方向を使って息を押し出すことを意識ながらもう一度さっきと同じ内容を話してみてもらえませんか?

おさむさん
わかりました。お腹の全方向を使って息を押し出す・・・
皆さんこんにちは。全クールの活動内容について、担当の山下おさむから報告をさせていただきます。まず始めに、活動実績の報告です。お配りしている資料の2ページ目をご覧ください。

トクガワ
ありがとうございます。さっきと比べて、何か違いはありましたか?

おさむさん
さっきよりも声が出しやすくなりました。それと、余計な力が脱けたというか、ラクになった気がします。

トクガワ
いいですね。ではカラダで起きていることをもう少し詳しく見ていきましょう。
お腹の全方向を使うと、お腹の空間が狭くなって押し上げられます。そうすると横隔膜が押し上げられるので肺から息が出ていくわけですね。

おさむさん
あ、お腹からは息は出ていないんですね。

トクガワ
そうですね。息が出入りするのは肺です。

おさむさん
たしか「腹から声を出す」というのを聞いたことがあるのですが、それってどういう意味なんでしょうか?

トクガワ
実は私もそのことはよく分からないんです。お腹から声は出ませんからね。だからそのことは忘れてもいいと思いますよ。
それよりも大切なのは、カラダの構造に沿って使うことなので、構造に反した使い方はしなくてもいいと思います。

おさむさん
お腹から声をが出ているわけではないのに、お腹から声を出すことはカラダの構造に反しているということですか?

トクガワ
そうですね。試しにお腹から声を出してみましょうか。さっきと同じ内容を、今度はお腹から声を出すようにしながら話してみてもらえませんか?

おさむさん
お腹から声を出しながら・・・
皆さんこんにちは。全クールの活動内容について、担当の山下おさむから報告をさせていただきます。あ、さっきよりツラいですね。

トクガワ
いい気づきですね。どうしてツラいと感じましたか?

おさむさん
お腹をギュッとして力を入れているような気がします。

トクガワ
声を出すことについては何か違いがありましたか?

おさむさん
そうですね・・・さっきより出しづらくなったような気がします。声が出ていないというか・・・

トクガワ
ありがとうございます。違いに気づかれるのはとてもいいことですね。

おさむさん
どちらもお腹を意識したことには変わりないと思うのですが、なぜこんな違いが起きるんですか?「お腹の全方向を使って息を押し出すこと」と「お腹から声を出すこと」って同じような気がするのですが・・・

トクガワ
後者はカラダの構造に反した使い方だからです。実際に声が出ているのはお腹ではありません。肺から押し出された息がカラダの外に出て行く時に、声帯ヒダの隙間が閉じて、声帯ヒダに息がぶつかります。こうすることで音が生まれます。そして口や舌などで整えられて声になります。

おさむさん
声帯って喉にあるものですよね?

トクガワ
そうですね。だから「お腹から声を出す」というのは私たちのカラダでは起こりえないことなのです。

おさむさん
なるほど・・・それがカラダの構造に反したことなんですね。

トクガワ
はい。そうですね。構造に反した使い方をすると、機能が制限されたり邪魔されたりして本来の性能を発揮することはできません。それは当然ですよね。

おさむさん
構造に反した使い方をしないためにはどうすればいいんですか?

トクガワ
私はそのためにプロセスを考えることをオススメします。

おさむさん
プロセス・・・ですか?

トクガワ
はい。例えば、さっきやっていただいた「お腹の全方向を使って息を押し出す」ということもその1つです。声を出すというのはカラダである一連の動きが起きた結果で起きることです。だからおさむさんが声を出すために、カラダでどんなことが起きているのか、その一連のプロセスを丁寧に考えてみて欲しいのです。

おさむさん
プロセスですか・・・考えたことなかったです。

トクガワ
そうですよね。プロセスなんか考えなくても声を出すことはできますからね。
でもプロセスを丁寧に考えてみると、その中にどれだけ無駄な動きや余計な動きが含まれているかに気付くことができるようになります。
その無駄な動きや余計な動きが、おさむさんの発声を邪魔している場合がおおいですね。

おさむさん
「印象に残らない」と言われるのはそこに原因があるのですか?

トクガワ
はい、私はそう考えています。ただし、今のおさむさんが「間違ったことをしている」ということではないことを先にお伝えしています。

おさむさん
私は間違ったことをしていない、ということですか?

トクガワ
はい、そうです。今のおさむさんはこれまで学んで来たことや体験したことをベースにしてさまざまなことを身につけているはずです。その中でベストなことを使っているはずなんです。だから、そのことにおいては「間違っている」とか「正しい」とかはそもそも存在しないんです。

おさむさん
私はベストを尽くしている、ということですね。

トクガワ
はい。そんな状況で「印象に残らない」と言われることで、今のベストをアップデートする必要があると感じているわけです。だから私のレッスンに来てくださったんだと思います。

おさむさん
「今のベストをアップデートする」っていい表現ですね。

トクガワ
気に入っていただけて嬉しいです。私がこんなお話をするのは「間違っている」と考えてしまうと自分のことを否定しはじめることがおきるからです。その思考がカラダの動きに影響を与えてしまい、発声などのカラダの機能に影響を与えてしまうんですね。

おさむさん
だから「間違っている」も「正しい」もないわけですね。

トクガワ
はい。「私は間違ったことをしている」と思った時点でカラダが固まってしまうので、その状況でどんな提案をしても効果はないんですよ。

おさむさん
私は今自分のベストを尽くしていて、それをアップデートしに来たと考えればいいわけですね。

トクガワ
はい。そうです。試しに、さっきと同じことを話してみてもらってもいいですか?

おさむさん
今ですか?

トクガワ
はい。どんな変化が起こるか、実験です。

おさむさん
わかりました。
皆さんこんにちは。全クールの活動内容について、担当の山下おさむから報告をさせていただきます。

トクガワ
ありがとうございます。何か気付くことはありましたか?

おさむさん
なんでしょう・・・さっきよりも声が楽に出せたというか、スッと出たというか・・・そんな気がしました。

トクガワ
ありがとうございます。私も同じ印象を受けました。
たったこれだけのことなのに変化が起きるわけですね。

おさむさん
本当ですね。

トクガワ
カラダの動きと思考の動きは非常に密接に影響していますからね。
さて、発声というプロセスのお話に戻りましょう。
お腹の全方向を使って肺から息を押し出したら、その息は上方向に押し出されていきますよね。その後、声が出るまでにはどんなことが起きると思いますか?

おさむさん
声帯が振動している・・・でしょうか?

トクガワ
そうですね。では声帯はどうやったら振動しているんでしょうか?

おさむさん
息が当たって・・・ですかね?

トクガワ
そうですね。でも私たちは声を出さずに息を吐くこともできますよね?
このときは何が起きているんでしょうか?

おさむさん
このときは声帯が振動していないと思います。

トクガワ
そうですね。では声帯を振動させたり、振動させなかったりすることができるのはどうしてでしょうか?

おさむさん
えっと・・・声帯が動かないから?

トクガワ
息が当たっても声帯が動かないということですか?

おさむさん
でも息が当たるということは声が出るような・・・

トクガワ
そうですね。息が当たるということは少なからず声は出るでしょう。声を出さずに息を出している時はどんなことがことが起きているんでしょうね?

おさむさん
うーん・・・わからないです。

トクガワ
声を出さずに息を吐く時は開いています。

おさむさん
開いている?

トクガワ
はい。声帯のスキマが開いています。声帯のスキマというか、声門が開いていると言ったほうがいいかもしれません。

おさむさん
そういえば、声帯が開くとか閉じるとか聞いたことがあります。

トクガワ
そうですね。実は私は声帯をいう言葉をつかうのは誤解を招く原因になると考えているのであまり使いたくありません、だからちょっと言葉の解説をさせていただきますね。
声門とは左右の声帯ヒダのスキマのことです。息を吐いているときにこの声帯ヒダのスキマが閉じられたなら、息が声帯ヒダにぶつかり音が生まれます。それが舌や口で整えられて声になるわけですね。

おさむさん
声帯と声帯ヒダは違うんですか?

トクガワ
私の解釈ですが、声帯という言葉はどこか特定の場所や部位を指している言葉ではありません。だからこの言葉を使うことで曖昧なまま話が進んでしまうんですね。さらに悪いことに、声帯という言葉が指しているものが人にとって違うのです。だから私はその誤解を招くようなことが起こらないように、解剖学の用語を使うようにしています。だから「声帯を開くとか閉じる」とは言わずに「声帯ヒダのスキマを開くとか閉じる」と言うような表現をしています。

おさむさん
なるほど。確かに声帯って言われると何のことを言っているのかわかりませんでした。

トクガワ
カラダのことに関する知識がより具体的になればなるほど、繊細な動きが可能になっていきますから、できる限り知っておく方がいいですよ。
さて、息を吐いているときにこの声帯ヒダのスキマを閉じると音が生まれるわけですね。音は空気の振動ですから、肺から息を押し出した流れに乗ってそのまま進んでいきます。そして口から外にでていくわけですね。

おさむさん
言われてみれば納得できますし当たり前のことだと思っていたんですけど、言われるまで考えたこともなかったです。

トクガワ
そうですよね。この一連のプロセスはカラダが勝手にやってくれますから、考えなくても声を出すことはできるんですよね。でも考えなければ、いつも同じプロセスを使うことになります。それが習慣なのですが、習慣通りに使っているからで何か困っていることがあったり、望んでいることが上手く行かなかったりするわけですね。

だからいつもよりもさらにプロセスを繊細に考えて、それを実行する必要があるんです。

おさむさん
なるほど・・・言葉で聞くと簡単に聞こえますけど、難しそうですね。

トクガワ
そうですね。言い換えれば習慣を変えることですから、継続して取り組む必要があります。でも取り組めば確実に成果は上げられますよ。
試しにおさむさんもやってみますか?

おさむさん
はい、やってみます。

トクガワ
おさむさんは「お話が相手の印象に残らない」ということについてなんとかしたいんですよね?

おさむさん
はい、そうです。

トクガワ
もう一度さっきと同じことを話してみてもらいたいのですが、今度は今お話した発声のプロセスをできるだけたくさん意識しながら話してみもらえませんか?

おさむさん
たくさんあり過ぎてできるかどうかわからないですが・・・

トクガワ
それで構いませんよ。「できるかどうか?」は全く重要ではなくて、「どのようにやるか?」のほうに重点を置いて欲しいのです。もし心配なら、話し始める前に一連のプロセスを口に出して見てから話してみてください。

おさむさん
わかりました、やってみます。
えっと・・・お腹の全方向を使って肺から息を押し出して・・・その息が声帯ヒダのスキマを通るときに、そのスキマが閉じるので息が声帯ヒダにあたって音が生まれて、そのまま息の流れとともに口から出ていく・・・と。
皆さんこんにちは。全クールの活動内容について、担当の山下おさむから報告をさせていただきます。

トクガワ
どうでしたか?さっきと比べて何か違いはありましたか?

おさむさん
えっと・・・言葉にするのが難しいんですけど、確かに違いました。
落ち着いて話すことができたし・・・何て言うんでしょう?お腹から声が出ているというか・・・あ、でもお腹から声は出ないのか。芯があるって言うんですかね?

トクガワ
ありがとうございます。そうですね。私も芯がある声に感じました。きっとこちらの方が相手が受け取る印象は強いと思います。

おさむさん
でも特に何かやったわけでもないんですが、どうしてこんな風に変わるんでしょうか?

トクガワ
「特別な何かをした」という実感はないはずです。特にお腹を使ったとか喉を使ったというようなフィードバックはないでしょうから。
でもおさむさんがしていたことは確実にあります。

おさむさん
どんなことでしょうか?

トクガワ
これがプロセスを意識するということです。今まではおさむさんの習慣でやっていた「話す」ということを、カラダで起こっていることを丁寧に考えて、そのプロセスに沿った使い方をするように意識しただけです。

おさむさん
たったそれだけでこんなに変わるものなんですか?

トクガワ
はい。使い方は機能に影響しますからね。つまり、雑な使い方をすれば機能の質は低下します。その反対に、丁寧な使い方をすれば機能の質は向上します。
それって特に不思議なことではなくて、当たり前のことだと思いませんか?

おさむさん
確かにそうですね。自分のことについて考えたことなかったです。

トクガワ
そうですよね。9割の人は自分の使い方について考えることなんてありませんからね。ぶっちゃけ、考えなくても生きていくことはできますし、人間は面倒なことや余計なことを考えたくない生き物なので仕方ありませんけどね。

おさむさん
なるほど・・・もう一度やってみてもいいですか?

トクガワ
いいですね。ぜひやってみてください。

おさむさん
皆さんこんにちは。全クールの活動内容について、担当の山下おさむから報告をさせていただきます。

トクガワ
今度はどうですか?

おさむさん
うーん、さっきの方が良かったような気がします。また前のように戻ってしまったかも・・・。

トクガワ
今、話し始めるときにはプロセスのことを考えていましたか?

おさむさん
あ、考えていませんでした。

トクガワ
では今度は声に出さなくてもいいので、さっきと同じようにプロセスを丁寧に考えてから話してみてください。

おさむさん
・・・・(おさむさん、プロセスを考えている)
皆さんこんにちは。全クールの活動内容について、担当の山下おさむから報告をさせていただきます。あ、できました。

トクガワ
私もそう感じました。

おさむさん
たったこれだけのことなのに、なんでこんなに変化があるんでしょうか?

トクガワ
なぜだと思いますか?

おさむさん
うーん・・・さっきと違うのはプロセスを考えたかどうかだけですよね?

トクガワ
はい。

おさむさん
それだけでこんな違いがあるんですか?

トクガワ
そうですね。さっきおさむさんが話してくれたのはプロセスを考えていないとき、つまり今までの習慣通りに声を出す方法ですね。そして今やってくれたのはプロセスを考えて話してくれました。つまり、これまでの習慣とは違う新しい使い方をしたわけですね。

おさむさん
新しい使い方ですか?

トクガワ
はい。すべての人は習慣通りの使い方というのはこれまでの生活や経験を通じて身につけたことなのですが、実はこの中にはカラダの構造に反した使い方が含まれています。例えば、さっき話に出てきた「お腹から声を出す」というようなことも構造に反した使い方の1つですね。

おさむさん
確かに、お腹から声を出してみると、声が出しづらくなりました。

トクガワ
そうですね。おさむさんが体験したとおり、カラダの構造に反した使い方をすると、カラダの機能を阻害してしまうのです。

おさむさん
そうなんですか?

トクガワ
カラダのことだけではなくって、世の中のものってすべてそうじゃないですか?
構造に無視した使い方や取り扱いをすると、本来の性能を発揮できなかったり壊してしまったりしますよね?

おさむさん
確かにそうですね。

トクガワ
だからカラダについてもカラダの構造に沿った使い方をした方がいいんです。でも私たちはそれについて十分な知識を持ち合わせていないので、構造に反した使い方をしているかどうかすら知らないのです。

おさむさん
それが習慣通りの使い方、というわけですか?

トクガワ
はい、その通りです。習慣通りの使い方をしているので気付かないのですが、カラダの構造を邪魔する使い方がすでに含まれているわけなんです。でもプロセスを考え、それを実行するということでカラダの構造を邪魔する使い方が入り込む余地がないのです。

おさむさん
だからこれだけのことで変化するわけですね。

トクガワ
そうですね。それが「もう一度やってみてもいいですか?」と言った直後に話してくれたおさむさんと、もう一度プロセスを考えて話してくれたおさむさんの違いを生んだのです。

おさむさん
なるほど・・・

トクガワ
今回取り上げたのは「発声のプロセスをどれだけ丁寧に考えるか?」です。
たったこれだけのことですが、確実に声は変わります。
プロセスを丁寧に扱うことに意識を向けるなら、それ以外の余計な要素が入り込む余地がないのでカラダの使い方は確実に変わるわけですね。

おさむさん
だから声が変わるというわけですね?

トクガワ
そうですね。声は「カラダの使い方」と「ココロの使い方」の結果ですからね。
なので、今度発表がある時はぜひプロセスを丁寧に考えてみて話してみてください。

おさむさん
はい、ぜひやってみたいと思います。ありがとうございます。

トクガワ
ありがとうございました。

今回のレッスンについての解説はこちら

あわせて読んでおくと更に効果的です!

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