こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。
電話対応や業務連絡、そして何気ない雑談まで。
どんな仕事でも、絶対に欠かせない会話。
どんなに仕事をそつなくこなしていても、会話の中で緊張して声が震えてしまうと、自信がなさそうに見えたり、頼りない感じがしてしまったりします。
緊張や声の震えから解放されて、仕事のストレスを軽減したいですよね。
今回は、声が震えてしまう原因と、改善のためのアプローチをご紹介します。
声の震えを解消して、堂々とした声で会話ができるようになれば、きっとお仕事ももっとはかどりますよ!
・緊張すると声が震える原因
・やってしまいがちな間違った対処法
・明日から試せる震える声から脱却するためのアプローチ
なぜ緊張すると声が震えるのか?
緊張すると声が震えてしまうのは、緊張があなたのカラダの動きを制限してしまっているからです。
人間のココロとカラダは密接な関係にあります。
目上の人や知らない人と話すとき、大勢の人の前に立つとき、こわい上司に電話を掛けるとき。
あなたのココロが緊張している場面では、必ずカラダも、緊張してこわばってしまい、自由に動くことができなくなっているのです。
カラダの動きが制限され、発声するための器官も本来の動きができなくなってしまうと、いつも通りの声が出せなくなってしまい、声が震えてしまう原因になります。
カラダは声を出すための楽器のようなもの。
声を出すために必要な動きができない状態では、本来のあなたの声を出すことができません。
間違った対処法
自信がないように見えたり、心配されてしまう原因になってしまったりする「声の震え」
「声の震えを止めたい!」と思って、とっさにとった行動や対処法は、もしかしたら間違っているかもしれません。
また、よく言われる「経験が足りないから場数を踏んで慣れよう」という対処法も、あまりいいとは言えません。
そもそも声が震えてしまうということは、あなたがその場所や状況に恐怖や不安を感じているということ。
ただやみくもに回数を重ねるだけという方法は、一歩間違うと恐怖心を育ててしまい、声の震えや緊張をさらに悪化させてしまう恐れがあるのです。
同じくよく提案されがちな、ボイトレなどのトレーニングや発声練習を行うという対処法も、的外れです。
練習やトレーニングが足りなくて、声が震えているわけではありません。
不安なことや、苦手なことに取り組むときに緊張するのは人間の防御システムの一つで、ごくごく自然な反応です。
そんな緊張からくる震えを解消したいのに、緊張していない状態のトレーニングをいくら重ねても、効果は期待できませんよね。
まずは、声の震えの根本的な原因から探っていく必要があります。
緊張で声が震えたときの対処法
さっきはよくやってしまいがちな間違った対処法を紹介しましたが、声が震えた時に効果的な対処法にはどんなものがあるのでしょうか。
ここからは、明日からでも実践できる対処法を3つ、紹介していきます。
カラダの動きを変えてみよう!
まずは、こわばってしまうカラダの動きを変えてみることから始めてみましょう。
先ほども少し触れましたが、緊張すると体がこわばってしまい、固めよう固めようとしてしまいます。
このことが、声が震える大きな原因になってしまうのです。
カラダのこわばりを解消し、声の震えをなくすには、この「カラダを固めようとする動き」を変えることが大切です。
固めようとしているカラダの無意識な動きに対して、反対のことが起きるように意識的にカラダを動かしてみましょう。
大きな動きなくてよいので、ほんの少し、意識的にカラダを動かすことで、カラダ全体の動きが変化し、固まったりこわばったりするのを解消することができます。
では具体的に、どんなふうに動かせばよいのでしょうか。
まずはここから意識して欲しい!というポイントは、E-Bookにまとめていますので読んでみてください。
意識的に息をほんの少し多めに使ってみよう!
次は、意識して息を多めに使ってみましょう。
無理やりたくさん使わなくても大丈夫です。
ほんの少しだけ普段より多めを意識してみてください。
実は、緊張している時のあなたの呼吸はとっても浅くなっています。
これも、あなたのカラダの動きや働きを制限する一つの原因です。
人間には、カラダの働きをコントロールしてくれる「自律神経」が備わっています。
自律神経にはカラダを活発に活動させる「交感神経」とリラックスモードにさせる「副交感神経」の2つの種類があります。
この2つが、活動と休息を促し、私たちの活動を支えてくれているのです。
緊張をしている時、呼吸が浅くなっているときは、この2つのうち「交感神経」が優位に働き、カラダは臨戦態勢か防衛モードに切り替わっていきます。
自分の身を守ろう、という力がカラダに働くのですね。
しかし、身を守ろうとする動きは、カラダを固める動きにつながってしまい、結果的に発声の邪魔をしてしまいます。
一方で、深い呼吸ができている時は、「副交感神経」が優位になっていて、カラダは安心・安全モード、リラックスモードになっています。
この「安心・安全モード」を意識的に引き出してみるのが、このアプローチです。
意識して息を多めに使い、浅くなってしまっている呼吸を深い呼吸に近づけることで、防衛モードから安心・安全モードに少しずつ切り替えてみてください。
無理やり深呼吸をするのは逆効果。
ほんの少しずつでいいので、いつもより息を多く使うことを意識してみましょう。
「緊張しなくてもいい」「戦わなくてもいい」と、カラダを緊張から解いてあげることができます。
今までの習慣を新しいプロセスで上書きしていこう!
ここまで2つの効果的なアプローチを紹介しましたが、一度試しただけではすべてを解決することはできません。
「緊張して声が震えてしまう」という反応は、すでにあなたの中に、習慣や癖として組み込まれてしまっています。
いつも無意識に行っていることなので、意識しなくても楽に緊張できてしまうのです。
例えば、引っ越しをしたばかりの時、引っ越したことは分かっていても、つい癖で前住んで家の方向へ帰ろうとしてしまった経験はありませんか?
これは、目的地から家まで帰る行為が習慣化されてしまっているからです。
カラダや脳は、慣れ親しんだ反応や楽にできる反応を好むようにできています。
まだ慣れない新しいアプローチは、無意識に行ってしまう習慣化された反応にはどうしてもかなわないのです。
「緊張する」という習慣をなくすための対処方法はひとつだけ。
新しい習慣を作ることです。
例えば、緊張とセットで「息が浅くなる習慣」があるのであれば、それに対して、「少し多めに息を吐く」という習慣を上書きしていきます。
意識していないといつもどおりの「息が浅い習慣」が出てきてしまうので、意識的に多めに息を使ってみましょう。
時間はかかりますが、続けていれば新しい習慣として上書きされ、息を多めに使うことができるようになります。
そしてその中で、声の震えがマシになったり、カラダのこわばりに気づけたりと、少しずつ変化が生まれてくるはずです。
わずかな変化でも、小さな成功体験を積み重ねていくことで、余裕や自信につながっていきます。
あなたが少しでも、今の状況を改善したいと考えているなら、まずはあなたの緊張はどこから来ているのか、そしてその時に行っていることは何なのかを知ること。
そしてその都合の悪い習慣を新しい習慣で上書きすることが大切です。
少しずつ、意識的にアプローチを行い続けることで、必ず改善への糸口が見えてきます。
まとめ
あなたの声の震えは、緊張からくるカラダのこわばりが原因です。
カラダの自由な動きが制限され、自由で健やかな発声ができなくなってしまっています。
「緊張しないようにしよう」といってもなかなか難しいですし、根本的な解決になりません。
まずは、あなた自身のことにしっかりと目を向けて、観察して、今回紹介した対処法を少しずつ試してみてください。
一度にすべてを解決することはできません。
焦らずゆっくり、時間をかけてあなたの習慣を新しく有意義なものに上書きしていきましょう。
必ず、声の震えから解放されて、自信をもって話すことができるようになるはずですよ。