声優やナレーターを目指す人に気をつけて欲しい3つの勘違い

こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。

 

4月から新生活のスタートして1ヶ月半、5月病になってしまった方も徐々に回復してきている頃だと思います。人間の適応力ってスゴいですよね。

毎年この時期になると私も上京してきたときのことを思い出します。

もう10年以上前のこと。声の仕事がしたいという夢が諦めきれず、3年続けたの社会人生活に幕を下ろして東京に来ました。高田馬場にある某声優学校に通うためにね。

だから高田馬場駅に密かな愛情を持っています。っていっても、ここ数年は乗換でしか使ってないけどw

 

さて、今回は今年から声優学校や養成所に入って、声の仕事をするための勉強をスタートしたばかりの方にお届けします。

もしあなたが勉強し始めて何年か経っているとしても無関係ではないですよ。今のあなたの状況を見直すために役に立つかもしれません。

 

もっと上手くなりたい!と思ったら要注意!!

声優学校や養成所に入ると、さまざまなことを学びます。発声練習とか滑舌の練習、呼吸のことなどまずは基礎から始まります。そして、演技とか台本読みなど表現に関することも学ぶことになるでしょう。それ以外にも先生やクラスメート、先輩・後輩との人間関係についても経験を通じて学んでいきます。

初めの頃は慣れない勉強で一生懸命になっているかもしれません。今では上手くできない早口言葉や呼吸(*)があったとしても心配しないでください。少しずつ慣れてくると、自然にできるようになってきます。

*あえて「腹式呼吸」ではなく「呼吸」と書いています。無理に腹式呼吸にこだわらなくていいですからね。その理由は【腹式呼吸で気をつけておきたい3つのポイント】を読んでみてください。

 

遠くないうちに、自分でも上達しているのが心配しなくてもわかるようになってきます。

するとね、自然にこんな欲求が生まれてくるわけです。

もっと上手くなりたい!

内側から沸き起こるこの気持ちはとても素晴らしいモノで、あなたのモチベーションに繋がります。だから大切にして欲しいんです。

でもね、多くの人は今のままじゃどこかで底なし沼に落ちます。。。

なぜかというと、あなたの学びに対する姿勢があなたが上手くなることを邪魔してしまうのです。

例に漏れず、私も落ちましたよー。沼に。次から次へとね・・・w

沼から上がるためのきっかけを掴むのに何年かかったことか。

もし、きっかけを掴めていなかったとしたら、きっと実家に帰って一般企業に再就職して、一般社会に復帰していることでしょう。それもまぁ人生ですよね。

今こうして、声に関する仕事をできていることは非常にありがたく思います。

なので私の経験が少しでも誰かのお役に立てるといいなと思います。

 

上手くなりたい人がハマりやすい勘違い

専門学校や養成所で学ぶと言うことは、集団の中で学ぶということです。

これまでの義務教育や高等教育も集団での学びですけどね、評価軸が全く変わってくるわけです。

主な教育の現場では相対評価ですけど、仕事の世界では、個性や特徴が寄り武器として見なされる絶対評価になります。どれだけ滑舌がスラスラで噛まないことに定評がある人でも、しょっちゅう噛むことが味になる人なら後者の人の方が重宝されるわけ。

こんな環境で学び続けていると、いろいろな勘違いが起きるわけです。

私も実際、そうでした。「ウマくなりたい」という気持ちを持ち続けることがいいことだと思っていたのですが、実はそれが私の学びを邪魔していたんです。それだけでなく、悩む → ヘコむ → 悩む → ヘコむ → ・・・の無限ループに連れて行ってくれたのです!!

これから学びをはじめたあなたには、できればそうなって欲しくないです。なぜかというと、そんな状況に陥ってしまうと多くの人は自分だけでは抜け出せなくなるから。

「私は、頼れる友人や先生がいるから大丈夫。相談できるもん」と思っているあなた!!

友人や先生に相談するっていうのは一番危険ですよ。理由は後で書きます。
さて、無限ループに陥りやすい大きな勘違いを3つ挙げましょう。

優等生タイプ

いわゆる「誉められて伸びるタイプ」とも言えるでしょう。

クラスやグループの中で、中心的な存在だったり、先生から何かと誉められたりしている人っていません?

もしあなたが自分に当てはまるのであれば、要注意です。

初めのうちはいいんです。先生に誉められることが嬉しくて、それが練習を続けたり上達のモチベーションになるから。

でも、ある程度のレベルまで上がるとレベルアップのスピードは遅くなります。自分で変化や上達を体験できなくなるんです。実は、少しずつ少しずつ、これまでの実力と新しい知識を統合しながら変化しているんですが、スタート時と比べるとレベルアップのスピードが遅くなるんです。

ドラクエなどのRPGでも一緒ですよね。序盤はサクサクレベルが上がっていきますけど、中盤にさしかかると、次のレベルに上がるためにはたくさんの経験値を手に入れなければなりません。これと一緒。

でね、先生に誉められる機会も減ってくるわけです。すると色んなことに焦りはじめます。「自分は上手くなっていないんじゃないか?」「先生に見放されたんじゃないか?」とか余計なことを考えるようになってしまいます。

そしてある時、日々の練習の目的が変わってしまいます。「先生に誉められるために練習する」ようになってしまうんです。

自分のための練習ではなくて、先生のための練習になってしまうんです。

先生に言われた通りにやる、先生に嫌われるような表現をしないように、練習の目的がとんでもない方角に向かって行ってしまいます

ついには、自分で考えたり工夫するという能力が奪われていきます

そうするともれなくこんな沼にハマることができます。

先生からアドバイスをもらう → 先生の言うとおりやる → 先生の期待を超えられない → 先生から別のアドバイスをもらう → 言うとおりにやる → 先生の期待にさらに超えられない・・・っていう無限ループ。

ハムスターが輪っかの中をクルクルと走り続けているようなモノです。

真面目

優等生タイプと似ているかもしれいないのがこのタイプ。真面目タイプ。

例えば、先生の言うことを信じて、真摯に向き合い、それに努力を惜しまない人

一見、「真面目のどこがダメなの?」と思うかもしれません。ダメじゃないですよ。真面目なのはとってもいいことだと思います。

ただね、注意して欲しいのが「先生の言われたことだけしか見ない」ことです。

先生に言われたことに真摯に向き合い、努力して取り組むことはできるんですけど、それ以外のことは見向きもしない。

初めの頃は先生もたくさんアドバイスをくれるので、言われたことをやっているだけで上達もしていきます。でもある時から成長がストップします。うまくなるために大切なものが抜け落ちてしまっているからです。

このタイプの多くの人は「自分で考える」ことをしないんです。だって、先生に言われたことを真剣に取り組むのに忙しいから。

自分で考えることがなぜ必要かというとね、先生も人間だと言うことを考えれば分かるんじゃないでしょうか。

先生も万能ではありませんので、全ての状況に対応できる人はいません。例えばね、20人の生徒がいたとしたら、20通りの得手不得手やキャラクターがあるわけです。当然、先生にも得意な分野と得意でない分野があります。人間だもの。

あなたがうまくなるために必要としていることが、先生の得意としている分野のことなのか、それとも先生の得意でない分野なのかはわからないのです。

「私はそれは得意分野じゃないからこれは○○先生に聞いて」と言ってくれる先生ならいいのですが、責任感やプライドからなかなかそう言えない先生がいることも事実です。得意分野でもないことを一生懸命アドバイスしてくれるのは先生の善意。

でもそれが本当にあなたに有効なのかどうかはわからないし、実際に試してみて有効かどうかを判断するのはあなたの仕事なのです。

でも真面目であればあるほど「先生がアドバイスしてくれたこと」への絶対的な信頼を持っているので、自分で考えることもなく鵜呑みにしてしまうんですよね。

すると永遠に指導者を必要としてしまい、養成所やスクールに通っていないと不安になるようになります。そして先生に教わるということを求めるようになってしまいます。

嫌われたくない

3つめの勘違いしやすいタイプが一番根深いかもしれません。

「嫌われたくない」という気持ちは誰しも持っています。私たち、人間だもの。

先にあげた2つの勘違いタイプとあわせて陥りやすいんですよね。

養成所や専門学校のような閉ざされた世界にいるとね、先生は絶対的な存在です。10~20人くらいのクラスにおける権威者。つまり、先生に嫌われてしまうとあなたのクラスでの立場や存在が脅かされる恐れがある・・・と考えてしまいます。

私もそうでした。声優学校の先生に嫌われまいと、色々と悩んだものです。悩んだ事を相談したら「仮面鬱」というありがたい称号をいただきました。そして私は自分が「仮面鬱」だと思い込むようになりました。

で、先生の顔色を見ながら行動するようになりました。つまり行動の基準が自分ではなく他人になってしまったわけ。

でもね、先生に嫌われることがこれから先のキャリアにどれだけ多くの影響を与えるのでしょうか?たかだか大人1人の影響力でどこまであなたの人生を狂わせることができると思いますか?

しかも学校にいる期間なんてたかが数年です。卒業したらほとんど関係ありません。そしてクラスという世界から一歩外へ出ると、あなたの味方はたくさんいるわけです。

だから声優学校や養成所のクラスという小さな村社会での出来事なんてそんなに気にしなくていいんですよ。

あと、これはあるあるらしいのですが、養成所時代は生徒のことをボロクソに言っていた先生が生徒が売れ出した途端手のひらを返したように「あの子は売れると思ってた」って言うらしいですよ。売れると思ってたならその頃からそう言えばいいのに。

 

勘違いはお金も時間も失う

この勘違いにハマると、かなりやっかいです。なかなか抜け出すことができません。

なぜかというと、これらの勘違い状態にハマってしまうと、余計なモノを学んでしまうからなんです。

それは「自分の行動の基準を他人の軸にあわせる」ということです。

私たち人間は集団生活からは逃れられない生き物なので、生きている限り必要な能力でもあります。けど、度が過ぎるととんでもなく危険です。

自分で考えるということをしなくなるからです。

自分で考えると言うことをしなくなると、自分がそんな危険な状況にいることすらわからなくなってしまいます。抜け出す必要がある状況にいるかどうかもわからない。

実はその方が楽チンなのです。自分で考えるという莫大なエネルギーを消費することをしなくても済むんだから。人間って少しでも手を抜くと、楽チンしたくなるんですよね。できるだけエネルギー消費を抑えたいから。

でもね、そうするとエネルギーの代わりにお金と時間を消費していきます

養成所やスクールに通うのもタダではありませんよね。半年で20万円以上かかるところなんてザラです。

卒業しても、自分で考えることをせず誰かの判断に委ねたい人は、誰かの下で学びたがります。だから別の養成所やスクールに通う人が多いんです。そんな状況で「うちに来ればすぐにデビューできるよ」という口車に乗せられて結構な金額のレッスン料を払うことになるかもしれません。

こうして気がつくと5年くらいあっという間。5年前と比べてどんな進歩があったかというと、たいした進歩もないんですよね。

私もね、その事実に気づいたときはかなりヘコみましたよ。

昔、私が教わった演出家の方が「養成所のジプシーだけはゼッタイにするな!」とみんなに言い聞かしていたのも納得できます。

たまに某番組で「声優を夢見てアルバイトしながら頑張ってます」という女の子が取り上げられていることがあるでしょ?その女の子の毎月の支出に「レッスン代 月2万円」とか「ボイトレ代 月3万円」とかあるのを見ると心配になってしまうんです。

私もかつて所属していた事務所のレッスンに何年も通ってましたからね・・・。しかも、そのレッスンに通いながら、さっき挙げた3つの勘違いを全部やってのけましたからねw

だって、誰も教えてくれへんねんもん!!

腹式呼吸とか、そんなどうでもいいこと教える暇があったら、こういったことを教える時間をとった方がよっぽどいいと思うんですけどね。

あ、私は腹式呼吸という言葉は大っ嫌いなんです。その理由は【腹式呼吸の練習で気をつけたい3つのポイント】を読んでいただければわかるでしょう。だってお腹に息は入りませんよ?

 

まぁ、これを信じる信じないもあなたが判断することですけどね。

とにかく、誰かの意見や主義主張に左右されたり相手主体で動くのではなく、あなた自身の意見や判断で行動するための力を今のうちにつけておくといいですよ。

その方がこれからの人生、有利なのは間違いない!!

だって、ネットに山ほどありふれている眉唾物の知識に騙されなくなりますから。もしあなたのクラスメートが怪しい商売の勧誘をしてきても、あなたは断ることができるでしょう。

 

まとめ

声の仕事をやりたくてスタートを切ったばかりの人たちに、今回の記事でお伝えしたかったことは「何が必要かを自分で決める必要がある」ということです。

 

今回のPOINT

・「もっとウマくなりたい」という想いは上達の邪魔になることもある
・上達の邪魔になるケースはタイプによって異なる
・優等生タイプ→先生の指示に忠実に従うことで、自ら考える・工夫する能力を失う
・真面目タイプ→自分に有効かどうかを判断しなくなる
・嫌われたくない→行動の基準が他人になってしまう。自分の基準をもてなくなる
上達には、必要なものを自分で決める能力が必要。それがなければお金も時間も無駄になる

これから学びをはじめたあなたには、できれば私がハマったような底なし沼に足を踏み入れて欲しくない。なぜかというと、そんな状況に陥ってしまうと多くの人は自分だけでは抜け出せなくなるから。

私は、頼れる友人や先生がいるから大丈夫。相談できるもん」と思っているあなた!!

友人や先生に相談するっていうのは一番危険ですよ。それは逆効果です。きっと親身になって話を聞いてくれるでしょうが、彼らの答えには必ずと言っていいほど主観が入ってきますからね。

もしあなたが意図した答えとは違うものが返ってきて、彼らに同意できないと意思表示を使用門なら、彼らは敵となってあなたを攻撃してきます。私も経験ありますけど、まぁひどいです。

これがあなたを振り回すだけでなく、彼らとの人間関係に影響を与える恐れもあります。っていうか、確実に関係性が壊れていきます。

できるなら、第三者的視点で話を聞いてくれる人や相談できる人を見つけておきましょう。そんな人に相談した方が、今あなたがどうすればいいかという答えが見つかりやすいです。

もし自分で考えるためのプロセスやうまくなるためのヒントを知りたい方はLINE@の無料コラムを読んでみてください。

あなたが自分基準で行動するための考え方うまくなるためのヒントをたくさんお届けしています。

 

最後に一言!

これから先、あなたの人生には「自由」という言葉が何度か登場するでしょう。

自由な表現」とか「自由な声」とかね。その言葉の雰囲気と曖昧さに騙されちゃいけませんよ!!

自由というのは「何でもあり」とか「何をしてもいい」という意味ではありません。

自分で決めて選択すること」ですからね。

これ、学びはじめたときに知りたかったなぁ。まぁ、それを教えられる人が周りにいなかったんだから仕方がない。その分、自分で気がつくことができたのでヨシとします^^

そして、その時の自分に「絶対今のうちに読んでおけ!!」と勧めたい1冊。

 

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この4月から声優学校や養成所に通い始めた方は、これ読んでおくといいですよ。

この1冊を読めば、他人の評価を気にすることがどれだけ無駄なことか分かるはずです。

今回紹介した記事はこちら

あわせて読んでおくと更に効果的です!

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