ある方からこんな相談を受けました。
「喉を開くって、どうすればいいかよく分からないんです。今習っている先生に質問したら、そんなことも分からないのか!と叱られてしまいました…」
カラダトリセツにもこんな検索キーワードでたどり着いた方がちらほらおみえなのです。
「喉を開くとか無理」
喉を開くことについて、役立つ情報を探している方がたくさんいそうなので、取り上げてみます。
「喉を開く」とはどういうこと?
先ほど紹介した「喉を開くとか無理」というキーワードで検索されている方に直接お伝えしたい。
その通りです!と。
そうなんです。
喉を開くのは無理なんです。
喉は今以上に開きません。
いきなり結論では身も蓋もないので解説していきますね。
さて、「喉を開く(のどをひらく)」について考えるにあたって、二つのことをクリアにしましょう。
・そもそも喉はどこ?
・何がどうなったら「喉が開いた」状態といえるのか?
まずは、喉がどこを指しているのかをクリアにしてみましょう。
「喉」とはどこなのか?
Wikipediaに、「のど」の用法が記載されているので引用させていただきます。
日本語ののど、喉は、咽喉、咽頭、喉頭を指すほかに、「のど自慢」のように歌声の意味でも用いられる。また、本を綴じる部分の意味もある。
ここには3つの用法があります。
1.咽喉、咽頭、喉頭
2.歌声
3.書籍の綴じている部分
今回の用法としては1.で間違いないですよね。
さて、普段私たちが喉と呼んでいる部分は、実は喉ではありません。解剖学では咽喉という名称があります。
我々がよくお世話になる耳鼻咽喉科にも、咽喉という文字がありますよね。
そして、咽喉は、主に咽頭と喉頭から構成されています。
つまるところ、「喉」という部位は存在しないのです!
なのに、「喉を開け!」とよく指摘されることが多いのははなはだ疑問です。
おそらく、その場合の喉とは喉頭を指しているのかなと思います。
何をもって「喉が開いた」といえるのか
念のため、先生が言う喉とはどこを指しているのかを明らかにしたいですよね・・・
質問したりして確認できるといいのですが、はじめに紹介させていただいた方のように叱られてしまいそうです…(-_-;)
まぁ、そうなった時点で、その方はそれ以上具体的に解説する術をお持ちでないとないと諦めましょう。
仮に、「喉を開け!」というおまじないでいう喉とは、喉頭を指しているのだと仮定しましょう。
そこで二つ目の疑問、「喉頭をひらく」とは、どうすればいいのでしょう?
喉頭が含まれる気道の直径はおよそ15〜25ミリだそうです。(個人差があると思います)
仮に普段の喉頭の直径が17ミリだとしたら、25ミリにすることができれば「喉が開いた」のでしょうか?
「なるほど、喉を開くには喉頭を開けばいいのか!」という声が聞こえてきそうです。
喉を開くことが新たな問題を生む
喉を開くというのが何となくどういうことか見えてきたような気もしますが、ちょっと待ってください。
直径17ミリの円筒形の物体があってその直径を広げるとしたら、どうすればいいのでしょうか?
内側から外側に向かう力が働けば、簡単に広げることはできるでしょう。
でも、喉頭を広げようにも内側から広げるのは無理ですよね?
喉頭にはこびとさんがいて、内側から押し広げてくれるわけでもないですし。
では外側から広げるとしたらどうすればいいでしょうか?
当然、外側から引っ張ればいいのでは?というアイデアが浮かぶでしょう。
例えば円筒の直径を広げるために外壁にアンカーを打ってロープなどくくりつけ、ロープを引っ張れば、円筒の直径は広がります。
果たして、それを喉頭で実現できるでしょうか?
喉頭の外側には甲状軟骨や輪状軟骨があります。
そしてこれらの軟骨には色んな筋肉が付着しています。喉頭懸垂機構ともよばれ、甲状舌骨筋や胸骨甲状筋、輪状咽頭筋などがあります。
構造的にはこの筋肉を引っ張れば喉頭は広がるでしょう。
これらの筋肉は随意筋なので、意識的に引っ張ることが可能なのですが、普段は意識して動かすことはないので神経支配が行き届いていません。
思った通りに動かすことができるまで習熟が必要なため、意図的に喉頭を広げるには厳しい道のりです。
仮に、喉頭を開くことができたとしても、新たな問題が生じるのです。
・筋肉を引っ張るということは力を入れることになる
・そもそも通常のままでも声を出すことはできるのに、なぜ広げる必要があるのか?
これらの問題については【喉を開くことで生じる新たな問題】で詳しく解説しています。
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