こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。
私のレッスンに来てくださる方にも「声を張る」ということで相談に来られる方が多いです。
このサイトに来てくださったあなたも「声を張る」で検索して、そのヒントを探しているわけですよね?
そんなあなたはきっと誰かにこう言われたことありませんか?
「お前、もっと声張れよ!だから○○なんだよ。」
と、いかにも声が理由であなたが○○であるかのように。
それ、実は正解です。
あなたが気づいているかどうかは知りませんが、声って私たちにとってかなり重要ですよ?あなたが思っているよりも、もっとずっと重要です。
声ひとつで相手の印象も変わりますし、人間関係も変わります。ぶっちゃけ、仕事の売上にも影響します。人生でうまくいっている人って、いい声の持ち主が多いんですよね。
せっかくこのサイトに来てくれたあなたにも、「声を張る」ことのヒントだけではなく、それ以上のヒミツをお教えしましょう。
そもそも「声」は「張る」もんじゃない
いきなりですか、グーグル先生に「声を張る」と入力してこのサイトにたどりついた方には誤った認識をぶち壊すところからはじめていただきたい。
そもそも、「声」は「張る」もんじゃないんです。
誰が言ったか分かりませんが、こんな抽象的な表現はさっさとなくなればいい。
もしかすると、あなたは「他のサイトで声を張る方法を見つけて試してみたけれども、うまくいかなかった」とか「声を張ることができてるかどうか分からなくなってしまった」からこのサイトにたどりついたかもしれません。
でもね、「声を張る」方法を探す前に、声がどうやって作られているか調べましたか?
多くの人は自分のカラダの中でどうやって声が作られているかを知りません。
にもかかわらず、上司や先輩に言われた「声を張りなさい」とか、ボイストレーナーに言われた「もっと声張って!」という言葉を鵜呑みにします。めっちゃめちゃ真面目に、それをやろうとします。
真面目に取り組むのはとっても良いことです。私もどちらかというとそっちタイプです。
だから昔、所属していたナレーターの事務所のレッスンで先生に言われた「もっと声張って!」を真面目に受けとって、文字通り、声を張ろうとしていました。
そして文字が読めなくなりました。声を出すことができなくなりました。そのことについての詳しいお話はプロフィールのページに書いているので読んでおいてください。めっちゃ辛かったです。日常会話で声でなくなったらどうしようとまで考えました。
私にもそういう体験があるので、「声を張る」という意味が分からずに困っている人や悩んでいる人の力になりたいんです。
そう、「声を張る」って意味分からないですよね?
もし私は意味分かる!っていう人がいたら説明してください。具体的に何をすればいいんですか???
多くの人はそれを知らずに「声を張りなさい」って言ってます。それが現実なんです。
「声を張る」ってね、誰かに聞こうとしても、その答えを持っている人はほとんどいないんです。
「声を張る」前に発声の仕組みを知るべき
私には、私なりの回答を持っています。「声を張る」ということについてね。
もしあなたがその回答を求めているならぜひこの続きを読んで欲しいところですが、それには必要な事前知識があります。
それは、発声の仕組みを知っておくことです。
この声のトリセツではそれを紹介している記事がたくさんあるので、好きなものから読み進めていただけば自然と発声の知識は身につくでしょう。中でも、次の記事は読むべきです。もしこの記事に書いてあるような知識をあなたが持っているなら、そもそもあなたはこのサイトにはたどりついていないはずですよね?
発声の仕組みについてはこちらに詳しく書いていますので必ず読んでおくことをオススメします。
▶ 声帯の場所はどこ? - 理想的な発声ができる人だけが知る3つのポイント
発声の仕組みをしることをめんどくさがっているとね、私のように声が出せなくなりますよ???
だって、私は発声の仕組みもろくに考えずに、声を張ろうとしていましたから。
「でもそれはトクガワさんの場合でしょ。オレは大丈夫」って思っているようでしたら、あなたはこのままじゃヤバいです。現代の人間は、毎日数時間、発声器官にダメージを与えながら生活をしていますからね。そのうち、多くの人が声に何らかの問題を抱えますよ。その理由は【人間の声はどんどん悪くなる】に書いています。
さて、先に挙げた発声の仕組みについてのこれだけは読んで欲しい記事を読んでいただいたと仮定して、ここでは簡単に発声の仕組みをおさらいしておきます。
その前に、別の例でお伝えしておきますね。私のレッスン『ボイスアクティベーション』でも発声の仕組みを簡単に説明するときはこんなお話をしています。
例えばギター。ギターの音が出る仕組みってご存じですか?
引っかけ問題でも何でもありません、弦が振動して、音がでるわけです。
弦を振動させるためには何が必要でしょうか?
ギターの演奏を見たことがある人や、弾いたことがある人は分かるはずです。「弦を弾くこと」が必要です。例えば、指で弾く、ピックで弾くとかね。ボールペンで弾いても音は出ますよね?またバイオリンだったら弓で圧をかけるわけです。
ギターが音を出すには、弦と弦を振動させる作用が必要です。
ではそれを私たちの人間の発声という仕組みにあてはめてみると、どうでしょう?
・弦の役割は?
・弦を振動させる役割は?
この二つの答え、分かりますか???
これがね、人によって違うんです。
私の答えですが、弦の役割は「声帯ヒダ」、弦を振動させる役割は「呼吸」だと考えています。ちなみに、私はできる限り「声帯」という言葉を使わないようにしています。その理由は【「声帯を鍛える」なんて無駄なこと、いつまでやってるの?】を読んでください。
声帯ヒダに肺から押し出された息がぶつかることで声帯ヒダが振動し、音が発生するわけ。そしてその音が構音器官(口・唇・舌など)によって整えられて、声となってカラダの外に出て行くわけです。
この仕組みを考えずして、どうやって「声を張る」というのでしょうか?
「声を張ることで何が起きて欲しいのか?」考えたことある???
他の人から「もっと声を張りなさい」って言われたから、あなたは「声を張る」方法を調べていることでしょう。
でもね、その時点で大切なことが欠けていることに気づいていますか???
あなたは何のために声を張りたいのでしょう?
はじめの方にも言いましたが、そもそも「声」は「張る」もんじゃありません。声帯ヒダを振動させて音をだすものです。張ろうとしても無駄な努力でしかないんです。だから声を張ろうとして喉を痛めるわけです。
あなたに「声を張れ」と言った人は、あなたに説明するための言葉を持ち合わせていません。そして、その人も誰かから「声を張れ」と言われた体験があるのでしょう。だからあなたにそう言ったんです。
でもね、その人が本当に期待していることって言うのは、あなたに「声を張って欲しい」ことではありません。
その先にあるものを期待しているのだけれども、その人はうまく説明する言葉を持ち合わせていないだけなんです。
だから面倒でもあなたがそれの意図をくみ取って、あなたなりに翻訳して実行する必要があります。
たまーにこんな表現する人、いません?「なんかさ、もっとパーンとできないかな?」とか。これと全く同じことです。
というわけで、あなたが「声を張れ」と誰かに言われたとしたら、まず「あぁ、この人は具体的に説明できないんだな」と思いましょう(笑)
間違っても「具体的にどうすればいいですか?」ってその人に聞かないでくださいね。その人は「だから、声を張れって言ってんの!」と言っている本人もそれだけの言葉しか知らないですから。ホント、こんな指導者が多くて残念です・・・。勘違いするかたがいるかもしれないので言っておきますけど、その人のことをディスってるわけじゃないですよ。ただ事実を言っているだけです。
だからね、言われたことをそのまま受け取るのではなくて、その人が何を期待しているのかを考えてみてください。
それによってあなたがとるべき行動が変わります。
もしね、その人が期待しているものが「もっと大きな声を出して欲しい」だったらあなたは大きな声を出すために必要なことをすれば良いし、「もっと芯のある声を出して欲しい」だったらあなたは芯のある声を出すために必要なことをすれば良いだけ。
「もっと通る声を出して欲しい」ならそのための声の出し方があるわけです。どんな結果を求めているかによって、当たり前ですけどあなたがやることは違います。だから「声を張る」なんていう抽象的で役に立たない無駄な努力はしないでください。結果を出すために必要なことだけをすればいいんです。
そのためには「声を張ることで何が起きて欲しいのか?」を考える必要があるのです。
考えたことありますか?
もし、考えたことがないなら、そのうち喉痛めます。
だって「声を張るとすぐに喉を痛めるんです。なんとかなりませんか?」という方が私のレッスンに来られましたからね。
必要なことを必要な分だけやる
その方とのレッスンのエピソードは後ほど紹介するとして、まずは「声を張ることで何が起きて欲しいのか」を考えてみてください。
先に進む前に、あなたにいくつか質問をします。ひとつだけでいいので答えを考えてみてください。
・あなたは、なぜ声を張りたいのでしょうか?
・あなたは、なぜ声を張れと言われたのでしょうか?
・あなたは、声を張ることでどんなことが起きて欲しいのでしょうか?
・あなたは、声を張ることで何を期待しているのでしょうか?
どれかひとつでいいので質問の答えを考えてみてください。
もし何にも答えが思い浮かばないのであれば、この先は読まないでください。自分で考えることをせずに、ただ言われたことだけをやろうとする方にはここから先の内容は全く役に立ちません。
ここから先は、何か具体的な答えが見つかった方だけ読み進めてください。
さて、できればすべてのお答えについて役に立つ情報をお渡ししたいところではありますが、すべてのケースにお答えするのは難しいので、ひとつだけ例を挙げて、それについて役に立つ情報をお渡しします。
もしあなたのお答えと違っていたとしても必ず応用できるアイディアですなのですが、「私の場合の答えについて、具体的に教えて欲しい」という方はLINE@からメッセージをいただければ個別にお返事させていただきます。
では、例えば声を張ることで「たくさんの人に伝えたい」とか「遠くまで届く声を出したい」ということを期待しているとしましょう。
まず具体的な目的があるのですから、「声を張る」なんて目的に反したことはやめましょう。たくさんの人に伝えたり、声を遠くまで届けるために必要なことだけをしましょう。
たくさんの人に伝えるためには何が必要だと思いますか?
声を遠くまで届けるには何が必要だと思いますか?
以前、「声を張るとすぐに枯れてしまうんです・・・」という方とレッスンをしたときの内容がその答えを教えてくれるでしょう。
声を張るとすぐに声が枯れてしまう女性とのレッスン
私のレッスンに来てくださったのは美晴さん(仮名)という女性。ご自身でダンススクールを主宰されていて、生徒さんは子供から大人まで実に幅広い年齢の方を教えておられます。
普段の少人数クラスのレッスンでは特に声には問題ないそうなんですが、発表会前は大人数の方とレッスンをする機会が多く、普段よりも広い部屋で長時間のレッスンになるのですぐに声がかれてしまって、いつも喉を痛めてしまうそうです。
美晴さん曰く「発表会前のレッスンになるといつも声を張るのですぐに枯れるんです。それでもレッスンを続けなくちゃいけないし、レッスン後には喉が痛くて・・・。」
どうやら彼女は声を張るとすぐに喉を痛めてしまうそうなんですね。
私は、美晴さんにこうお願いしました。
「まずは、少人数クラスのレッスンの時に話している内容を、いつも通りに話してみてください」とお願いしました。
美晴さんが話しているのを私はただ眺めていました。
彼女が話し終わったら、私は別のお願いをしました。
「では、発表会前のレッスンの時に話している内容を、発表会前のレッスンでしているように話してみてください」とお願いしました。
私は先ほどと同じく美晴さんが話しているのを眺めていました。
彼女が話し終わった後、私は彼女に質問しました。
「少人数クラスの時に話している時と、発表会前のレッスンで話している時では、美晴さんは明らかに違うことをやっているんですが・・・そのことはご存じですか?」
彼女は驚いた顔をして「えっ?・・・何も違うことはしていないですよ?」と言いました。
しかし私には彼女のカラダの使い方が明らかに違うのが見えていたのです。
発表会前のレッスンで話している時に、美晴さんは声を張ろうとしていました。つまり喉周辺で不要なことをしていたんです。私には、美晴さんが発表会前のレッスンのように声を出す瞬間に、喉周辺を不要な緊張で固めてしまうのが見えたんです。
私はこの記事のはじめの方でお伝えしたギターの例を出して、声が生まれる仕組みを美晴さんに簡単にお伝えしました。
そしてもう一度、美晴さんに発表会前のレッスンのように話してみてもらいました。その時、私はこうお願いしました。
「晴美さんは声が出る仕組みをざっと理解しましたよね。では発表会前のレッスンをすることで何か期待していることがあるはずです。それを実現するために必要な分だけ使ってみてください。」
そして美晴さんが先ほどと同じ内容を話し終えて、こう言いました。
「さっきより全然ラクです。これなら声を張らなくても、ずっと大きな声で話せそうです!!」
声を張らなくても大きな声を出すことができる。それが、美晴さんが私のレッスンで体験したことでした。
張らなくても大きな声を出すことができる理由
美晴さんは声を張らなくても大きな声で話すことができるということを体験しました。
このレッスンのエピソードを通じて、私があなたに伝えたかったことはご理解いただけたでしょうか?
私があなたに伝えたかったことは、声を張らなくても、あなたが望んでいることを実現することは可能であると言うことです。
晴美さんが声を張るときにしていたことは、喉周辺でだけ声を出そうとしていたことに他なりません。先ほど例に挙げたギターで言うと、晴美さんは弦の張り具合を強く締めることでたくさんに人に伝えるための大きな声を出そうとしていたのです。
当然ですけど、それでは大きい声が出ないのはお分かりですよね?弦を弾く力を一切変えていないのですから、音の大きさが変わるはずがありません。
私は彼女のそんな声の出し方を見て、私は彼女に必要な情報を必要な分だけお渡ししました。そして彼女は声を出す方法を変えたのです。その結果である声が変わるのは当然なんです。
そして、彼女の望んでいるものに近づいたのも当然の結果です。
彼女がたくさんの人に伝えるための声を出すのに必要なことを必要なだけやったわけですから。
プロセスが変われば結果が変わるのは当然です。
なのに、多くの方はプロセスを一切考えずに、結果だけを見ています。「声を張る」なんて結果でしかないんです。肺からたくさんの空気を押し出すことで、声帯ヒダを大きく振動させるためのプロセスの結果が「大きな声」なのに、それを「声を張る」なんて抽象的な表現しているのが巨悪の根源なんですよね。
美晴さんのように、声を張ることで何が起きて欲しいのかを明確にし、そのために必要なものを必要な分だけ使うことができれば、自然にあなたの声には必要な変化が起きるのです。
まとめ
今回は、「声を張る」ということについて悩んでいる方に向けてお届けしましたが、いかがでしたか?
- 「声を張る」なんて抽象的で意味のないことはしなくてもいい
- 声を張りたいなら、その目的を明確にする
なぜ声を張る必要があるのか?声を張ることで何が起きて欲しいのか?など - 発声の仕組みを知り、起きて欲しいことのために必要なものを必要な分だけ活用する
私がお伝えしたことを活用するかしないかはあなた次第です。晴美さんのように確実に変化は起きる方法もあれば、「声を張る」というサッパリ意味不明なことに取り組み続ける方法もあります。
どちらの方があなたの望み通りのことが起きるかは、改めて言わなくてもわかりますよね?
もし、「私の場合は、晴美さんとは少し違うんですけど具体的にどうしたらいいですか?」というように個別の相談をしたい方はLINE@からメッセージをいただければ、個別にお返事させていただきますよ!
もちろん無料です。
さらに学びを深めたい方へ
もっと知りたい方や理解を深めたい方はこちらの記事もあわせて読んでおくと更に効果的です!
≫ 声帯の場所はどこ? - 理想的な発声ができる人だけが知る3つのポイント
またこの記事を読んでくださったあなたにきっと役に立つ記事もまとめておきますね。
今回のことと同じくね、多くの人はきっと横隔膜のことを知らずに「横隔膜を意識して!」って言ってるんです。そして今回の声を張ることと同じ問題が起きているんです。
だから、横隔膜のことをきちんと知っておきましょうね。それが役に立たないアドバイスからあなたの声を守ることに繋がります。
≫ 「横隔膜を意識して」って言うけど、アナタどれくらい知ってるの???
もしあなたが腹式呼吸をするのが好きなら、この記事↓はゼッタイに読まないでください。あなたが大好きな腹式呼吸という幻想を打ち砕いてしまいますから。
≫ まだ「腹式呼吸」って検索してるの? – 発声時に特別な呼吸があると信じている人へ
声のことで困ったら
声を出すときのカラダの使い方、ココロの使い方など困ったことやわからないことがあったらご相談に乗りますよ^^ 相談したい方はぜひLINEで気軽に話しかけててくださいね!
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