発声とは「動きのプロセス」 - あなたが知らない声と呼吸とカラダの関係 その6

こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。

今回はシリーズ「あなたが知らない声と呼吸とカラダの関係」の第6弾です。

ここまで、呼吸とカラダのさまざまな部位との関係について綴ってきました。

呼吸について今までとは違った視点から興味を持っていただけたのではないかと思います。

そして前回の記事でこんなことを紹介しました。「発声は呼吸の一部である」ということです。

今回はそこからさらに一歩進んで、発声について詳しい考察しながら、次回のまとめに入っていきましょう。

発声に関わらず「クセが抜けない」という悩みを抱えている方も役立つヒントもありますよ。

今回のポイント
・生まれ持った機能をただ使うだけでいい
・発声は動きのプロセスである
・発声のプロセスはどこからはじまるのか?

あなたは余計なことをしようとしている

前回の記事でも触れましたが、改めて「発声は特殊な動作」ではないということを理解していただきたいのです。

なぜなら、本やインターネットで見つかるほとんどのボイストレーニングや発声練習などは、余計なことを身につけさせようとしているものだからです。

呼吸法にしてもそうです。

そもそも、呼吸の時のカラダの動きと、声を出すときのカラダの動きを比較すると、肺や肋骨、横隔膜などの動きは同じ動きです。

呼吸の本来の目的は換気です。体内で発生した二酸化炭素を排出し、体内で必要となる酸素を取り込む目的です。

その呼吸という動きにおいて、息を吐き出すときに声門が閉じて声帯ヒダの振動が発生すると「発声」になります。

しかしながら、発声についてはありがたいお話をしてくださる方は、さまざまな動作が必要だと主張されています。腹式呼吸、喉を開く、肩の力を抜く、骨盤を入れる、などなど実に多くの動作がありますよね。

これらはすべて呼吸の邪魔をしていることなんですけど、あなたはそのことを知っていましたか?

あなたが練習していることは、あなたの声を出しづらくするための練習なんです。なぜあなたはわざわざ時間をつくってそんな余計なことを身につけようとしているのでしょうか?

発声練習は役に立たないことだらけ

残念ながら、あなたが練習していることは、実は呼吸の動きを邪魔する方向に働くものなのです。

なぜ私がそう言い切れるかというと、次の2つうち、いずれかに当てはまるからです。

・具体的な動きを伴っていない
・カラダの構造に反することをしている

まず1つは「具体的な動きを伴っていない」からです。

一つ例を挙げてみましょうか。

発声時によくアドバイスされることの一つに「喉を開く」というものがありますよね。私のところにもLINEを通じてそんな質問が寄せられます。

「喉を開くという意味がわかりません」
「どうやったら喉を開くことができるのですか?」
「喉が開いているかどうかわかりません」

こんな質問をいただくことが多いです。

私も養成所時代に「もっと喉を開きなさい」というダメ出しをさんざんされました。

でもね、それって実際に何をどうすればよいのでしょう?

私はそれを具体的にどうすればいいのかを教えてくれる人に出逢うことはできませんでした。

そもそもできるわけがないんです。

以前、「喉を開く」ことについて書いた記事があるので気になる方はこちらを読んでみてください。

こんな風に抽象的なアドバイスがまかり通っているんです。誰も、具体的にどうすればいいのかを知らないのに、そんな雲をつかむようなアドバイスを平気で与える人もいるし、平気で信じる人も多いのです。

そんなレッスンを繰り返していると、こんなことが起こります。

何度も何度も「喉を開け」という抽象的なアドバイスをいただいたお陰で、声を出すときに自分でも何かよくわからないことを伴って声を出すようになってしまうのです。

そんで「喉開くって大切だよね〜」と思ってしまう。
(「喉開くってどう言うこと?」なんて恥ずかしくても質問できないでしょ?)

こうして、さまざまなアドバイスに触れることで、発声という動作はどんどん特殊なものだと思い込んでしまうのです。

そしてもう一つの理由は「カラダの構造に反している」ことをしているからです。

腹式呼吸とか骨盤を入れるとか、こんなアドバイスがありますよね。

これらのアドバイスを信じているかたも山ほどいるでしょうが、実はカラダの構造に反した使い方をしています。

腹式呼吸をすると呼吸の質を制限するような動きが起きてしまいますし、骨盤を入れることで腰の湾曲をさらに強くしてしまい、これも呼吸の質を制限してしまいます。つまり発声の邪魔をしていることなんですね。

そんな逆効果の方法を信じている人がたくさんいる状況において、あなたはどうやって学んでいくことができるんでしょうか???

さらに残念なことに、現代に生きる9割の人はカラダの構造に反した使い方をしながら毎日を過ごしています。誰かと話すとき、カラオケで歌うとき、スマホを使う時や電車で座っているとき、歩くときまでもカラダの構造に反した使い方をしているのです。

つまりあなたはもちろん、あなたにアドバイスをくれたり指導してくれる人でさえ、カラダの構造に反したことをしているので、あなたの発声における根本的な問題を見つけることができないのです。

カラダの構造を知るだけで声は変わる

私たちは生まれたときから呼吸や発声ができる機能が備わっています。

生まれた瞬間から呼吸は始まり、人生を終えるまでずっと呼吸をし続けています。その機能を利用してメッセージを伝えるために声を使います。

持って生まれた機能があって、ただそれを使うだけでいいのに、発声法や腹式呼吸、エッジボイス・ミドルボイスというような余計なことを身につけようとしてしまうのです。

そんな意味不明なことを学んで、あなたの魅力を半減させるようなことをするより、カラダの構造を学んで、あるがままの機能をただ活用するだけであなたの魅力は引き出されます。

それでは、あなたに知っておいて欲しいいくつかの知識をまとめておきますね。

これを知るだけで「声を出すのがラクになった」とか「長年の悩みが解決できた」という感想をいただいているので、いかに世の中の人が普段からカラダの構造に反した方法を使って無駄な努力をしているのかがわかっていただけるはずです。
まずは呼吸に関することをいくつか取り上げてみましょう。

あなたが特別なことを意識しなくても、カラダは呼吸のために活動をしています。ところが、腹式呼吸とか余計なことを学んでしまうと本来の活動の動きとはちがうようなことをさせてしまいます。

それが結果として呼吸の質に影響し、発声にも影響を与えてしまうのです。

そんな余計なことは不要です。生まれ持った機能をただ使うだけでいいんです。

肺や横隔膜などカラダの構造や仕組みを少しでも知るだけで、あなたのカラダは余計なことをしなくなります。たったそれだけのことで発声がラクになったり、どれだけ長時間話しても疲れにくくなったりするのです。

なのに、余計なことを教える人がいるんですよね。

あなたは、そんな人から教わったことを信じて練習して、呼吸や発声を邪魔するような習慣を身につけてしまってはいませんか?
そしてもう一つ、知っておいて欲しいことがあります。

私たちのカラダで「発声」という動作を行うためには、さまざま部分が関与しているということです。カラダの各部位が協力し合って「声を出す」という目的を達成しているんですね。

次の2つを比較して見ましょう。

A.プロセスを知らずに動作を行う
B.プロセスを知った上で動作を行う

この2つではどちらの方が成果は高いと思いますか?

もう少しイメージしやすいものに例えてみましょう。例えば、あなたが料理をするとしましょう。つくったことがないメニューをつくるとしたら、次のどちらの方がおいしいものができると思いますか?

A.レシピを知らずに、なんとなく完成イメージだけを頼りに調理する
B.レシピに従って、手順通りに丁寧に調理する

どちらの方がいい結果が出るかは明かですよね?

ですが、私たち人間は「話す」とか「声を出す」という生まれ持った機能を使うとき、Aの方法でしか使っていないのです。

それはとてももったいないことだと思いませんか?

あなたは、ご自分の「話す」という機能や「声を出す」という機能を十分に活用できていないのです。

声を出す為にカラダではさまざまな動きが起きています。それらの一連のプロセスがあって初めて私たちは声を出すことができます。
どれだけ発声というプロセスをデリケートに扱うことができるか?

それだけであなたの声は大きく変わります。

もちろん、あなたがプロセスをデリケートに扱えば扱うほど、あなたの声を受け取った相手の反応も確実に変わります。

プロセスを丁寧に扱うとこんな変化が起きる

それでは、プロセスを丁寧に扱ったらどんな変化が起きるのかを詳しく見ていきましょう。

実際に私のレッスンに来てくださった方とのエピソードをご紹介しますので、あなたにもきっと理解して頂けるはずです。

20代後半のITエンジニア、おさむさん(仮名)がレッスンに来てくださったときのことです。

おさむさんは、こんな悩みや望みを持っていました。
・話すこと自体は苦手ではない
・「内容が入ってこない」と言われる
・「そつなく話せているけど印象に残らない」と言われる

レッスンを通じて、おさむさんはどんな体験をしたのでしょうか?

プロセスが変われば結果が変わるのは当然

ビジネスでも研究でも、プロセスが変われば結果が変わるのは当然のこと。

でも私たちは「発声」というプロセスにおいてはほぼ無関心です。毎日何度も繰り返しているのですが、全く意識することはありません。特別なことを意識しなくても声を出すことはできますからね。

それだけ意識せずに繰り返していることなので、発声についてプロセスを考えるということをやりません。それどころか、余計なものをどんどんつけ加えたりしてい方の方がおおいんですよね。ボイストレーニングや発声練習、セミナーなんかでテクニックのようなものを手に入れて、それだけで満足してしまっています。

もしあなたが声について何か気になっていることや悩んでいることがあるとしたら、声についてもっとこうなりたいという望みがあるとしたら、そもそもテクニック以前の問題なんです。

その解決の鍵となるのがプロセスなんです。

おさむさんとのレッスンを通じて、私はおさむさんが発声プロセスをもっと丁寧に扱うための情報をお渡ししていきました。特に目新しいことをお渡ししたわけではりません。おさむさんのカラダで起きていることをより丁寧に理解していただくための情報をお渡しました。

これが意識的にカラダを使うことにつながり、より丁寧に発声プロセスを実行できることに繋がるわけです。

ところが、プロセスを考えなくても私たちは声を出すことができます。だから8割の人は考えていません。考えるのが面倒だからです。でも確実に2割の人は丁寧に発声プロセスを実行しているんです。それが「人を惹きつける声」や「信頼感のある声」、「魅力的な声」としてあなたの声との確実な違いとなるわけです。

そしてプロセスに沿って声を使っている人のうち1割の方は無意識でできてしまっていますから、人を惹きつける声や魅力的な声をしているのに「特に何も意識していません」と言っています。雑誌やインターネットのインタビュー記事で紹介されているのはたいていその方々です。意識しなくてもできてしまっているんですね。インタビューされるくらいの方ですから、それだけ思考回路もできあがっているから、意識しなくてもプロセスに沿った使い方ができてしまうのも納得できますよね。

さて、もしあなたが「考えるのが面倒な8割の人」に該当しているとしたら、どうしますか?あなたが無意識や意識的であれプロセスを実行できる2割の人に該当するとしたら、そもそもこの記事にはたどり着くはずがないですよね?

もしあなたが望んでいることがあるとしたら、それを叶えるための鍵はプロセスを考えることです。

プロセスを丁寧に考え、それを実行すれば確実にあなたの声は変わるのです。

まとめ

それでは今回のまとめです。

今回のまとめ
・発声は特殊な動作ではない。生まれ持った機能をただ使うだけでいい。
・発声とは動きのプロセス
・プロセスを変えれば結果は確実に変わる

私がレッスンでお教えしていることは、発声練習でもボイストレーニングでもありません。話し方でもテクニックでもありません。

プロセスを丁寧に考え、それを実行するための能力を養うことです。

これは発声だけに限らず、日常生活や仕事はもちろん、恋愛でも活用できる能力です。

プロセスを丁寧に考える力を身につけて、あなたもおさむさんのような変化を遂げてみませんか?

確実に変化できるきっかけをお渡ししますよ。

 

今回紹介した記事はこちら

あわせて読んでおくと更に効果的です!

シリーズ「あなたが知らない声と呼吸とカラダの関係」の目次はコチラ

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