こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。
テレワークになり、リモートで会議を行うようになってから、なんとなく声が出しづらい気がする、しんどい感じがするという方も多いのではないでしょうか。
声が出しづらい原因は、あなたのカラダの使い方や、普段の習慣の中にあります。
働き方の変化とともに変わってしまったあなたの習慣や、その原因を探りながら、テレワーク中でもできる発声改善のポイントをご紹介していきます。
・テレワークになってから声が出しづらい理由
・発声改善のためのカラダの使い方
・リモートでも好印象のカギは「距離」!
テレワークで声が出ない?原因はカラダのメンテナンス不足!
声が出ない、出しづらいのは、カラダのメンテナンス不足が原因です。
ギターやピアノ、管楽器など、どんな楽器でも、長い間メンテナンスができていないと調律がくるってしまったり、音がでなくなってしまったりしますよね。
カラダは、声を出すための楽器です。
あなたのカラダも、メンテナンスを怠っていると、ギターやピアノと同じようにどんどん音が狂ってしまうのです。
もし、あなたが今声を出しにくいと感じているとしたら、あなたのカラダはメンテナンスを求めています。
しかし、普段どおりに声を出しているだけのつもりなのに、なぜテレワークになってから声に不調を感じるようになってしまったのでしょうか。
それは、会社に出社して仕事をしている時と比べて、あなたのカラダが固まっている時間が長くなってしまっているから。
同じ仕事内容でも、家で仕事をするときと社内で仕事をするときでは、カラダを動かす回数が全然違います。
会社で働いている時は、少し離れた場所にあるトイレに行ったり、ミーティングをするために移動をしたり、ちょっとした打ち合わせのために席を立ったりと、デスクワークでも意外と動く機会が多いもの。
しかし、テレワークになり、家で仕事をするとなると、トイレにいくのも飲み物を取りに行くのも、同僚とのコミュニケーションもすべて自分の家の範囲だけ。
食事もデリバリーなどでさっと済ませてしまったり、仕事がおわったあともどこにも行かなかったりと、会社に通って仕事をしていた時と比べて、格段にカラダを動かす機会が減ってしまいます。
デスクワークで移動も最小限という生活の中で、ずっと同じ姿勢でカラダを固めた状態は、一部の筋肉をずっと緊張させ続けるクセにつながってしまいます。
声とカラダは密接な関係にあり、影響しあっているので、カラダが固まっていると声を出すときに動くはずの場所が動いていなかったり、息が吸いづらくなったりして、発声がしづらくなってしまうのです。
声が出しづらい原因が、あなたのカラダの状態にあるということを知ること、そして、あなたのカラダの状態を変えることで、声の出しづらさも少しずつ改善されていきます。
テレワーク中でも簡単にできる発声改善のポイント
ずっと同じ姿勢でいる時間が長いテレワーク中でも、違和感を覚えることなく、声を楽に出すことができれば、もっと仕事がはかどりますよね。
カラダの状態が声の出しやすさと強く関係していることが分かったところで、ここからはテレワーク中やお仕事中でも気軽に試せる、発声改善のためのポイントを3つ紹介します!
1.「カラダは常に動いている」ということを知り、意識する。
あなたは仕事中、PCに向かっている時、どんな体勢で作業をしていますか?
あまり意識したことがない、集中しているから覚えていない、という方が多いのではないでしょうか。
人間は集中すると、自分のカラダを対象物のサイズに合わせてしまい、ぐっとカラダを固めてしまいます。
パソコンに向かっている時はパソコンのサイズ、スマホを眺めている時はスマホのサイズにカラダを合わせてしまうのです。
これはカラダを固める習慣となってしまい、結果として声を出しづらい原因になります。
これを解消するためには、「あなたのカラダが常に動いている」ことを再認識することがとても大切です。
じっとしていると思っていても、生きている限り息をしているので、全く動かないということはあり得ません。
常に動き続けているはずカラダを、パソコンのサイズに合わせて固めてしまうと、負担がかかったり不具合が起こったりします。
パソコンでの作業中にも、「カラダは動き続けているんだ」と意識するだけで、固まっていたカラダは動きやすくなります。
カラダがいい状態であることが、発声を改善するための第一歩です。
2. 立つ、座るを丁寧にやってみる。
同僚や上司のいない自宅でのテレワーク中、あなたはどんな立ち方、座り方していますか。
人の目がある社内と比べて気が抜けている分、会社では絶対にやらないような姿勢で座ったりしていたりしませんか?
この「立つ」「座る」という動作は、テレワーク中でもよくあるカラダを動かすタイミングです。
ほとんどの方が無意識にやっているこの動作を、自分の中で意識的に行うことが、2つめのポイントです。
例えば、トイレに行くとき、コーヒーを淹れるために立ち上がるとき、あなたのカラダはどの部分から動き始めるのでしょうか。
自分のカラダを観察しながら、ゆっくり丁寧に立ち上がってみましょう。
仕事中のちょっとした合間のタイミングでできるので手軽ですよね。
発声は、自分のカラダを意識的に使うことでぐっと質が上がります。
まずは、「立つ、座る」の日常的に良く行うシンプルな動作から、「意識的な動き」を習慣化してみてください。
3. 距離感と空間を意識する
テレワーク中は、リモートでつないで人と話す機会が増えますよね。
自宅にいても、いろんな場所にいる人と顔を観ながら会話ができるのはとっても便利ですが、実際に目の前にいる人と話すときとは感覚が違います。
画面にうつる平面に見える相手と話していると、絵や鏡に話しかけているような、届いているのか届いていないのかわからないような気がして、どのくらいの距離感で話せばいいのか、判断できません。
さらに、さきほどご紹介した『1. 「カラダは常に動いている」ということを知り、意識する』のように、集中している時、人間はカラダを対象物のサイズに合わせてしまいます。パソコンに向かって集中している時は、あなたはパソコンに合わせてカラダをぐっと固めてしまい、無意識のうちに、自分はパソコンと同じ平面だと錯覚してしまいます。
しかし、パソコンにカラダを合わせてしまっているあなたも、画面の向こうにいる相手も、平面ではなく立体です。
このことを再確認し、意識することができれば、リモートでも相手との距離感がつかみやすくなります。
まずは、自分も相手も立体で考えるための手がかりを見つけてみましょう。
自分の部屋の広さ、相手の部屋の広さ、そしてカラダの大きさなど、リモートでも見えている情報をひとつずつ確認します。
それを想像しながら話すことで、自分や相手が立体であることを確認でき、会って話しているのと同じ調子で話すことができます。
自分の部屋の空間と相手との距離感を意識しながら話すことで、自分の発声をコントロールできるのですね。
「距離」を意識してリモートでも好印象!
発声を改善すると同時に考えたいのが、「リモートでも好印象」な声についてです。
リモートで商談や会議などをするときは、直接会って話すよりも表情や雰囲気などが伝わりにくく、その分、声が与える印象が強くなります。
声の印象をよりよくするためのポイントは、声を届ける「距離」を意識することです。
直接会って話すときは、多くの人は無意識のうちに声の大きさやトーンをコントロールしています。
目の前にいる人に向かって大声を出したりしないし、遠くの人に用事があるのにささやくような声で話しかけたりしないですよね。
相手と直接話すときは、相手の耳に届くくらいの大きさの声で話をすると思います。
では、リモートでは、どこまで声を届ければいいのでしょうか。
画面越しで相手の顔を観ているとなんとなく遠く感じてしまいますが、声を相手に届けてくれるのは、あなたの使っているパソコンやイヤホンのマイクです。
普段使っているパソコンの前に座って、あなたの口からパソコンやイヤホンのマイクまでの距離がどのくらいあるか、確認してみてください。
その距離の分だけの空気の振動を起こすための息をはくだけで、あなたの声は充分相手に届きます。
過去の記事で、空気・息の通り道について詳しく触れていますので、ぜひこちらも読んでみてくださいね。
≫ 声はどこから生まれるか? - 発声の悩みを解決するための3つのポイント
声を届ける「距離」を把握して、意識しながら声を出すことで、違和感のない、楽で印象のいい発声に近づけることができます。
「距離」を把握せず、なんとなくいい声で話そうと喉やその周りの筋肉に力を入れてみたり、力任せに声を出したりすると逆効果。力みや緊張で喉が締め付けられてしまい、大きな負担がかかってしまいます。
実際にあって話すときと同じように、声を相手に届けるための「距離」を意識してみてくださいね。
まとめ
テレワーク中で声が出ない、出しづらくなってしまうのは、カラダの使い方に原因があります。
声の出づらさに気づいていながら、今までの使い方を続けてしまうと、気づかない間に少しずつ、発声の機能が少しずつ劣化していってしまいます。
いきなりたくさんのことを意識するのは大変ですが、「立つ、座る」といった、日常的に行うシンプルな動きでも、発声を改善するきっかけになります。
まずは、立ち上がるその瞬間から意識してみませんか?