「アタマに響かせる」とか「喉を開く」って具体的にどうするの?

こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。

あなたはこんな言葉を聞いたことがありませんか?

「声の抜けが良くないから、もっと頭に響かせて」
「喉をもっと開いて」
「声を前に出して」

こんなアドバイスをもらっても、正直よくわからないですよね。

私も、昔所属していた事務所のレッスンでよく言われました。

レッスンに通っていた当時は、色んな方法を試してみて求められていることをできるようにトライしていましたが…

私の理解が足りないのか、全く意味がわかんないです(笑)

あなたは
「頭に響かせる」とか
「喉をもっと開く」とか
「声を前に出す」とか
具体的にどんなことかわかりますか?

事務所のレッスンを受けていたあの頃から比べると今の私は解剖学の知識やアレクサンダー・テクニークなどの学びを通じて、私なりの解釈をすることができました。

今回は「頭に響かせる」とか「喉を開く」という意味不明なアドバイスが一般的に使われているのかを考えながら、これらに安全に対処する方法を紹介します。

実は逆効果のアドバイス

「もっと頭に響かせて」
「喉を開いて」

これはボイストレーニングとか発声練習とか、声を使って表現するレッスンを受けたことがある方にはおなじみのアドバイスですよね。

実は、これらのアドバイスが私たちをより混乱させるというとんでもなくありがた迷惑な効果も持っているって知ってました?

もし、あなたがこんなアドバイスを受けたことがあるならその時のことを思い出してみてください。

「もっと頭に響かせて」と言われたあなたは何をしましたか?
「喉を開いて」と言われたあなたは何をしましたか?

こんなアドバイスを言われたとき、具体的に何をすればいいかが分かる方います???

正直、こんな抽象的な表現だと、何をすれば良いかわからないです。

頭ってどこ?
響かせるってどうすんの?
喉ってどこのこと?
開くってどうやって?
どのくらい開くの?

あなたはこれらの疑問に答えられますか?

多分、ほとんどの人は答えられないと私は考えています。でも、それは仕方ないんです。だって、詳しく教わってないはずですもん。

私も似たようなアドバイスをもらったことはありますけど、具体的に何をするかを教えてくれた方はいませんでした。抽象的で感覚的な表現でしか言ってくれないのでどうすれば良いか具体的な方法はわからないのです。

こんな感覚レベルのアドバイスは、教わる側にとってはありがた迷惑なんです。

当たり前ですが感覚は人それぞれ違います。だから感覚レベルで会話していると、どこかで必ず理解の不一致が起きてしまうのです。

そんなとき、多くの場合は教わる側が不利になります。多くのレッスンは先生が生徒に教えるという上下関係の元に成り立っていますからね。だから、先生の言っていることが意味不明なことであっても理解できないのは生徒に非があると考えてしまうんですね。

それはアドバイスでも何でもなくて教わる側である生徒を傷つける行為でしかありません。

発声についての誤解を一掃しよう

おそらくですがあなたもこんなアドバイスをもらったからこの記事にたどりついたんじゃありませんか?

「頭に響かせる」とか「喉を開く」とか言われたけど、先生に聞きたくても聞けないし、誰に聞いて良いかわからない。

でもなんとかしたい!

そんなあなたにまずして欲しいことをお伝えします。

まず、声を出すために必要なことについてのカラダの誤解を一掃しましょう

例えばその筆頭に挙げられるものが呼吸です。

あなたはこんなアドバイスを受けたことはありませんか?

「お腹から声を出しなさい」とか
「お腹に息をたくさん入れて」とか。

私たちのカラダは、お腹から空気が出てくることもなければお腹に空気が入ることもありません。当然、お腹から声を出すこともできません。でも多くの方はお腹から声を出したり、お腹にたくさん息を入れようとしています。

こんな風にカラダについての誤解がたくさんあるのです。しかも誤解していることを知らないまま、教えたり、教わったりしています。

誤解したままカラダを使って声を出すのと、誤解をなくしてカラダの機能を活かして声を出すのとでは、あなたはどちらの方法で声を出したいですか?聞くまでもないですよね。誤解をなくしてカラダの機能を活かして声を出したいでしょ?

そのためには発声器官についての情報をアップデートするのがオススメです。

カラダの地図を更新しよう!

発声器官についての情報をアップデートするために一番オススメなのはカラダの地図を更新すること。

私たちの脳は自分自身のカラダのサイズを把握しています。どこにアタマがあって、腕があって、足があってというようにカラダの全体図を把握しています。

その情報に基づいて、私たちが何かの行動をするときにカラダを動かすための指令を出しています。

たとえば歩くときや階段を上るとき、飲み物を飲むためにペットボトルを手に取るとき、スマートフォンを操作するときなど、目的を達成するために必要な動きができるように、とても役に立つものです。

でも、このカラダの全体図が実際と異なる場合、カラダの動きを制限する場合があります。

私たちのカラダの動きに特に影響を与えると思われるポイントをいくつか上げておきますね。

股関節の位置
腕が始まっているところは?
首はどこからどこまで?
指はどこからどこまで?
足が曲がる場所

などなど、カラダの動きをスムーズにするためにカラダの地図をアップデートすることはとっても有効です。もちろんですが、声を出すことについても同じです。

私たちのカラダには声を出すためにお仕事をしている発声器官と呼ばれるものがあります。これらについても、あなたが持っている地図を更新するだけで、あなたの声がグッとよくなったり変わる可能性を秘めています。いや、確実に変わります。

ちなみに、私のレッスンでは発声練習はしません。だって、発声改善士だから。レッスンを受けてくださる方の中にはマッピングをアップデートしただけですぐに声が変わる人が多いです。

しかも股関節の使い方変えるだけで声が変わるという体験をした生徒さんに「トクガワさんって、魔法使いですか?」って聞かれましたw

この記事の最後に、過去に声のトリセツで紹介した記事からカラダの地図のアップデートに役立つ記事をいくつか紹介しておくのでぜひ参考にしてみてください。

きっとあなたが誤解していたことがいくつか見つかるはず。その誤解をなくすだけであなたの声は変わるはずです。

すぐ読みたい方はこちらから

「アタマに響かせる」とは具体的に何をすること?

それでは今あなたが持っている悩みについて考えていきましょう。

まずは「頭に響かせる」ということについて考えてみます。

私が思うに、「頭に響かせる」を理解したり実行するのに苦しむ主な理由があります。

それは「頭に響かせる」は具体的な行動ではないということ。

だからアドバイスする側も「何をどうしろ」というような具体的なアドバイスをしないんだと思います。

っていうか、できないんです。

頭に響かせるというのは、何らかの行動をした時に起こる結果でしかないからです。例えば友人から「明日の10時に新宿駅に来てください」と言われたらあなたはどうしますか?

新宿駅へ向かうために電車を乗り継いで、時間通りにつくことはできるでしょう。

でも「明日の10時に新宿駅じゃないところにきてください」と言われたらどうしますか?

これだけではどこに行ったら良いのかわかりませんよね?

新宿駅じゃないところといえば新大久保でも高田馬場でも新宿でも中野でも、山ほどあるわけです。

「頭に響かせる」というのはこれと同じことを言われているようなもんです。

じゃぁいったいどうすれば良いの???と言う方のためにフレデリック・フースラーが『うたうこと 発声器官の肉体的特質―歌声のひみつを解くかぎ』で示したアンザッツが役に立つでしょう。

これは「声をあてる場所」について書かれていますが声のあて場所の一つに頭頂部があります。

これは特定の発声器官の使い方をすれば特定の場所に声があたる(気がする)というものです。

きっと【声をあてる。つまり・・・どこに?何を?どうやって?】が参考になるはずなので是非読んでみてください。

「喉を開く」とは具体的に何をすること?

ではもう一つの逆効果アドバイスである「喉を開く」について考えてみましょう。

さて、喉を開けと言われたらあなたは何をどうしますか?

それを考える前に、まずは「喉」が一体どこなのか、明確にしておいた方がいいでしょう。

まずは誤解がないかの確認です。

「のど」は解剖学においては咽喉(いんこう)といいます。

あまりなじみのない言葉かもしれませんが、あなたもきっと目にしたことがあるはず。

「耳鼻咽喉科」のあれです。

この咽喉は2つの部分から成り立っています。

咽頭(いんとう)と喉頭(こうとう)です。

図で見るとこんな感じ。

『プロメテウス解剖学 コア アトラス 第2版』
図38.25 口腔
正中矢状断、左外側方から見たところ

黄色で囲んだところが咽頭、青で囲んだところが喉頭です。

さて、「喉を開け」と言われたなら、あなたはどこをどのようにすればいいと思いますか?

先ほど紹介したアンザッツの記事を読んくれた方は気づいたかもしれませんが、私たちの声はどこをどんな風に使ったかで変わります。

つまり「喉を開け」と言った人がどんな結果を求めているかで私たちが声を出すためのカラダの使い方が変わるのです。

だから、「喉を開く」というアドバイスに対して何をすればいいかは、全くわからないのです。

知っているのはアドバイスをした人だけ。いや、アドバイスした人もぶっちゃけ分かってないかも知れませんよ。

だから、具体的に何をしたらいいか質問する方が良いです。

もし「喉を開け」とアドバイスした方が、喉頭や声帯で何かすることを意図しているのであれば、私が以前書いた記事が参考になるかと。

詳しくは【声帯ヒダを0.28ミリ閉じる】をどうぞ。

まとめ

今回のテーマは「アタマに響かせる」とか「喉を開く」って具体的にどうするの?なので結論。

私からお伝えしたいことは、そんなアドバイスは無視してOK!です。

今回のまとめ
  • 抽象的なアドバイスを鵜呑みにせず、どこで何をするか具体的に教えてもらう
  • カラダについての誤解をなくす(カラダの地図をアップデート)
  • 教わる人を選ぶ

「頭に響かせろ」や「喉を開け」だけでなく抽象的なアドバイスって本当にたくさん出回っています。

わからないから「具体的にはどうするんですか?」って質問しても、でもなかには「そんなの自分で考えろ」と厳しく言い放つ方もいるかもしれません。

だとしたら、それはその方も具体的に何をしたらいいかわからなんでしょう。

そんなときはその人に教わるのは諦めて、あなたの質問に答えてくれたり一緒に考えてくれる人を見つけましょう。

本当にあなたのことを思って指導してくれる人はあなたと一緒に考えてくれるはずです。

っていうか、それが指導する側の役目だと思うんですけどね。

あなたが「わからない」といったことに対して、「努力がたりない」とか「才能がない」とか「自分で考えろ」って言ってしまうような人に習っていると余計なダメージを受けて、知らないうちに損しますよ。

上手くなるためには先生を選ぶことも大切ですよ。

最後に、カラダの地図をアップデートしたい方のために読んでおいて損はない記事をいくつか紹介しておきます。もしあなたがカラダのことについて誤解しているなら読まなきゃ損ですよ!! 

今回紹介した記事はこちら

あわせて読んでおくと更に効果的です!
 
声帯の場所について詳しく知りたい方は【声帯の場所はどこ?】がオススメです。

そもそも「声帯ってなに?」という方や、声帯について理解を深めたい方は【「声帯を鍛える」なんて無駄なこと、いつまでやってるの?がオススメ。

発声において呼吸はめっちゃ大切。残念なことに、ほとんどの方は肺の大きさや位置を誤解していますからね。肺について正しい知識が欲しい方は【肺がどこにあるか、ホントに知ってますか?】がオススメ。これだけでも声変わりますよ。

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