いい声になるための練習について考える

こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。

 

あなたは自分の声のために何か練習に取り組んでいることがありますか?

声のトリセツを読んでくださっている方の中には、声関係のお仕事をしている方や目指している方も多いです。

セリフやナレーション、演技、朗読など、あなたがやりたいことについて真剣に練習に取り組んでいる方も多いでしょう。

レッスンやボイストレーニング、スクールに通う人もいれば、自分で練習をしている人も多いはず。

自分1人で練習をしている時、「こんな練習していていいのかな?」とか「この練習方法は正しいのかな?」とか思ったことはありませんか?

ひとたび考えはじめるとどんどん不安になってしまうこともありますよね。

今回は、上手くなりたいと願うあなたのために「正しい練習方法」について考えていきます。

声のトリセツでは主に声についてのアイディアを発信していますが、そのアイディアや考え方のプロセスは日常生活のあらゆることにも活用できます

もちろん、今回の内容も、声を出すことに限らずあなたが学んでいることや上手くなりたいこと全て共通して当てはまるでしょう。

うまく活用できれば、ますますあなたの学びが加速しますよ。

 

練習が上手く行かないのはなぜか?

まず一番の悩みは「練習が上手く行った」という感じがしないことではないでしょうか?

悩んでいることや解決したいこと、クリアしたいことがあって練習に取り組んでもなんだかしっくりこない。

上手くいった感じがしないから、自分には才能がないんじゃないか?とか、努力が足りないんじゃないか?という風に考えてしまう傾向にあります。真面目であればあるほどその傾向は強いでしょう。

こうすると後はどんどん穴に落ちていくだけ。その前に浮上のきっかけを掴みたいですよね。

なぜ練習が上手く行く感じがしないのでしょう。

その理由は「練習」というものをどのようにとらえているか、どんなものとして考えているかにあると、私は考えています。

あなたは「練習」とはどんなものであると考えていますか?

「できないことをできるようにするため」と考えていませんか?

そんな風に考えていると、「練習」をできないことばかり探してしまうようなあら探しコンテストを毎回開催していることになってしまいます。

練習のことを自分へのダメ出し大会のように考えている人って、実はとっても多いんですよね。

 

練習の目的

ここで「練習」についての考え方をアップデートしましょう。

私が思うに、練習とは2つの目的があると思います。

その2つを紹介してきますが、ここからは声についての練習ということにフォーカスしていきますね。

 

発声器官に今まで不可能であったことを目覚めさせる

私たちは声を出すために必要なものを持っています。その発声器官を目覚めさせることが一つ目の目的です。

発声器官について詳しく教わることもないせいか、意識して使っている方もほとんどいないでしょう。

そのせいか、私たちが持っている声を出すためのすばらしい器官は、そのほとんどが使われないまま。

例えば、発声器官が10個のパーツで構成されているものだったとしたら、実際に日常会話で声を出すときに使われているパーツは3つとか、そんな感じです。

そして、人前で大きな声を出す必要があるときのように普段よりも大きな声やパワーを必要とするときは、6つくらいのパーツをつかう・・・・なんてことはありません。残念ながら、ほとんどの人はパワーを必要とするときでも3つくらいです。パーツを使う数は変わりません。

だって、それ以外のパーツを普段から使っていないから。使い方を知らないものを必要に応じて使ったりなんてできませんよね。

では、人前で大きな声を出す必要があるときのように普段よりも大きな声やパワーを必要とするときはどうしているのでしょう???

大きな声を出した後の状態を考えてみればわかりやすいと思います。

多くの方は大きな声を出した後は疲れます。それは、普段使っている3つのパーツをいつもより多く働かせたから。そのためにパーツが疲労してしまったのです。

私たちの発声器官はほとんどが未使用のまま。それを目覚めさせることが練習をする目的の一つです。

つまり日常会話でも10個あるパーツをできる限り使っておくようにすることなのです。

そうすると人前で大きな声を出す必要があるときのように普段よりもエネルギーを使うことは楽チンになります。

3つのパーツと7つのパーツ、同じ結果を出すために必要なエネルギーはどっちの方が少なくて済みますか?一つ一つのパーツの負担を少なくさせて、それぞれのパーツが機能すれば、どっちの方がラクに声を出すことができるでしょうか?効率の良い方はどちらなのかは考えればすぐにわかりますよね。

 

まちがっている事柄を取り除く

もう一つの練習の目的は「まちがっていることを取り除く」ということ。

なるほど、いつもレッスンとか練習とかでやっていることね・・・と納得してもらえるかもしれないのですが、注意して欲しいのが「まちがっている」についての認識です。私は、これを多くの方が誤って認識していると思います。

だって、あなたが考えている「間違っている」というのは誰かの主観的な判断によるものだからです。

例えば先生であったり、演出家であったり、指導に当たる人はもちろん、時には同僚からも言われるかもしれません。「それは間違っている。正しいのはこうだ!」というように。

でもそれはその人の考え方を基準にしているだけの話であって、本当のところは正しいのか間違っているのかなんてわかりません。

A先生は「間違っている」というけど、B先生は「正しい」といっていることなんて世の中に山ほどありふれています。

ちなみに、私が言う「まちがっている」ことの基準は、私たち人間にカラダの構造や働きについての誤解のことです。

例えば腹式呼吸を取り上げてみると、「お腹に息が入るようにイメージして」といいますが、発声に必要な息がお腹に入るわけではありませんよね。

こんな風に、実際にカラダで起きていることをまちがって理解したり、本来起きるはずのないことをやろうとしていることを取り除いていくことです。

しかしながら、そのまちがったことはカラダに染みついているので、ただ熱心に練習にとりくむだけではまちがっていることも同時に練習されてしまうのです。

なんだか練習すればするほど、まちがったこともさらにカラダに染みつくようになるとしたら、練習って何のためにしているんだろう・・・と不安になりますよね。

 

真の目的は「正しい意図を実現すること」

ここで考えて欲しいのが、練習の真の目的です。

「発声器官に今まで不可能であったことを目覚めさせる」「まちがっている事柄を取り除く」という2つの目的を紹介しましたが、これだけだとまだまだ足りないのです。

発声器官を目覚めさせるなんてすぐにできるわけではないし、練習すればするほど間違っていることも練習されているわけですから。

そこで大切なのが、「できた・できなかった」という結果を重視するのではなくって、「意図」を大切にすること

少しずつでも良いから正しい意図を実現することに重点を置くのです。

たとえば、「声を出すとき○○が弱いから△△しよう」とか「声を出すときに◇◇のようだから☆☆しよう」とか。

結果はどうであれ、明確な意図を持って練習に取り組むことが大切なのです。そしてその明確な意図に沿ってアクションできた自分を褒めることも大切です。

なのに、多くの教師は、間違っていることばかり指摘するんですよね・・・。

私は、それが「正しい意図を実現すること」を阻んでいると思うんですよ。上手くなりたいという望みを持ってレッスンに来ている生徒に対して、間違いを指摘することが役目だと考える教師が指導に当たることは、その生徒の上達を阻んでいるんじゃないでしょうか?

だからこそ適切なサポートが必要になるわけです。

 

適切なサポートをしてくれる存在が必要

前述ように、間違いを指摘することが役目だと考える教師に教わると、上達を阻まれる恐れがあります。

また、1人でに取り組んでいても、やはり自分では客観的な判断はできません。すぐ主観的な思考に騙されます。

だから「意図を実現するための練習」をサポートできる存在が必要なわけです。

例えば鏡であったり、録画であったり、もしくは意図を実現するためのサポートができる教師であったり、あなたがアクションした事実をありのままに伝えることができる外部の力が必要なのです。

録音という方法を使っている方がいるかもしれませんが、録音が役に立ちません。なぜなら録音を聞くときには聴覚だけしか働かず、耳はすぐに慣れてしまうために役に立たないのです。

そして、声は結果でしかないのでそれだけ聞いてもどうアプローチするか有効な方法を見つけるのが難しいのです。

テクニックのアプローチはできますが、全く無意味です。以前、「発声法とか滑舌法とか、テクニックは本当の原因をごまかす」でテクニックはペンキのようなものとお伝えしましたよね。

カラダの使い方やどんなことを考えていたかが、声に影響を与えます。だから、カラダでどんなことが起きていたかを記録できていない録音では不十分なのです。

そのために鏡や録画が役に立つのです。今ではスマートフォンで簡単に録画できます。何て便利!!

鏡や録画したものを見返しながら、あなたが声を出すときに何が起きているかを観察してみてください。

今までに気づかなかったことに気づくことができるでしょう。

できることなら、「意図を実現するための練習」をサポートできる教師に声を出す練習を見てもらうことの方が効果は絶大です。

そばでコミュニケーションを取りながら、客観的に何が起きているか見てくれますからね。

 

まとめ

もしあなたが練習を続けることについてなにか心配や疑問、不安を抱えているなら、あなたがもう一つ上のレベルに上がることをサポートしてくれる教師を見つけることをオススメします。

前にも少しだけ紹介しましたが、学びのステップに応じて3つのタイプの教師が必要だと紹介しましたよね。「基礎を忠実に教えてくれる教師」「表現する楽しさを教えてくれる教師」、そして「その2つを融合する教師」です。

「その2つを融合する教師」こそが「意図を実現するための練習」とそのサポートをしてくれる教師です。

真面目に練習に取り組んでいるあなたがもっと上手になるために必要なのは「意図を実現するための練習」とそれをサポートしてくれる教師かもしれません。

それがうまくなるための正しい練習方法を身につける一番の近道です。

私も、発声改善士として「意図を実現するための練習」とそのサポートを提供しています。

あなたとのコミュニケーションを通じて、あなたに寄り添い、尊重し、あなたの意図を実現するための練習を全力でサポートします。もちろん、私が「正しい」と信じていることを押しつけるレッスンはやっておりません。

意図を実現するための練習方法が知りたい方はボイスアクティベーションの体験レッスンへどうぞ。

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