こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。
新年度が始まって約1ヶ月半が経ちました。4月から新しい環境でご自身の望みや目標に向かって行動されている方が多いようで、LINE@やメールでよく相談を受けるようになりました。
・声がこもっているような気がするのでなんとかしたい
・電話で営業するんですけど、自分の声が嫌いで・・・
・営業職なんですけど初対面の人が苦手です
質問してくださる方々の具体的な状況は異なっていますが、大きなくくりで考えると「コミュニケーションが苦手なんですがどうすればいいですか?」っていう内容が多いですね。
それぞれの個別の状況をお伺いしてお返事しているんですけど、そのやりとりを何度かしているうちにちょっと違和感を覚えました。
「これさえやればコミュニケーションの悩みはするよ!」っていう方法を求めて私に連絡してませんか???
私は、どんな状況においてどんなことに悩んでいるか?そしてそれをどうしたいのか?を聞くまでは役に立つアイディアをお渡しすることができません。
状況によってアドバイスは毒にも薬にもなります。
例えばね、私は次の3つを持っているとします。キンキンに冷えた生ビール、常温のミネラルウォーター、アツアツのホットココア。この3つが手元にあって、誰かに「どうか飲み物を私にください」と言われたとします。
あなたならどれを渡しますか?
私はその人がどういう状況で私に飲み物をくださいと言っているかを聞くまでは、どれも渡すことができません。その人の状況を聞かない限りは、砂漠を渡り切って疲れた人かもしれないのに熱々のホットココアを渡すことにもなりかねないからです。
『声のトリセツ』でもそれに近いことを綴っていたつもりなんですけど、それを理解されていない方が多いんです。
質問してくださった方に「どんな時に声が出にくくなりますか?」とか個別の状況を伺うと、8割の方は返事がありません。
も一度言わせてくださいw
「これさえやればコミュニケーションの悩みはするよ!」っていう方法を求めて私に連絡してませんか???
そんな方法があるなら私も教えて欲しいです。
そしてそんなエリクサーみたいなモノは多分この世に存在していません。
もし本当に存在しているなら、みんな知っているはずなんです。一発でコミュニケーションの悩みが解決する方法があるなら、すでに世に出回っているはず。
グーグル先生に質問すれば教えてくれるか、テレビで取り上げられているか、誰かが本を出しているかなど、あなたが知ることができる状況にあるはずです。
でもあなたは知らないし、今こうして私のサイトに来てくれたということはね、そんな超絶便利な方法は存在しないと思うんです。
実際、ジュンク堂とか紀伊國屋とか丸善に行けば、コミュニケーションについての本はたくさんありますよね?なのに次から次へと色んな人が同じテーマで本を出しています。
っていうことはね、即効性がある方法なんて存在していない証拠じゃないですか?私はそう思います。
コミュニケーションの悩みを解決できる唯一の方法は存在しない
実は私もコミュニケーションがあまり得意ではありません。初対面の人には何を話していいかわかりません。名刺交換する時なんか、かなりテンパります。パルプンテ唱える直前のようなもんですよ。
で、たいがいその日の夜に後悔するわけです。「あ~絶対変なヒトやと思われてるわー」って。
だって、名刺に「発声改善士」って書いてるし、まずそこから意味不明でしょ?w
その昔、コミュニケーションが苦手で自分の声に自信を失った私は結構いろんな本を読みました。それこそ紀伊國屋に行って、コミュニケーションに関する本を買っては読んでいた時期がありました。(その頃の苦悩と葛藤、絶望の日々はプロフィールに詳しく書いていますので読んでみてください)
読みあさった本には色んなことが書かれていました。今思い出せるモノだけでも挙げてみようと思ったのですが思い出せるモノがない・・・だって、全部ブックオフに売りましたからねw
「こうすれば必ず上手くいく」とか「発声練習をして声に自信をつけよう」とか「第一印象は初めの10秒で決まる」とかそんな感じのことが書かれていたような・・・。表現は違えどだいたいはそんな感じです。
たぶんあなたも色んな本を読んだり、グーグル先生に質問して調べていると思います。
具体的にどうすればいいか見つかりましたか???
見つかってないですよね???
見つかるわけありません。そんな方法ないはずなんです。
あなたもわたしも「確実にコミュニケーションの悩みを解決できる方法」を知らないということがそれを証明しているんじゃないですか???
なぜ存在しないと言い切れるのか?
では確実にコミュニケーションの悩みを解決できる方法がなぜ存在しないかについて考えてみましょう。
いや、考えなくても分かりますよね?
一概に悩みといいますけど、具体的な悩みとなっている状況を考えると星の数ほどあるわけです。だから「これさえやっておけば大丈夫」的な解決法などあるわけがない!!
もし納得できないなら、この世のどこかに確実にコミュニケーションの悩みを解決できる方法が存在していると今でも信じているなら、初対面の人と話すのが苦手という悩みを例に考えてみましょうよ。
「初対面の人と話すのが苦手」という悩みを持った5人の方がいたとします。
なぜ苦手なのか?それぞれの方に聞いてみるとわかります。
Aさん:目が合った瞬間にめっちゃ緊張して上手く話すことができない
Bさん:相手に気に入られたいと思うあまり失敗が怖くて言葉に詰まる
Cさん:自分の声に自信がなくて相手にいつも聞き返されるのが怖い
Dさん:相手に品定めされているような気がして落ち着かない
Eさん:以前、初対面の人にひどい言葉をかけられたことを引きずっている
ちなみに例に挙げた5人の方のお話はすべて私のレッスンを受けに来てくれた方の悩みです。みなさん具体的な状況って全く違うでしょ?でも「初対面の人と話すのが苦手」という同じ悩みを持っているのです。
「初対面の人と話すのが苦手」という悩みを解決する唯一の方法が存在しない理由がわかりましたよね?
つまりコミュニケーションの悩みを解決するための絶対的な方法は存在しないんです。
じゃあ諦めなければいけないの・・・?そう思うかもしれません。
諦めるのはまだ早い!
あなたが具体的に困っている状況がハッキリしているなら、その悩みのタネになっていることを見つけることからはじめましょう!
多くの場合、それぞれの方の具体的なシチュエーションに悩みのタネのヒントになるようなことが隠されています。
それを放置したままにしてボイトレとかしても全く悩みが解決しないわけです。
事実、私のレッスンに来てくれた人の中にも、「ボイストレーニングに行ったんですけど全く効果なくて・・・。トクガワさんのブログ読むと他の人と全く違うこと書いてるので気になってレッスンに来ました」という方が多いです。
もしあなたがコミュニケーションについての悩みを解決したいと考えているなら、あなたが困っている具体的なシチュエーションについて一緒に考えてくれる人のサポートを得るのが理想的です。
そして、見つかってからも一緒に考えてくれる人が必要です。
なぜかというと、見つかってからの方が大変だからです。その悩みのタネはあなたの習慣に組み込まれています。悩みのタネが見つかっただけでは何の解決にもなっていません。必要なのは習慣化してしまっている悩みのタネを取り除くことなんです。
これはタバコをやめたいのにやめられないっていう状況と似ていると思います。
あなたの周りにもいません?なかなかタバコやめられない人。
「タバコやめたいんよねー」とかいいながらタバコに火をつけてたりする。
行動習慣に組み込まれてしまっている喫煙という動作、そしてそこから得られる感覚や刺激を手に入れることが習慣化してしまっているんです。(まぁ、「タバコをやめたい」と言う人は本当はやめたくないんですよね。本当に止めたいなら、そんなこと言う前にやめてるはずやから。「分かっちゃいるけど止められない」って言うのは本当は分かっていない証拠って言いますよね?)
だからタバコをやめると言うことは習慣を変えるということ。1人の力でできない人のために、プロフェッショナルの力を借りるための禁煙外来というものがあるわけです。
まぁ、多くの人は見つかったことに満足して、それだけで解決できた気分になってしまうんですよね。そして自分1人で解決できると言うことを信じて疑わない。
もし本気で「コミュニケーションの悩みを解決したい」と考えているなら、安直にボイトレに通ったり、話し方講座に通うのではなくて次の点に注意してください。
・悩みがあるのはどんなシチュエーションか?
・その時に自分のカラダで何が起きているか?
・その時に考えていることはどんなことか?
これを自分で考えることができれば、わざわざお金を出して他の人に教わる必要はありません。
あなた自身で解決できる力を身につける方法
そんな難しいこと、自分でできるようになるの・・・?って心配しているアナタ!
大丈夫です。『声のトリセツ』を読んでくれてるじゃないですか。
私が発信していことは、全てあなた自身が自分でコミュニケーションについての悩みを解決する力をつけられるためのヒントです。
もしアナタがコミュニケーションについての悩みを本気で解決したいと望んでいるなら、さっき挙げた3つのポイントに気づいてみましょう。
・悩みがあるのはどんなシチュエーションか?
・その時に自分のカラダで何が起きているか?
・その時に考えていることはどんなことか?
本気で解決したいなら、この3つのポイントに具体的に答えられるように、アナタは考えるはずです。
もし答えられないのであれば、本気で解決したいと思っていないか、「コミュニケーションが苦手」と弱点をアピールすることで誰かに救いの手を差し伸べて欲しいと思っている(自分ではなく他の人に助けて欲しい)からかもしれません。
もう一度、アナタの心に問いかけてみてください。本気で解決したいのかどうかを。本気で解決したいのなら、この3つのポイントに答えてみてください。
そして3つのポイントに具体的に答えられるようになったら、2つめと3つめについて次のこと考えてみてください。
・その時に自分のカラダで起きていることは必要なことなのか?
・その時に自分が考えていることは必要なことなのか?
多くの場合は必要でないことをやっているはずです。もしそれが必要でないならば、それをやめていくことを練習していくだけです。
勘違いしないで欲しいのですが、必要のないことをしているのは悪いことではありません。多くのトレーナーはクセや習慣を悪いことと認識して矯正しようとしてきますが、これは逆効果です。
あなたが自分のカラダで起きていることや考えていることが不要だと判断してもね、その時までは必要なことだったんです。アナタが生きてきた歴史の中で何らかの必要があって、アナタが身につけたことなんです。もしそれを否定するなら、それまでのアナタの経験や体験、人生を否定することになってしまうんです。(多くの人がレッスンで傷つくのはそのためです)
もし不要なことだと判断したなら、これまでのアナタには必要だったけど、これからのアナタには必要ないということ。だから、これまであなたの助けになってくれていたことに感謝の気持ちを込めていったんお別れしましょう。
こうすることであなたは変化への第一歩を踏み出すことができるのです。
何歳であっても遅すぎるというものはない
もしここまで読んでくださったのならね、あとはいつから取り組むか?です。
新しい事をはじめるときに多くの人が口にしますよね。「まだ○○歳だから」とか「もう○○歳だから、いまさら・・・」って。
これ、誰が言い出したんですか?
さっきのセリフを言うのってほとんどは周りの人じゃないですか!
新しいことをはじめようとしている人の周りの人がそう言って、モチベーションを根こそぎ奪っていく。多分、あなたが自分と同じレベルから上に抜けていったり、別のフィールドに言ってしまうことを止めたいだけなんでしょう。「あなたのために言うけど・・・」っていいますけど、本音では自分のためです。あなたのためではない。
そもそも新しい物事をはじめるのに、早いも遅いもありません。
昔は○○歳になったら、みたいな指標はあったかもしれませんが、今は多様化の時代ですからね。中学生や高校生で社長やっている人もいれば、おじいちゃんになっても新しいチャレンジしている時代でしょ。
そしてコミュニケーションや声に関することで言うとね、私は今のうちにはじめておくのがいいと思うんです。
そう遠くない未来、私たちの声はどんどん悪くなっていくと思います。周りの人の身体の使い方を見てるとすぐ分かりますよ。その理由は【人間の声はどんどん悪くなる】に書いていますので、読んでみてください。
あなたが自分の声が悪くなっても別に良いかもしれませんけど、あなたの子供が声がきっかけで人生損することになったらどう思いますか?
あなたの子供が将来社会人になって、コミュニケーションが苦手だから仕事も上手く行かなくて・・・
そうなる前にできることは何でしょうね。
そろそろ義務教育でもコミュニケーションや声を出すことについて学ぶ時間を設けるべきが来ているのではないでしょうか。
まとめ
今回のテーマはいかがでしたか?
「これさえやっておけばコミュニケーションの悩みを解決できる」方法は本当に存在するのか?について、私なりに本当に真剣に考えてみました。あなたはそんな方法が存在していると思いますか?
最後に、今回のポイントをまとめておきます。
・「確実にコミュニケーションの悩みを解決できる方法」は存在しない
・なぜなら、悩みのタネは人によって全く違うから
・もし本気でコミュニケーションの悩みを解決したいなら、この3つのポイントを考える
・悩みがあるのはどんなシチュエーションか?
・その時に自分のカラダで何が起きているか?
・その時に考えていることはどんなことか?
・カラダの使い方や考えていることについて、必要でないものがあるなら、それをやめる
それでも、1人で考えていると行き詰まったり、サポートが欲しくなったりしますよね。
時には一緒に考えてくれる人が欲しい!という方もいるでしょう。
そんなときには遠慮なくLINE@からメッセージくださいね!!