こんにちは。
発声改善士のトクガワ です。
歌や演技、人前で表現をしたり話すことは好きなんだけど、相手に声が届かなかったり、表現が小さいと言われたり・・・「声量が小さい」ことに悩んでいませんか?
ある女性からLINEでこんな質問をいただきました。
初めまして。声優の事務所に入っている者です。
専門学校を卒業し、無事事務所が決まって(準所属)、今、週に一回のレッスンを受けているのですがまずは声量を3倍にしなさいと言われました。
声量をアップさせるトレーニングを自分なりに調べてはいるのですが、なかなかこれだ!というものがなくて…どういったことをすれば声量を倍にすることが出来るでしょうか…?
あなたも彼女にように声量を増やしたい、声を大きくしたいけどどうして良いかわからない・・・と悩んでいませんか?
今回は「声量を増やしたい」「声量が小さい」ことに悩んでいて、それを改善したいと考えているあなたのために、毎日・いつでも・どこでもできる改善方法について紹介していきます。
本やネットで見つけたことを試しても効果を感じられないなら、間違ったトレーニングをしている可能性もありますから注意してくださいね。
・声量を増やすためには何をすればいいのか?
・声量を増やすにはトレーニングは必要か?
声を出している時に何をしていますか?
レッスンでは、実際に声を出している時にどんなことをしているかについて私がカラダの使い方を見てその人に会った提案ができるのですが、LINEではそうはいきません。
だから質問いただいた方にはまず「声を出している時にどんなことをしていますか?」と質問しています。
発声時にどんなことを意識しているか?
どんな風にカラダを使っているか?
どんなことを考えながら声を出しているか?
などなど、「どんなことでもいいので声を出している時にご自分がやっていることについて教えてください」とお願いしています。
ところが9割の方は自分がどんな風にカラダを使って声を出しているかを考えていません。
自分が何をしているかも考えずに、声量を増やすための方法を探しているのです。
残念ながらそれではゼッタイに声量を増やすことはできません。あなたが望んでいることは未来永劫叶うことはないでしょう。なぜなら、改善のためのポイントは「声を出す時にどんなことをしているか?」に隠されているんです。そして、カラダの使い方は人によって違うのでそれを聞くまではアドバイスも提案もできないんですよね。
ネットや本で調べても「これだ!」という方法が見つからなかったり、口にくわえて声量のトレーニングをしても効果を感じられないのも同じ理由です。改善のためのポイントに目を向けずに、ただ練習やトレーニングをしていては、全く効果は得られません。
感覚が鈍っているといつまでたっても声量は変わらない
「声量を増やす」ことに限らず、あなたが悩んでいることを解決したり、あなたが望んでいることを実現するには、あるものが必要です。
それは、あなたが「声を出すときにどんなことをしているか?」に気付くためのセンサーです。
私たちは普段、外部からたくさんの情報を受け取っています。外にいるとあなたの身の回りではさまざまな人や車が動いていますよね。
電車では吊り広告や動画広告、スマホをみてはニュースや友人の近況を見る。家に居てもテレビやYouTubeでたくさんの情報を受け取ります。その処理に忙しいので、自分のカラダではどんなことが起きているか?に目を向ける暇がありません。
周囲の環境に流されていることにも気付かずに生きていきたいならそれでもいいと思うのですが、あなたはそうではありませんよね?
「声量を増やす」ことを通じて、実現したい望みがありますよね?
そのためには、あなたが声を出すときに何をしているか?に気がつく必要があるのです。
それがわからないようではこれ以上上手くなることはできません。
声を出している時に何をしているかに気付くことができなければ、あなたが声を出すときにやっていることの中にある改善すべきポイントがわからないからです。
カラダの動きや状態のフィードバックを受け取る感覚が使われていなければ、あなたはいつまでたっても声量を増やすことができないのです。
声量を3倍に増やすための3ステップ
では、ここからは「カラダの動きや状態のフィードバックを受け取る感覚」を磨きながら、声量を3倍に増やすためのステップについてお伝えしていきます。
声を出す前に「カラダをどう使うか?」を具体的に選択する、選択したことをいざ実践したときに「カラダをどう使ったか?」を意識的に目を向けることをしながら次の3つに取り組んでください。
発声の仕組みを知る
まずは発声の仕組みを知らなければ、どんな悩みも解決しないし、どんな望みも叶えられません。自転車に乗ったことがない人がいきなり自転車に乗れるわけではありませんからね。
でも声を出すことについては誰にも習うことなく出せるので、ほとんどの人は発声の仕組みについて考えたことがありません。レッスンでも「どうやって声が出てるか知っていますか?」と質問すると、9割の人は「わかりません」と答えられます。
だから声量を増やしたいならまずは発声の仕組みについて知っておく必要があります。
あなたも小学校の理科の授業で習ったことがあるはずですが、音というのは空気の振動です。そして私たちの声も同じで、空気の振動として口から出ていって相手の耳に届きます。
声量を増やすには、この空気の振動がどうやって生まれているかを理解しておいてほしいのです。
声は息を吐く時に声帯ヒダの隙間が閉じられることで生まれます。どちらか片方だけでは声は生まれません。息を吐くだけでは声は出ませんし、声帯ヒダの隙間を閉じるだけでも声は出ません。この2つが同時に起きることで声帯ヒダが振動し、音が生まれるのです。
声量を増やしたり、声量が小さいのを改善したいなら、この仕組みを知っておく必要があります。
その上でカラダの使い方、特に呼吸について意識的になる必要があります。
声量を決めるのは「吐く息」
発声は、息を吐くことと声帯ヒダの隙間が同時に閉じられることが同時に起きることで実現されています。
声帯ヒダの動きについては【「声帯を鍛える」なんて無駄なこと、いつまでやってるの?】で詳しく解説しているので読んでおいていただくとして、ここでは息を吐くことについて解説していきます。
声量の大きさは吐く息によって変わります。
例えば、息をゆっくり少しだけ吐き出すと声帯ヒダの振動はあまり起きません。するとささやくような小さな声になります。反対に、息を勢いよくたくさん吐き出すと声帯ヒダの振動は大きくなり、勢いのある大きな声になります。
こんな風に息の吐く量やスピードによって声量は変わるのですが、発声の仕組みを知らない人は喉で声の大きさをコントロールしようとしてしまいます。つまり喉に力を入れたり締め付けたりしているのです。先ほど発声の仕組みを解説したのですでにお気づきだと思いますが、実はこれは全くの逆効果なんです。
ギターで例えると、弦をキツく締めることで大きな音を出そうとしているようなものなんですよ。ギターの仕組みを考えていただくとわかると思うのですが、弦をどれだけキツく締めたとしても、音の大きさは変わりません。音の大きさを変化させるためには、弦を弾く時の力を変える必要がありますよね?弦の締め具合を変えるだけでは音の大きさは変わらないのです。
しかも、弦を締めすぎてしまうと、プツンと切れてしまいます。あなたは声を出すときに同じようなことをしていませんか?すぐに声が枯れたり喉が痛くなったりしているとしたら、喉に力を入れたり喉を締めすぎている証拠です。
声量の大きさに関与しているのは喉に力を入れることではありません。吐く息の量やスピードを変えることなのです。
呼気筋を意識して使う
声量を増やすためには息を吐くことについてあなたは今以上に意識的になる必要があります。
息を吐くためにはカラダでどんな動きが起きているかを知り、その動きを邪魔することなくカラダが本来持っている機能を十分活用できるようにさせてあげることが必要です。なぜなら、息を吐く時にあなたは色々な邪魔をしているからです。
その邪魔についてはE-Bookで詳しく解説しています。
その邪魔を取り除いた上で、息を吐く時のカラダの使い方について意識的に使うことができるようになっていきましょう。
こんな話をすると「腹式呼吸をすればいいんですよね?」という人がいるのですが、今すぐやめましょう。なぜなら、腹式呼吸はあなたが声量を大きくする上では邪魔になる恐れがあるからです。いや、恐れというか確実に邪魔です。
大切なことなのでもう一度言っておきます。
腹式呼吸はあなたの発声を邪魔するものです。
詳しくはこちらで。
腹式呼吸なんていうおとぎ話は忘れて、まず息を吐く時に働く筋肉を知っておきましょう。
そうそう。以前、twitterやInstagramにアップしてそこそこ反響があった呼気筋のマインドマップを掲載しておきますね。
これらの筋肉がお仕事をすることで私たちは息を吐くことができるのです。
ウソみたいな話かも知れませんが、どこにある筋肉かを知っておくだけでカラダの使い方が変わって声量が変わる人もいるんですよね。だからあなたもこれらの筋肉がカラダのどこにあるのかを確認しておきましょう。
なぜ確認しておいて欲しいかというと、実際にはこれらの筋肉の一部はほとんど使われていません。もしくはあなたが間違った知識を持っていることで、呼気筋が本来のパフォーマンスを発揮できていないのです。だからあなたの声量が小さいのです。
これらの筋肉を意識的に活用して息を吐くことができれば、あなたの声量は確実に大きくなるのです。
そのためには発声の仕組みを知り、声を出すときのカラダの動きについてあなたがどんなことをしているかを知ることができなくてはなりません。あなたがどんな風にカラダを使っているかを気付くことができるようになって初めて、本来のパフォーマンスを邪魔するものを取り除いたり、より活用することができるのです。
呼吸についてもっと詳しく知りたい方はnoteにまとめた記事がオススメです。けっこうボリュームがあるので覚悟して読んでくださいね。
カラダについての知識をもって、カラダの使い方に意識的になっていれば、自然と感覚は磨かれていきます。まずは日常生活で声を出したときに「どんな風にカラダを使っているか?」に目を向けてみてください。きっとあなたが無意識のうちにやっている発声の邪魔に気がつくはずです。
声量が小さくて悩んでいる方とのレッスン
冒頭で紹介した質問と同じことをレッスンに持ち込んでくださった女性がいました。彼女とのレッスンエピソードはきっとあなたの役に立つと思うので紹介しておきますね。
あるとき声量が小さくて悩んでいる女性(アスカさん、仮名)がレッスンに来られました。
アスカさんは声優の養成所に通って、レッスンに励んでいる方でした。
そんなアスカさんですが、私とのレッスンではこんな悩みを打ち明けてくれました。
・講師に「声量を3倍に増やせ」と言われたが、実際に何をすればいいか教えてくれなかった
・ネットや本で調べて取り組んでいるが、これといったものが見つからない
・口にくわえて声を鍛えるという器具で練習をしているが、練習のモチベーションが沸かない
私とのレッスンを通じて、アスカさんはどんな体験をしたのでしょうか?
使い方を変えれば確実に声量は増える
レッスンを通じてアスカさんはカラダの使い方を変えることができました。
これは悩みを解決したり、望みを達成する上では必ず必要な事です。口に加える器具を使ってトレーニングをしても、発声練習やボイストレーニングをしてもカラダの使い方が変わらなければ根本的な解決には繋がりません。
なぜなら、プロセスが変わらなければ結果は変わらないからです。
発声もカラダの使い方のプロセスの結果なので、カラダの使い方が変わらなければ声も変わらないのです。
今回、アスカさんのレッスンでお伝えしたポイントは3つでした。
・発声の仕組みを知る
・声量を決めるのは吐く息
・呼気筋を意識して使う
この3つのポイントを意識しただけで、アスカさんの声量は変化を見せ始めました。
当然と言えば当然なんです。アスカさんの発声プロセスが変わるので、アスカさんが望んでいる声に近づいたのです。
今回のレッスンで、私はアスカさんがこれから先の日常生活を通じて学び続けるために十分なアイディアをお渡ししたので、アスカさんが毎日の生活で意識することができれば、確実に声量は増えるでしょう。
次回、アスカさんがレッスンに来られるときが非常に楽しみです。
まとめ
それでは、今回のまとめです。
・呼気筋を意識して使えば力は入れなくて良い
・声量を増やすためのトレーニングは日常生活からできる
どうも発声練習やボイストレーニングが大好きな方が多いようで、私の所にも「こうすれば良くなる!」という練習方法を求めて来られる方が多いです。でもそんな方法があるならあなたの声はすでに変わっているはずですよね?
いつまで経ってもあなたの発声プロセスが変わっていないから、あなたの声は変わらないのです。
声を出すためには何が起きる必要があるのか?
このことを今一度考えてみてください。
それを考えた上で、あなたのカラダをどう使うかを意識すれば、声量を増やすことも確実にできるのです。
残念ながら、9割の人は自分のカラダの邪魔しながら発声をしてしまっていて、そのことに気付いていないのが現状なんですよね。
あなたも、声を出すときのカラダの使い方を見直して、あなたが本来持っている声量を引き出しましょう!
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